朝日新聞(夕刊)2000年3月14日(火)掲載

岡本喜八全部見せます

19日から東京・ラピュタ阿佐ヶ谷

再編集版やテレビ作品も


 痛快戦争アクション「独立愚連隊」などの作品で知られる岡本喜八監督の全作品を集めた「岡本喜八映画祭」が、19日から東京・阿佐ヶ谷のラピュタで始まる。監督した38本すべてとテレビ作品4本を、約4カ月かけて上映する。

 岡本監督は1924年生まれ。58年に「結婚のすべて」で監督デビューし、59年、日中戦争の前線の闘いを西部劇風アクションに仕立て、戦争の愚かしさを笑いのめした「独立愚連隊」がヒット。乾いたタッチでテンポのいいアクションコメディーを数多く世に出す。ほかの作品には「肉弾」「近頃なぜかチャールストン」「ジャズ大名」などがある。

 映画祭は、「結婚のすべて」と「独立愚連隊」の2本立てで開幕し、以降、1週間に2本ずつのペースで7月22日まで続く。4月2日から15日には、最近作「EAST MEETS WEST」のディレクターズカット版をレイトショーで上映する。95年の公開時より約15分短くしたもので、これが劇場初公開。

 「無国籍でナンセンスで血沸き肉躍る喜八ワールドは、エンターテインメントであると同時に『日本とは何か』をいつも考えている。特に若い人たちに、日本にこんな面白い映画があったんだということを知ってほしい」とラピュタ館主の才谷遼さんは話している。

 問い合わせは電話03・3336・5440(ラピュタ阿佐ヶ谷)へ。