No.3
2004.12.12.sun.

エイゼンシュテインの『イワン雷帝』をテキストに
映画、アニメーションの本質について語った6時間

ユーリ−・ノルシュテイン ワークショップ開講

 12月12日(日)、会場はザムザ阿佐谷にて「ノルシュテイン、映画の秘密、エイゼイシュテンの『イワン雷帝』を、語る」と題したアニメーション ワークショップが開催されました。第1部(午前)が『イワン雷帝』の上映、第2部(午後)が講議という内容で、朝10時から夜の8時まで、計10時間(!)に及ぶワークショップとなりました。
 『イワン雷帝』はひとコマ、ひとコマが非常に優れた完璧な芸術作品であり、ノルシュテイン氏いわく「『イワン雷帝』はスーパーアニメーションである」という観点から今回のテキストに選ばれました。監督はご存じの通り、ノルシュテイン氏が映画芸術の天才と賞賛し、自身のアニメーション制作に多大な影響を与えたというアレクサンドル・エイゼンシュテインです。この最高のテキストをもとに1本の映画作品をつくりあげる際には、音楽、演劇、空間、色彩など画面にあらわれるすべてのものを計算し、監督がコントロールしなければならない、として、『イワン雷帝』をひとコマ単位でスクリーンに投影し、一方で絵やコンテをきりながらエイゼイシュテインがつくりあげた「映画の文法」を明確に解説。「映画」とは何か、「映画つくり」には何が必要か、そして「映画監督」には何が求められるか、ということを受講生に向けて熱心に語りかけました。
 長時間に及ぶ講議をしてくださったノルシュテインさんはもちろんのこと、通訳の児島宏子さん、そしてご参加くださった受講生のみなさん、本当におつかれさまでした。

写真:映画とは何か、というテーマで受講生に講議するノルシュテイン監督

ラピュタアニメーションフェスティバル2004