11月5日(日) 〜7日(火)

亡命記

1955年(S30)/松竹大船/白黒/135分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

『亡命記』写真

©1955 松竹株式会社

■監督:野村芳太郎/原作:白藤茂/脚本:椎名利夫/撮影:井上晴二/美術:浜田辰雄/音楽:木下忠司
■出演:佐田啓二、岸恵子、佐分利信、笠智衆、小林トシ子、伊藤雄之助、シリア・ポール、陳又新、紅薇

戦中から戦後、激動の時代に翻弄される中国人医学生と日本女性の、愛と苦難の物語。結婚後、南京に移ったふたりだったが、終戦とともに迫害を受け夫婦離ればなれに亡命する──。香港ロケが話題を呼んだ、スケールの大きなメロドラマ。

11月5日(日) 〜11日(土)

二等兵物語 女と兵隊 蚤と兵隊

1955年(S30)/松竹京都/白黒/95分

『二等兵物語 女と兵隊 蚤と兵隊』写真

©1955 松竹株式会社

■監督:福田晴一/原作:梁取三義/脚本:舟橋和郎/撮影:片岡清/美術:川村芳久、加藤喜昭/音楽:原六朗
■出演:伴淳三郎、花菱アチャコ、宮城野由美子、関千恵子、山路義人、幾野道子、松井晴志

帝国軍隊という厳しく不条理な世界で中年二等兵が巻きおこす悲喜劇──。梁取三義の同名小説に惹かれ、伴淳自ら企画線上にのせたという『二等兵物語』。アチャコとのずっこけコンビも大いに受け、たちまちシリーズ化された。

11月8日(水) 〜14日(火)

小さな花の物語

1961年(S36)/松竹京都/白黒/87分

『小さな花の物語』写真

©1961 松竹株式会社

■監督:川頭義郎/原作:壺井栄/脚本:成澤昌茂/撮影:荒野諒一/美術:川村芳久/音楽:木下忠司
■出演:桑野みゆき、川津祐介、瑳峨三智子、朝丘雪路、城山順子、兼松めぐみ、細川ちか子、清川虹子

小さくとも自分の力で立派に花を咲かせるように……。大都会の片隅、母への慕情と郷愁を胸に抱きながら、孤独な少女は野の花のように強く生きていく──。ヒロイン・桑野みゆきの健気さが胸を打つ、壺井栄原作の感動篇。

11月8日(水) 〜14日(火)

空かける花嫁

1959年(S34)/松竹大船/カラー/92分

『空かける花嫁』写真

©1959 松竹株式会社

■監督:番匠義彰/原作:藤沢桓夫/劇化:館直志/脚本:笠原良三/撮影:生方敏夫/美術:逆井清一郎/音楽:牧野由多可
■出演:有馬稲子、高橋貞二、小山明子、高野真二、志村喬、沢村貞子、浪花千栄子

老舗繊維問屋の孫娘が、封建的な家庭に反発して留学を決意。これを阻止せんとシマリ屋のおじいちゃん、縁談攻めを考案。珍騒動が巻きおこる──。藤沢桓夫『花粉』を映画化した大船調の下町喜劇。有馬稲子がモダン娘をはつらつと演じる。

11月12日(日) 〜18日(土)

気違い部落

1957年(S32)/松竹大船/白黒/134分 ※16mm

『気違い部落』写真

©1957 松竹株式会社

■監督:渋谷実/原作:きだみのる/脚本:菊島隆三/撮影:長岡博之/美術:浜田辰雄/音楽:黛敏郎
■出演:伊藤雄之助、淡島千景、伴淳三郎、石浜朗、水野久美、三井弘次、藤原釜足、清川虹子、山形勲、信欣三

東京近郊の山間部にある風変わりな村落を舞台に、色と欲むきだしの人間模様を痛烈な風刺とユーモアを盛りこんで描いた社会喜劇。きだみのるの『気違い部落周遊記』『気違い部落紳士録』など一連の“気違い部落”ものをもとに映画化。

11月12日(日) 〜18日(土)

かくれた人気者

1959年(S34)/松竹京都/白黒/77分

『かくれた人気者』写真

©1959 松竹株式会社

■監督:酒井欣也/原作:獅子文六/脚本:依田義賢/撮影:石本秀雄/美術:桑野春英/音楽:西山登
■出演:清川虹子、三木のり平、渡辺文雄、大西さく子、沢村みつ子、千之赫子、水原真智子、田中春男

あるブルジョア一族のおばあさんがろくでなしの息子を叱咤激励、娘婿の浮気も孫の縁談騒動もとんちと笑いで万事解決。獅子文六『おばあさん』を映画化した軽妙洒脱な風俗喜劇。舞台は昭和16年の東京から、25年頃の芦屋に。

11月15日(水) 〜21日(火)

信子

1940年(S15)/松竹大船/白黒/90分

『信子』写真

©1940 松竹株式会社

■監督:清水宏/原作:獅子文六/脚本:長瀬喜伴/撮影:厚田雄治/美術:江坂実/音楽:伊藤宣二
■出演:高峰三枝子、三浦光子、岡村文子、森川まさみ、高松栄子、大塚君代、松原操

九州の田舎から赴任してきた体操教師が、物怖じしない明るさで封建的な女学校を変えていく。獅子文六の小説を、名匠清水宏が映画化した清々しい一篇。高峰三枝子の凜とした教師像、当時の学生をとりまく風俗など、みどころがいっぱい。

11月15日(水) 〜21日(火)

背徳のメス

1961年(S36)/松竹京都/白黒/87分

『背徳のメス』写真

©1961 松竹株式会社

■監督:野村芳太郎/原作:黒岩重吾/脚本:新藤兼人/撮影:川又昻/美術:大角純一/音楽:芥川也寸志
■出演:田村高廣、高千穂ひづる、久我美子、山村聰、瞳麗子、葵京子、松井康子、城所英夫、加藤嘉

直木賞に輝いた黒岩重吾の同名小説を映画化。プレイボーイの産婦人科医が 上役の医療ミス騒動のさなか、命の危険にさらされる。病院関係者の仕業か? 犯人追及の過程で院内の異常な愛憎模様が浮き彫りになっていく──。

11月19日(日) 〜25日(土)

雪国

1965年(S40)/松竹大船/カラー/113分

『雪国』写真

©1965 松竹株式会社

■監督・脚本:大庭秀雄/原作:川端康成/脚本:斎藤良輔/撮影:成島東一郎/美術:芳野尹孝/音楽:山本直純
■出演:岩下志麻、木村功、加賀まりこ、沢村貞子、早川保、柳沢真一、岩崎加根子、清川虹子

川端康成の不朽の名作、東宝版に次ぐ二度目の映画化。雪深い温泉町を背景に、無為徒食の文人・島村と芸者駒子とのたまゆらの交情を、叙情豊かにきめ細かく描いていく。岩下志麻の駒子は艶やかでいじらしく、まさに絶品。

11月19日(日) 〜25日(土)

浮気のすすめ 女の裏窓

1960年(S35)/松竹大船/カラー/88分

『浮気のすすめ 女の裏窓』写真

©1960 松竹株式会社

■監督:番匠義彰/原作:吉行淳之介/脚本:椎名利夫/撮影:太田喜晴/美術:川村芳久/音楽:牧野由多可
■出演:伴淳三郎、山下洵一郎、瑳峨三智子、岩下志麻、国景子、高峰三枝子、杉田弘子、大泉滉

ひょんなことから職を追われた男やもめの伴淳は、結婚相談所とは名ばかりの売春斡旋機関で働くことに。人々のセックスの悩みを覗きみる──。週刊サンケイ連載、吉行淳之介の風俗エッセイをもとに「性の不満」が招く悲喜劇を描いたもの。

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