レイトショー
「新東宝ピンク映画 ラスト・フィルム・ショー inラピュタ阿佐ヶ谷 Vol.3
 〜逆説的「女性映画」の誘惑〜」

2019年5月4日(土)〜7月7日(日)連日21:00より
ラピュタ阿佐ヶ谷

ご好評をいただきましたシリーズも第三回を迎えいよいよ最後となります。今回は名古屋で保管されていた限られたプリントからのセレクトながらきわめて娯楽性とバラエティに富むラインナップとなりました。これらの作品群を見てあらためて感じるのは、ピンク映画はピンクである以前にシャシンでなければいけないということ(昔ながらの映画人は個々の『映画』を『写真』と呼ぶ習慣があります)。それは新東宝映画や国映の映画製作の基本としてほぼ一貫してあったことですが、あるいはそれはピンク映画が80年代からゼロ年代にかけてのAVやVシネの興亡を横目で見ながら誕生後60年近くを生き延びてきた理由なのかもしれません。そしていまひとつの特徴が、女性という性の商品化を宿命とするジャンルであるため、多くの作品で主人公が女性であるということです。世に言われる「女性映画」とはほとんど真逆な(というか比較の対象にすらならない)ピンク映画ですが、にもかかわらず、「よくできたピンク映画」は必然的に「よくできた女性映画」となる──本来の女性映画が女性向けで、かたや男性向けという違いはありますが──牽強付会とも思えるこの逆説、嘘か誠か是非ご自身でお確かめあれ。これらのプログラムを通して、たとえばかつての「女性映画」の名手木下恵介や成瀬巳喜男の映画を連続して観るような……とまではいかずとも、銀幕のむこうの様々なヒロインの喜怒哀楽、そして官能のドラマに触れられることは間違いありません。つまりそれぞれがまぎれもなくひとつのシャシンなのです。

【トークイベント】
5月4日(土)21:00『連続暴姦』上映後
ゲスト:池島ゆたかさん、螢雪次朗さん

5月11日(土)21:00『新・鍵穴 絡みあう舌と舌』
ゲスト:ほたるさん、里見瑤子さん

5月17日(金)21:00『人妻家政婦 情事のあえぎ』上映後
ゲスト:佐々木麻由子さん、橋口卓明監督

【上映作品】
『連続暴姦』『新・鍵穴 絡みあう舌と舌』『人妻家政婦 情事のあえぎ』『ピンサロ病院 ノーパン白衣』『奴隷』『ねらわれた学園 制服を襲う』『痴漢義父 息子の嫁と…』『超いんらん 姉妹どんぶり』『どすけべ夫婦 交換セックス』『喪服の女 崩れる』『熟母・娘 乱交』『人妻とOL あふれる愛液』『新釈 四畳半襖の下張り』

【上映日程】
5.4(土)〜8(水)
連続暴姦
1983年(S58)/新東宝映画/カラー/60分
■監督:滝田洋二郎/脚本:高木功/撮影:佐々木原保志/照明:守田芳彦/編集:酒井正次/助監督:桜田繁
■出演:大杉漣、織本かおる、麻生うさぎ、末次真三郎、竹村祐佳、佐々木裕美、螢雪次朗
十三年前に姉を殺害したレイプ犯に戦いを挑む女性の姿を描いた傑作サスペンス。当時のズームアップ映画祭ベストテン第一位に輝いた、いまや日本映画の重鎮となりつつある滝田洋二郎監督の若き日のパワフルかつ野心的な傑作。レイプ犯を演じたデビュー間もない頃の大杉漣の体当たり演技は必見もの。

5.9(木)〜13(月)
新・鍵穴 絡みあう舌と舌
(プリントタイトル『和服エロス・蔵のなか 淫蜜な関係』)
2005年(H17)/国映、新東宝映画/カラー/63分
■監督:深町章/企画:朝倉大介/脚本:岡輝男/撮影:清水正二/編集:酒井正次/録音:シネ・キャビン/助監督:佐藤吏
■出演:葉月螢、里見瑤子、池田こずえ、千葉尚之、なかみつせいじ、丘尚輝、山口玲子
敗戦間もない頃、ある官僚の妻となった珠代は古い蔵の二階で夫が別の女と逢瀬を重ねているという疑いをもつ。突然現れた謎の青年が夫と女の情事を珠代に見せると約束するが…。江戸川乱歩的猟奇・幻想の世界を描いた岡輝男の脚本をピンク界の巨星深町章監督が葉月螢(現ほたる)とのコンビで映像化。

5.14(火)〜18(土)
人妻家政婦 情事のあえぎ
(プリントタイトル『家政婦は人妻 舐めまわす』)
2000年(H12)/新東宝映画/カラー/61分
■監督:橋口卓明/企画・脚本:福俵満/撮影:中尾正人/編集:酒井正次/録音:シネ・キャビン/助監督:菅沼隆
■出演:伊藤猛、佐々木麻由子、小林節彦、佐々木基子、工藤翔子、坂田雅彦
家政婦として働きに出た人妻がその家で体験した情事。私立探偵の亜門は彼女の夫の依頼で浮気の事実を確認するが…。故伊藤猛の隠れた当たり役私立探偵園辺亜門シリーズの第一作。ピンク映画デビュー二年目の佐々木麻由子が謎めいた人妻を演じた。クライムミステリーとしても楽しめる一篇。

5.19(日)〜23(木)
ピンサロ病院 ノーパン白衣
(プリントタイトル『下半身クリニック しぼり出す』)
1997年(H9)/新東宝映画/カラー/60分
■監督:的場ちせ/企画・脚本:福俵満/撮影:田中譲二/照明:上妻敏厚/編集:フィルムクラフト/助監督:松岡誠
■出演:麻生みゅう、風間今日子、浅倉麗、篠原さゆり、原田なつみ、村上ゆう、樹かず、山本清彦、柳東史、平賀勘一
「万病の治癒の元は性の解放にあり」と主張する山科病院では院内での患者と看護師たちのセックスを奨励している。セックス恐怖症の新人看護師聡美はそんな病院の実態に戸惑うが…。一般作にも進出した的場ちせ(浜野佐知)監督がコメディタッチで描き出した祝祭的性愛空間。

5.24(金)〜28(火)
奴隷
(プリントタイトル『奴隷 濡れた股間を開け』)
2007年(H19)/新東宝映画/カラー/62分
■監督:佐藤吏/企画:福俵満/脚本:福原彰/撮影:長谷川卓也/音楽:大場一魅/編集:酒井正次/助監督:田中康文
■出演:平沢里菜子、本多菊次朗、千葉尚之、淡島小鞠、結衣、荒木太郎、久保新二
十代でマゾであることに目覚めた梨奈は短大を出て就職した会社の社長の田丸の奴隷となって様々なプレイをして楽しむが…。あっけらかんとした倒錯ぶりをリアルにかつどこかとぼけたユーモラスな演出で描いた「SMグラフィティ」ともいうべき一篇。平沢里菜子の体当たり演技に注目。

5.29(水)〜6.2(日)
ねらわれた学園 制服を襲う
(プリントタイトル『ねらわれた学園 制服に欲情』)
1986年(S61)/日本シネマ/カラー/59分
■監督:渡邊元嗣/脚本:平柳益実/撮影:倉本和人/音楽:芥川たかし/編集:酒井正次/助監督:笠井雅裕
■出演:橋本杏子、田口あゆみ、清川鮎、螢雪次朗、風見怜香、ジミー土田、渡辺正樹、池島ゆたか、藤冴子
父の命令で母のかたきをとるため愛染学園に転校した未来は敵である校長袋小路が生徒に売春させていることを知る。いよいよ復讐の時は訪れて…。セーラー服とヨーヨーで一世を風靡したあの人気ドラマをピンクに!脚本平柳益実、監督渡邊元嗣コンビによるエポックメイキングな作品の一本。

6.3(月)〜7(金)
痴漢義父 息子の嫁と…
(プリントタイトル『義父と嫁 乳しぼり』)
2003年(H15)/新東宝映画/カラー/59分
■監督・脚本:後藤大輔/プロデューサー:池島ゆたか/撮影:飯岡聖英/編集:酒井正次/録音:シネ・キャビン/助監督:小川隆史
■出演:中村方隆、麻木涼子、佐々木ユメカ、なかみつせいじ、城春樹、水樹桜、新納敏正、江端英久
酪農家の周吉は息子を事故で亡くし嫁の紀子と二人暮らし。彼は明け方になるとボケが出て紀子は毎朝彼が可愛がっていた牛の代わりに牛舎で乳を搾らせている。自らのボケに気づいた周吉は…。後藤大輔監督が九州の田園地帯を舞台に舅と嫁の禁断の愛を描いた感動作。故中村方隆の名演。

6.8(土)〜12(水)
超いんらん 姉妹どんぶり
(プリントタイトル『極淫セックス 噛む!』)
1998年(H10)/国映/カラー/64分
■監督:池島ゆたか/企画:朝倉大介/脚本:五代暁子/撮影:清水正二/編集:酒井正次/助監督:森山茂雄
■出演:水原かなえ、吉行由実、東麗菜、佐々木共輔、神戸顕一、佐野和宏
ホテルで女性を惨殺した男が逮捕された。ある姉妹と肉体関係をもったことから彼の人生は狂い始めて…。スタイリッシュな映像美と巧みなストーリーテリングで最後まで目が離せないダークファンタジーの傑作。凄惨なラストは驚愕のひと言。ピンク大賞ベストテン第一位。

6.13(木)〜17(月)
どすけべ夫婦 交換セックス
2000年(H12)/新東宝映画/カラー/59分
■監督:的場ちせ/企画:福俵満/脚本:山﨑邦紀/撮影:小山田勝治/照明:上妻敏厚/録音:シネ・キャビン/助監督:加藤義一
■出演:時任歩、風間今日子、鏡麗子、なかみつせいじ、平賀勘一、柳東史、石川雄也
欲求不満気味の人妻佑美は親友のマキが夫がインポになって以来若い男と浮気していると聞いてショックを受ける。マキは佑美にある大胆な提案をし…。的場ちせ監督が女性ならではの繊細な視点と男性監督陣を凌駕するような大胆な描写で、スワッピングで自らを解き放つ二人の主婦の姿を描いた。

6.18(火)〜22(土)
喪服の女 崩れる
(プリントタイトル『喪服不倫妻 こすれあう局部』)
2001年(H13)/新東宝映画/カラー/60分
■監督・脚本:後藤大輔/原案:堪忍/プロデューサー:池島ゆたか/撮影:飯岡聖英/音楽:大場一魅/助監督:佐藤吏
■出演:佐々木麻由子、木村圭作、松木良方、山咲小春、水原香菜恵、中村方隆、新納敏正、螢雪次朗
古びた印刷工場を舞台に人妻とその夫、風来坊の印刷工の間で展開する愛憎のドラマ。80年代ロマンポルノでデビューした後藤大輔が満を持して臨んだピンク第一作でフィルムノワール的色彩濃厚な作品。物語・演技・セット・撮影・音楽すべてが尋常ではないボルテージの高さを競いあう。

6.23(日)〜27(木)
熟母・娘 乱交
(プリントタイトル『母と娘 濡れまくら』)
2006年(H18)/新東宝映画/カラー/57分
■監督:深町章/企画:福俵満/脚本:河本晃/撮影:長谷川卓也/編集:酒井正次/助監督:佐藤吏
■出演:藍山みなみ、しのざきさとみ、里見瑤子、岡田智宏、川瀬陽太
章太郎はある日病弱な真夕美とその母美佐子と出会う。しばらくして美佐子が章太郎を訪れ、男を知らないまま死を宣告された真夕美を抱いてやって欲しいと頼むが…。名作落語「怪談牡丹燈籠」をベースにした河本晃の脚本を深町章が演出、哀感あふれる独特な味わいの作品に仕上げた。

6.28(金)〜7.2(火)
人妻とOL あふれる愛液
(プリントタイトル『淫乱症OLと美人妻 不倫のしたたり』)
2006年(H18)/新東宝映画/カラー/62分
■監督:佐藤吏/企画:福俵満/脚本:福原彰/撮影:長谷川卓也/編集:酒井正次/助監督:茂木孝幸
■出演:岡田智宏、薫桜子、平沢里菜子、本多菊次朗、青山えりな、三浦英幸、千葉尚之、佐々木基子
光夫は念願のマイホームを手に入れるがそれは会社の脱税に手を貸しているからである。光夫の部下伸子はその件で彼を脅して強引に関係を結ぶ。さらに伸子は光夫の浮気と脱税を妻の久恵に告げて…。若い夫婦の幸福が崩壊していく様をサスペンスタッチで描いたダークなホームドラマ。

7.3(水)〜7(日)
新釈 四畳半襖の下張り
2010年(H22)/竹書房、新東宝映画/カラー/73分
■監督:愛染恭子/企画:衣川仲人、加藤威史/脚本:福原彰/撮影・照明:田宮健彦/音楽:マーサ☆リノイエ/助監督:浅木大
■出演:麻美ゆま、石川ゆうや、春野さくら、速水今日子、鶴西大空、なかみつせいじ、中谷千絵
文豪永井荷風が書いたといわれるポルノ小説に独自の解釈を施し「新釈」と銘打ってストーリー化。エロス界の女王愛染恭子が監督としての新境地を拓き、その演出ぶりに当時AV女優として息の永い人気を誇った麻美ゆまが女優として見事に応えた。濃厚なからみも見応え充分。

【料金】
一般…1,200円 シニア・学生…1,000円 会員…800円 
※水曜サービスデー…1,000円均一