トークイベント

  • 8月1日(土)20:50『拳銃は俺のパスポート』上映後 ゲスト:峯尾基三さん(脚本家)
  • 8月14日(金)20:50『影狩り ほえろ大砲』上映前 ゲスト:苅谷俊介さん
  • 8月15日(土)20:50『ザ・ゴキブリ』上映後 ゲスト:小谷承靖監督、山口剛さん(「大都会」シリーズプロデューサー)、岩崎純さん(『大都会PART II』監督)
  • 9月5日(土)20:50『狂った野獣』上映後 ゲスト:片桐竜次さん
  • 9月25日(金)20:50『警視-K』上映前 ゲスト:水口晴幸さん
  • 10月3日(土)20:50『戦争の犬たち』上映後 ゲスト:飯島洋一さん
  • 10月9日(金)20:50『戦争の犬たち』上映後 ゲスト:玉袋筋太郎さん

※他、ゲスト調整中です。決まり次第、当館HPにてお知らせいたします。

8月1日(土)〜7日(金)

拳銃(コルト)は俺のパスポート

1967年(S42)/日活/白黒/85分

『拳銃(コルト)は俺のパスポート』写真

©日活

■監督:野村孝/脚本:山田信夫、永原秀一/撮影:峰重義/美術:松井敏行/音楽:伊部晴美
■出演:宍戸錠、小林千登勢、ジェリー藤尾、杉良太郎、深江章喜、草薙幸二郎、内田朝雄、嵐寛寿郎

『大都会PARTⅡ』のメインライターとして「火曜9時」のアクション路線化に先鞭をつけた脚本家・永原秀一の記念すべきデビュー作(師匠の山田信夫と共作)。殺し屋の上村(宍戸)は相棒の塩崎(ジェリー)と組んで暴力団組長・島津(嵐)を暗殺するが、依頼者であった島津の敵対組織に裏切られ、追われる身となる。この作品の白眉はやはりラスト5分間の決闘であり、物語はそのクライマックスに向かってストレートに集約していく。銃器の知識とアクションセンスに優れた永原の作家性は既に発揮されており、主演の宍戸錠も後年のインタビューで「これを書いた奴は優秀だと思った」と称賛している。(山本)

8月8日(土)〜14日(金)

影狩り ほえろ大砲

1972年(S47)/石原プロモーション/カラー/89分

『影狩り ほえろ大砲』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督:舛田利雄/原作:さいとう・たかを/脚本:池上金男/撮影:金宇満司/美術:小林正義/音楽:石原裕次郎、玉木宏樹
■出演:石原裕次郎、内田良平、成田三樹夫、丹波哲郎、夏純子、青木義朗、佐原健二、加藤嘉、カルーセル麻紀、苅谷俊介

江戸時代後期。財政逼迫に喘ぐ幕府は全国各地の藩に子飼いの隠密=「影」を派遣。不始末を探り出しては難癖をつけ、財産と領地を没収。国家権力の維持に躍起になっていた。そんな影を始末する裏稼業「影狩り」…。巨匠さいとう・たかをの原作を得て石原裕次郎率いる石原プロモーションが制作した、2015年の澱んだ空気を先取りしたかのような世界観が炸裂する和風マカロニ・ウェスタン第2弾。裕ちゃん×成田三樹夫×内田良平のイイ面魂の三匹の浪人が繰り広げる血塗大活劇!くの一の誘惑も尻目に前作比火薬量50%増のドッカンバリバリの大破壊アクション!石原プロ流物量アクションの原点ここにあり。(佐藤)

8月15日(土)〜21日(金)

ザ・ゴキブリ

1973年(S48)/東宝、石原プロモーション/カラー/83分

『ザ・ゴキブリ』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督・脚本:小谷承靖/原作:新岡勲/脚本:剣持亘/撮影:金宇満司/美術:小林正義/音楽:渡辺岳夫
■出演:渡哲也、沖雅也、峰岸隆之介、丹波哲郎、青木義朗、安部徹、梢ひとみ、本田みちこ、苅谷俊介

角刈りに濃紺スーツ、ナスビ型グラサンが世界一似合う男の中の男。『大都会』の黒岩頼介、『西部警察』の大門圭介…。渡哲也が長年演じ続けたアウトロー刑事像の原点。それが署長表彰15回、警視総監賞4回、停職4回、減給6回、戒告9回、訓戒25回の凄え奴「ゴキブリ刑事」=鳴神涼!政治家、公害企業、暴力団、オマワリ…。利権を貪るゴキブリ退治に執念を燃やす鳴神の破壊工作、ぢゃなかった、捜査を描くシリーズ第2弾。沖雅也、青木義朗、南原宏治、高品格ら「NTV火曜9時」の常連の助演も嬉しい。そんな恵まれた環境で炸裂するドンパチ!拷問!爆走!ボートチェイス!熱い友情!とどめに…大爆破!!(佐藤)

8月22日(土)〜28日(金)

薔薇の標的

1972年(S47)/東京映画/カラー/94分

『薔薇の標的』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督:西村潔/脚本:白坂依志夫、桂千穂/撮影:原一民/美術:村木忍/音楽:A・ヴィヴァルディ「四季」より
■出演:加山雄三、チェン・チェン、岡田英次、トビー門口、ロルフ・ジェサー、ユセフ・オスマン

『大追跡』の主演・監督コンビ、加山雄三と西村潔が、傑作『豹(ジャガー)は走った』(70年)に続いて顔を合わせたハードボイルド・ロマン。暗い過去を持つ元オリンピック射撃選手の日野(加山)は、ナチス残党が結成した秘密結社「第四帝国」の日本支部にスナイパーとしてスカウトされる。が、ターゲットとなった男の恋人を愛してしまったことから、日野の運命は破滅へと向かう。「若大将」のイメージなど皆無の、加山のハードな魅力を堪能できる。また監督の西村は後年『特命刑事』第6話「黒い狼」でもファシスト的な暗殺集団とマッドポリスの死闘を描いており、この手の設定に対するこだわりを感じさせる。(山本)

8月29日(土)〜9月4日(金)

蘇える優作 〜「探偵物語」特別篇

1998年(H10)/セントラルアーツ/カラー/107分

『蘇える優作 〜「探偵物語」特別篇』写真

©東映

■監督:村川透、澤田幸弘/構成:山口猛/脚本:丸山昇一/撮影:仙元誠三、杉村博章/美術:佐谷晃能
■出演:松田優作、成田三樹夫、山西道広、緑魔子、熊谷美由紀、水谷豊、古尾谷雅人/竹中直人(ナレーション)

「NTV火曜9時」枠のアクションドラマ群にて、抜群の知名度を誇る松田優作主演『探偵物語』。シリーズ中でも名作と名高い第1話「聖女が街にやって来た」と第5話「夜汽車で来たあいつ」をブローアップし、主演映画の名場面を散りばめたメモリアル映像を交えて、スクリーンに蘇らせた特別編。優作と数々の「共犯」をしでかした脚本家・丸山昇一のしたためた、クールで、キザ、でもちょっとホっとする「ハート」ボイルドな世界観を満喫。奔放なセンスで縦横無尽に駆け抜ける村川透(第1話)、力感に満ちつつ視点が熱い澤田幸弘(第5話)。二人の名匠が引き出した迷探偵=「工藤ちゃん」の好対照な魅力も見もの。(佐藤)

9月5日(土)〜11日(金)

狂った野獣

1976年(S51)/東映京都/カラー/78分

『狂った野獣』写真

©東映

■監督・脚本:中島貞夫/脚本:大原清秀、関本郁夫/撮影:塚越堅二/美術:森田和雄/音楽:広瀬健次郎
■出演:渡瀬恒彦、星野じゅん、川谷拓三、片桐竜次、室田日出男、橘麻紀、中川三穂子、志賀勝、野口貴史、岩尾正隆、三上寛

食い詰めたチンピラ二人組=川谷拓三&片桐竜次。銀行強盗に失敗した彼らは逃走のためバスジャックを敢行。だが、志賀勝はじめ、バスの乗客は彼らの一枚上手を行く曲者ばかり。オマワリには追い詰められ、乗客も図に乗るばかり…。とどめに、乗客の中には不穏な空気を漂わせ沈黙する狂犬俳優=渡瀬恒彦が混じっていた…。後に特命刑事=マッドポリスの名を襲名し、日本テレビ史上に残るバイオレンス・ドラマ『大激闘マッドポリス'80』に主演した渡瀬、志賀、片桐の東映アウトロー俳優らが繰り広げるデスペラードな逃避行!伝説のバス大横転の危険なスタントに果敢に挑む恒さん!三上寛の怨歌も決まった!(佐藤)

9月12日(土)〜18日(金)

顔役

1971年(S46)/勝プロダクション/カラー/98分

『顔役』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督・脚本:勝新太郎/脚本:菊島隆三/撮影:牧浦地志/美術:西岡善信/音楽:村井邦彦
■出演:勝新太郎、太地喜和子、藤岡琢也、山崎努、伴淳三郎、山形勲、前田吟、大滝秀治、若山富三郎

勝新太郎、衝撃の監督デビュー作。脚本・主演も兼任し、破天荒な刑事の大暴れを描く本作は、まさに後年の『警視-K』のプロトタイプである。実際の大阪・新世界や釜ヶ崎のドヤ街でのロケ、またヤクザ役や賭場のシーンなどでは「本職」を出演させ、演技指導として「ボンノ」の愛称で知られる山口組系組長・菅谷政雄を招聘するなど、勝のリアリティへのこだわりは早くも全開。さらに「映画の文法」など全く意に介さない超クローズアップや目まぐるしい手持ち映像など、実験精神も実に旺盛。しかし、当時の観客には当然理解されず、封切り館で上映終了直後に、「勝新、10年早えぞ!」とヤジが飛んだという逸話も…。(山本)

9月19日(土)〜25日(金)

警視-K

第9話「オワリの日」
1980年(S55)12月2日放映/勝プロダクション/カラー/50分 ※16mm
■監督・脚本:勝新太郎/脚本:高際和雄/撮影:森田富士郎
■出演:勝新太郎、奥村真粧美、川谷拓三、北見治一、谷崎弘一、水口晴幸、金子研三、多宮健二、遊法仁、儘田明、松本幸三、橋元誠、松尾嘉代、永井護滋、流健二郎

第11話「その人は…ママ」
1980年(S55)12月16日放映/勝プロダクション/カラー/50分 ※16mm
■監督・脚本:勝新太郎/脚本:高際和雄/撮影:森田富士郎
■出演:勝新太郎、奥村真粧美、北見治一、谷崎弘一、水口晴幸、金子研三、多宮健二、儘田明、松本幸三、橋元誠、緒形拳、小林稔侍、加山義三、小池朝雄、中村玉緒

オールロケ&音声同録というスリリングな現場で炸裂する豪華演技陣のジャズ・セッションのようなアドリブ合戦。名カメラマン森田富士郎のドキュメント的映像。1980年、日本全土の茶の間に殴りこんだ勝新太郎・監督・主演の伝説のテレビ映画『警視-K』。時代を先取りし過ぎた映像が、音声が、演出が様々な軋轢を産んだ『警視-K』から傑作、第9話「オワリの日」、第11話「その人は…ママ」をセレクト。勝新のアーティストとしての業とエンタテイナーとしての華、そして人間としての懐の深さが渾然一体となった果てに産まれた空前絶後のリアリズム・ドラマ。その真価は劇場の大スクリーンでこそ堪能できる!(佐藤)

9月26日(土)・27日(日)、29日(火)〜10月2日(金)

真夜中の挑戦 皮ジャン反抗族

1978年(S53)/東映セントラルフィルム/カラー/82分

『真夜中の挑戦 皮ジャン反抗族』写真

©東映

■監督:長谷部安春/脚本:白坂依志夫/撮影:山崎敏郎/美術:佐谷晃能/音楽:長戸大幸
■出演:舘ひろし、森下愛子、夏樹陽子、八城夏子、林ゆたか、山科ゆり、白川和子、内田裕也、片桐竜次、中西良太

『最も危険な遊戯』に続く東映セントラルフィルム第2弾作品(併映は『殺人遊戯』)。松田優作に続くスターとして、舘ひろしを抜擢。当時ブームになっていた『サタデー・ナイト・フィーバー』のトラボルタの向こうを張って、舘が踊り、恋し、ハーレーで疾走する青春篇。サングラス&黒の革ジャンという本作の舘のスタイルは、『西部警察』で演じた暴走刑事・タツの原点である。また、後年『大激闘』でマッドポリスの同僚となる片桐竜次と中西良太も揃って出演。特に片桐は『ストリート・オブ・ファイヤー』のウィレム・デフォーに先駆けること6年、ヒロイン・森下愛子の兄である危険なナイフ野郎を演じ、場面をかっさらう!(山本)

10月3日(土)〜9日(金)

戦争の犬たち

1980年(S55)/アサルトプロダクション/カラー/93分

『戦争の犬たち』写真

■監督・脚本:土方鉄人/撮影:伊東英男/美術:鈴木文男/音楽:泉谷しげる
■出演:飯島洋一、清水宏、港雄一、泉谷しげる、安岡力也、たこ八郎、堀礼文、梅津栄、草薙幸二郎、佐藤慶、青木義朗

東南アジア某国でゲリラに拉致された日本人科学者を救出すべく、十数人のはみ出し者たちが「傭兵」として集められた。過酷な訓練を経て現地に送り込まれた彼らが目にしたのは、まさに「戦場の地獄」であった──。『大都会PARTⅢ』に強盗犯役で出演した土方鉄人と飯島洋一が監督&主演でタッグを組んだインディーズ戦争超大作。『大都会Ⅲ』の犯人グループとして共演した椎谷健治をはじめ、青木義朗、佐藤慶、草薙幸二郎、清水宏など「火曜9時」お馴染みの面々が、土方・飯島の熱意あふれるオファーに応えて大挙出演。キューブリックの『フルメタル・ジャケット』に先駆け、戦争の異常さや醜悪さを見事に描き切った力作だ。(山本)

10月10日(土)〜16日(金)

猫の息子

1997年(H9)/ケイエスエス/カラー/105分

『猫の息子』写真

©花村萬月/Softgarage

■監督・脚本:柏原寛司/原作:花村萬月/撮影:稲垣久夫/美術:藤原慎二/音楽:長谷川雅大
■出演:藤竜也、青木伸輔、宇崎竜童、四方堂亘、片桐竜次、吉村美紀、麻生久美子、山西道広、掛田誠、河西健司

「NTV火曜9時」枠にて数多の傑作を執筆。80年代のアクションドラマの理想を追求し、先導してきた脚本家・柏原寛司。彼が『大追跡』、『プロハンター』にて洒脱なヨコハマ・アクションドラマを展開した藤竜也を主役に迎え、花村萬月の原作を自ら脚色し、満を持して放った初監督作。「猫」と呼ばれる開店休業中の探偵とその息子、そして元ヤクザの私立探偵の気だるく、しかし危険な関係。根気強く長回しで捉えられる藤竜也の一挙手一投足に滲み出る不良性感度に惚れ惚れする。もうひとりの主役、宇崎竜童もシブいゾ。マッチの擦り方一つにもこだわりまくる、ノワール感満ち溢れる和製ハードボイルドの傑作。(佐藤)

■料金

一般/1,200円 シニア・学生/1,000円 会員/800円 水曜サービスデー/1,000円均一

■インフォメーション

  • 各回定員入れ替え制
  • 午前10時15分より当日の全回分の整理番号付き入場券を発売します。定員48名になり次第、締め切らせていただきます。
  • 上映開始後10分を過ぎてのご入場はお断りさせていただきます。
  • 作品により画像、音声が必ずしも良好でない場合がございます。あらかじめご了承下さい。

※9月28日(月)はメンテナンスのため休館いたします。

著書紹介

NTV火曜9時 アクションドラマの世界 「大都会」から「プロハンター」まで
山本俊輔/佐藤洋笑 著
定価2,592円(税込)
[DU BOOKSより好評発売中]
映画よりも熱く、舞台よりも衝撃的。初の「NTV火曜9時」クロニクル。
テレビドラマ界に改革をもたらした熱き男たちの、闘いの日々。本書で初めて語られる『大都会』シリーズ、『大追跡』、『探偵物語』、『大激闘マッドポリス'80』、『警視‐K』、『プロハンター』といった伝説的名作の制作秘話とは。ドラマ界に革命をもたらした70〜80年代の日本テレビ火曜夜9時枠ドラマ8作品について、当時のスタッフの貴重な証言とともに掲載!
「NTV火曜9時 アクションドラマの世界」書影