ラピュタ・アニメーション フェスティバル vol.1 2000

手塚治虫 実験アニメーション 虫の実験室

日本だけでなく世界的にもアニメーションの巨匠といわれる手塚治虫の仕事には「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」などのテレビ作品のみならず実験的表現を試みた短編アニメーションや、実験的に描かれた漫画作品のアニメーション化などがあり、このフェスティバルでは手塚治虫の野心的試み、斬新なアイデアにあふれた貴重な作品を集め、2プログラムにして上映します。
8/10(木)〜19(土)※A・B入れ替え制
*プログラムA*
12:30/16:00/19:30
*プログラムB*
14:20/17:50/21:20
プログラムA
1.  おんぼろ フィルム
85年/5分30秒/パートカラー
悪者相手に危機一髪で美女を助けるカウボーイの物語。フィルムが途中で切れたり、雨降るごとくキズだらけでも、このおんぼろフィルムの結末を最後まで見てください。
2.  緑 の 猫
83年/24分/カラー
原作は1959年「おもしろブック」の別冊付録用に描かれた本格SF短編まんがの名作。手塚の死後、ビデオ発売されたライオンブックシリーズの第一作である。
3.  雨ふり小僧
83年/24分/カラー
原作は1975年「月刊少年ジャンプ」の掲載の短編まんが。少年と妖怪・雨ふり小僧の出会いを描いた情感あふれる作品。ラストでおもわず涙。ライオンブックシリーズ第二作。
4.  村 正
87年/8分44秒/カラー
妖刀村正と呼ばれる刀を持った武士が、藁人形を試し切りしていくと、倒された藁人形は次々と人間へと変わってしまい・・・。手塚作品に数少ない時代劇の異色アニメーション。
5.  ある街角の物語
62年/38分/カラー・ワイド
街角の壁に並ぶポスターが音楽を奏でている。ある日突然戦争が起き、バイオリニストの青年のポスターとピアニストの少女のポスターが戦火に包まれ・・。平和への願いを込めた手塚アニメの第一作。
*料金*

当日券

一般/¥1500

学生/¥1300

シニア・子供/¥1000

前売り券
¥1200

前売り2回券
¥2000

フェスティバル
全回通し券
¥15000

プログラムB
1.  自 画 像
88年/13秒/カラー
手塚が生前製作した最後の実験アニメ。手塚の自画像とどこかで見かけた人物の肖像がスロットマシーンする。世界五カ国のアニメーション作家19人との競作。
2. しずく
85年/4分17秒/カラー
大海原を漂流している男は喉の乾きと飢えに悩まされ、極限に達する。その時、マストに光る4粒の滴を発見。哀しくも笑えるナンセンスな作品。第5回草月アニメーションフェスティバルで公開。
3. 人 魚
64年/8分18秒/カラー
空想好きな少年と人魚との出会いとふれあいを描いたファンタジー。勝手な空想が許されない社会や大人たちへの批判が込められいている。第4回草月アニメーションフェスティバルで公開。
4. プッシュ
87年/4分18秒/カラー
ボタンを押せばなんでも手に入る自動販売機のある世界を舞台に人間の限りなき欲望をナンセンスに描く。第2回広島アニメーションフェスティバルで公開。
5. 森の伝説 PART-1
87年/29分20秒/パートカラー
手塚の敬愛するウォルト・ディズニーへのオマージュ。チャイコフスキー「交響曲第4番」にのせて自然と人間の共存が対立をテーマに描く。手塚が自主製作した最後の実験大作。
6. 展覧会の絵
66年/39分/カラー・ワイド
手塚がムソルグスキーの組曲から受けた印象をもとに、ウォルト・ディズニーの「ファンタジア」を目指して作った10のエピソードによるオムニバス形式の作品。
7. ジャンピング
84年/6分20秒/カラー
手塚治虫の後期実験アニメーションの代表作。主人公がスキップするうちにいつ果 てるかもしれないジャンプへと繰り返す。