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作品解説

  人妻椿 前・後篇
1936/白黒/前80分 後62分/16ミリ
監督:野村浩将/脚色:柳井隆雄/原作:小島政二郎/撮影:高橋通夫/美術:浜田辰雄/録音:妹尾芳三郎 他/配光:加藤政雄/編集:高橋通夫
出演:川崎弘子 佐分利信 上原謙 青木しのぶ 坂本武 笠智衆
小島政二郎の「主婦之友」長期連載小説の映画化作品。純情可憐な娘役から脱皮したばかりの松竹の看板女優の1人、川崎弘子がヒロインを演じて空前の大ヒットを記録した。消息不明の夫と、その妻の運命の物語。
 
 
  純情二重奏 前・後篇
1939/72分/白黒/16ミリ
監督:佐々木康/脚本:斎藤良輔 長瀬喜伴/撮影:野村昊 寺尾清/音楽:万城目正 仁木多喜雄/録音:前田嗣利 河野貞寿
出演:高峰三枝子 吉川満子 斎藤達雄 岡村文子 木暮実千代 淡谷のり子
メロドラマや「名曲」シリーズで手腕を発揮した佐々木康監督と作曲家・万城目正、そして高峰三枝子の初コンビで大ヒットを飛ばした作品。歌謡映画というジャンルを確立した。当時のヒットソングが聞かれて楽しい。
 
 
  婚約三羽烏
1937/66分/白黒
監督:島津保次郎/脚本:島津保次郎/撮影:杉本正二郎/録音:中村鴻一/現像:佐々木太郎
出演:高峰三枝子 佐野周二 上原謙 三宅邦子 水島亮太郎 森川まさみ
昭和初期の就職難を巧妙に乗り切り、銀座の織物会社に入社した2枚目3人男と、その3人が熱を上げる社長令嬢の恋のバトル話。高峰三枝子がまばゆいばかりのヒロインを初主演。大船調モダン恋愛映画の大ヒット代表作。
 
 
  暁の合唱
1941/101分/白黒/16ミリ
監督:清水宏/脚色:斎藤良輔/原作:石坂洋次郎/撮影:猪飼助太郎/音楽:伊藤宣二/美術:江坂実
出演:木暮実千代 坂本武 吉川満子 川崎弘子 佐分利信 日守新一
戦前の秋田を舞台にしたローカル色あふれたユーモアたっぷりの秀作。戦前の作品でありながら、時代を先取りした内容となっている。バスの運転手になろうという女性が主人公となっている点にそれがうかがえる。
 
 
  わが恋せし乙女
1946/75分/白黒
企画:細谷辰雄/監督:木下恵介/脚本:木下恵介/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司/美術:小島基司
出演:井川邦子 原保美 東山千栄子 勝見庸太郎 増田順二 山路義
戦中の暗い世相を描く作品を自分の本意としては受け止められず、自らの指向性をもって木下監督が脚本を書き映画化されたロマンティシズムいっぱいの作品。仲良く生活する兄妹が、実は本当の兄妹ではないことがわかる。
 
 
  わが生涯のかがやける日
1948/101分/白黒
製作:小倉武志/監督:吉村公三郎/脚本:新藤兼人/撮影:生方敏夫/音楽:木下忠司
出演:山口淑子 森雅之 滝沢修 宇野重吉
自分の父を殺した男と、それと知らずにその男を愛してしまう娘の華麗なるメロドラマ。前年の「安城家の舞踏会」でコンビを組んだ吉村監督と脚本家・新藤兼人の2作目。このコンビが2年後、近代映画協会を設立する。
 
 
  はたちの青春
1946/72分/白黒
監督:佐々木康/脚本:柳井隆雄 武井韶平/撮影:斎藤毅/音楽:万城目正
出演:幾野道子 河村黎吉 大坂志郎 三村秀子 坂本武 西村青児
戦後ならではの解放感にみちた大船調青春映画。ガーゼ越しに演じられた、幾野道子と大阪志郎のキス・シーンが大きな話題を呼んだ。大々的に宣伝された“接吻映画第一号”を一目見ようと、映画館は連日満員になったという。
 
 
  自由学校
1951/109分/白黒/16ミリ
製作:山本武/監督:渋谷実/脚本:斎藤良輔/原作:獅子文六/撮影:長岡博之/美術:浜田辰雄/録音:大村三郎/照明:小泉喜代治
出演:高峰三枝子 佐分利信 淡島千景 佐田啓二 杉村春子 笠智衆
朝日新聞連載、獅子文六原作の映画化。大映・吉村公三郎監督との競作という点で大きな話題となった。気が強く、活発な妻・駒子は昼アンドンのようなノンビリ屋の夫を家から追いだしてしまう。脇を演じる役者陣が豪華。
 
 
  本日休診
1952/97分/白黒
製作:山本武/監督:渋谷実/脚本:斎藤良輔/原作:井伏鱒二/撮影:長岡博之/音楽:吉沢博 奥村一
出演:淡島千景 鶴田浩二 角梨枝子 三国連太郎 佐田啓二 岸恵子
舞台は蒲田駅の近く。町医者が本日休診の札をかかげ、さあ休もうとする所へ戦争後遺症で発作をくりかえす男や町のやくざ、急患が次々と飛び込んで来るドタバタでどこかおかしく、やがて悲しきヒューマンコメディ。
 
 
  我が家は楽し
1951/91分/白黒/16ミリ
製作:小出孝/監督:中村登/脚本:田中澄江 柳井隆雄/原作:田中澄江/撮影:厚田雄春/美術:熊谷正雄/録音:大村三郎/照明:高下逸男/編集:浜村義康
出演:山田五十鈴 高峰秀子 岸恵子 佐田啓二 笠智衆
田中澄江の原作を中村登監督が映画化した、松竹大船お得意の小市民映画。大家から住みなれた家の立ち退きを迫られるなどの困難を、貧しいながらも1家6人の夫婦愛、親子愛とお互いの信頼の強さ、明るさで乗り越える。
 
 
  カルメン故郷に帰る
1951/86分/カラー
製作:月森仙之助/監督:木下恵介/脚本:木下恵介/撮影:楠田浩之/音楽:木下忠司
出演:高峰秀子 小林トシ子 井川邦子 佐野周二 坂本武 笠智衆
日本初の総天然色(カラー)映画。東京からストリッパーのリリィ・カルメンが故郷に帰ってきた。彼女をとり巻く珍騒動と高峰秀子のさわやかなお色気。レオス・カラックスが日本で誰より会いたがったのが高峰だった。
 
 
  カルメン純情す
1952/102分/白黒
製作:小倉武志/監督:木下恵介/脚本:木下恵介/撮影:楠田浩之/音楽:黛敏郎 木下忠司
出演:高峰秀子 小林トシ子 淡島千景 若原雅夫 斎藤達雄 東山千栄子
シリーズ続編。今回はカルメンの相棒マヤの捨て子騒動記。高峰 =木下コンビはこの後も「女の園」「二十四の瞳」とヒット作が続く。成瀬組の「めし」「浮雲」で見せた影のある女とは対象的な美しさをご覧あれ。
 
 
  現代人
1952/112分/白黒
製作:山本武/監督:渋谷実/脚本:猪俣勝人/潤色:斎藤良輔/撮影:長岡博之/音楽:吉沢博 奥村一
出演:山田五十鈴 池部良 山村聡 小林トシ子 望月優子
小津、成瀬の助監督を務めた渋谷実の社会派ドラマ。建設官僚と土木業者の収賄事件をベースに戦後日本の暗部を描く力作。渋谷実は遺作「仰げば尊し」(渋谷版「東京物語」)まで、風刺コメディの監督として知られた。
 
 
  とんかつ大将
1952/95分/白黒/16ミリ
製作:山口松三郎/監督:川島雄三/脚本:川島雄三/原作:富田常雄/撮影:西川亨/美術:逆井清一郎/録音:熊谷宏/照明:豊島良三
出演:津島恵子 美山悦子 佐野周二 角梨枝子 長尾敏之助 高橋貞二
これはとんかつ屋のおやじの話ではない。「とんかつ大将」とあだ名される青年医師の話である。彼は自分の住む亀の子長屋が悪徳弁護士の悪だくみによって取り壊されるのを阻止しようとするが、反対に中傷を受ける。
 
 
  命美わし
1951/80分/白黒/16ミリ
製作:小出孝/監督:大庭秀雄/脚本:柳井隆雄/原作:八木隆一郎/撮影:長岡博之/音楽:吉沢博
出演:淡島千景 桂木洋子 三国連太郎 佐田啓二 笠智衆 杉村春子
大庭監督がデビュー以降作り続けた、大船調メロドラマ、ホームドラマの中の1篇。笠智衆が主演した社会派タッチのメロドラマ。ジャーナリストの伊村は、自宅近くの堀で身投げする女性を助ける、その理由を聞くと。