『マダムと女房』写真

©1931 松竹株式会社

1月2日(月)〜7日(土)

マダムと女房

1931年(S6)/松竹蒲田/白黒/56分

■監督:五所平之助/原作・脚本:北村小松/撮影:水谷至宏/美術:脇田世根一/音楽:高階哲夫、島田晴誉
■出演:渡辺篤、市村美津子、伊達里子、横尾泥海男、小林十九二、日守新一

舞台は東京郊外の文化住宅。隣家のモダンマダムに魅せられる劇作家、やきもちを焼く若奥さま──。賑やかな音とジャズに彩られた、日本初の本格的トーキー映画。「ねえ、あなた」田中絹代の甘い声。

『春琴抄 お琴と佐助』写真

©1935 松竹株式会社

1月8日(日)〜14日(土)

春琴抄 お琴と佐助

1935年(S10)/松竹蒲田/白黒/100分 ※16mm

■監督・脚本:島津保次郎/原作:谷崎潤一郎/撮影:桑原昂/美術:脇田世根一/音楽:今井慶松
■出演:高田浩吉、斎藤達雄、藤野秀夫、葛城文子、坂本武、上山草人、水島亮太郎

盲目の三味線奏者・春琴と、幼い頃から彼女に付き添い、献身的に仕える丁稚の佐助──。谷崎潤一郎『春琴抄』の最初の映画化で、高田浩吉×田中絹代という当時最高の美男美女を使って記録的な大ヒット。

『女醫絹代先生』写真

©1937 松竹株式会社

1月15日(日)〜17日(火)

女醫絹代先生

1937年(S12)/松竹大船/白黒/91分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

■監督・原作:野村浩将/脚本:池田忠雄/撮影:高橋通夫/美術:周襄吉/音楽:万城目正
■出演:佐分利信、坂本武、東山光子、吉川満子、島田富美子、水島亮太郎、谷麗光、大山健二

先祖代々、犬猿の仲。漢方医の娘と外科医の跡取り息子は、互いに惹かれながらもライバル心を燃やして、会えば喧嘩ばかり……。野村浩将監督による明朗恋愛喜劇。愛くるしくてハイカラな田中絹代の魅力。

『新篇總輯篇 愛染かつら』写真

©1938 松竹株式会社

1月18日(水)〜21日(土)、25日(水)〜28日(土)

新篇總輯篇 愛染かつら

1938年(S13)/松竹大船/白黒/89分

■監督:野村浩将/原作:川口松太郎/脚本:野田高梧/撮影:高橋通夫/音楽:万城目正
■出演:上原謙、佐分利信、大山健二、水戸光子、桑野通子、吉川満子、岡村文子、河村黎吉、斎藤達雄

子持ちの未亡人看護婦・田中絹代と病院長の令息である青年医師・上原謙が、身分違いや子の病気、すれ違いの繰り返しの末、ついに結ばれるまで。〽花も嵐も踏み越えて……主題歌『旅の夜風』も一世を風靡した。

『母と子』写真

©1938 松竹株式会社

1月22日(日)〜24日(火)

母と子

1938年(S13)/松竹大船/白黒/88分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

■監督:渋谷実/原作:矢田津世子/脚本:柳井隆雄/撮影:杉本正二郎/美術:江坂実/音楽:堀内敬三
■出演:吉川満子、佐分利信、河村黎吉、徳大寺伸、水戸光子、松井潤子、斎藤達雄

主人公は会社重役の二号とその娘。女盛りを終えた母が男の寵愛を失っていく様をみて、田中絹代扮する娘は独自の生き方を選ぶ。矢田津世子の短篇小説『秋扇』を映画化した、渋谷実監督の出世作。

『簪』写真

©1941 松竹株式会社

1月29日(日)〜2月4日(土)

1941年(S16)/松竹大船/白黒/71分

■監督:清水宏/原作:井伏鱒二/脚本:長瀬喜伴/撮影:猪飼助太郎/美術:本木勇/音楽:浅井擧曄
■出演:川崎弘子、斎藤達雄、笠智衆、日守新一、三村秀子、坂本武、河原侃二

夏の温泉場に東京からやって来たひとりの女。彼女が風呂場に落とした簪をきっかけに巻き起こるささやかな騒動、逗留客の人間模様を綴った珠玉篇。原作は井伏鱒二の小説『四つの湯槽』。

『陸軍』写真

©1944 松竹株式会社

2月5日(日)〜11日(土)

陸軍

1944年(S19)/松竹大船/白黒/87分

■監督:木下惠介/原作:火野葦平/脚本:池田忠雄/撮影:武富善男/美術:本木勇
■出演:笠智衆、東野英治郎、上原謙、三津田健、杉村春子、星野和正、長浜藤夫、信千代、横山準

西南戦争から日清・日露、さらに日中戦争にいたる約六十年を、ある家族の三代にわたる歩みを通して描いたもの。戦意高揚を目的とした国策映画だが、木下惠介監督の反戦メッセージを田中絹代がみごとに体現。

『お絹と番頭』写真

©1940 松竹株式会社

2月12日(日)〜14日(火)

お絹と番頭

1940年(S15)/松竹大船/白黒/73分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

■監督:野村浩将/脚本:池田忠雄/撮影:斎藤正夫/美術:浜田辰雄/音楽:伊藤宜二
■出演:上原謙、斎藤達雄、藤野秀夫、三宅邦子、河村黎吉、小林十九二、磯野秋雄、阿部正三郎、三井秀男

足袋商店のインテリ番頭と、彼に想いを寄せながらも反発ばかりしている一人娘。『愛染かつら』のゴールデンコンビ、田中絹代と上原謙のぎくしゃくした恋愛模様で笑わせてくれるハートウォーミングな人情喜劇。

『女優須磨子の戀』写真

©1947 松竹株式会社

2月15日(水)〜18日(土)、22日(水)〜25日(土)

女優須磨子の戀

1947年(S22)/松竹京都/白黒/96分 ※16mm

■監督:溝口健二/原作:長田秀雄/脚本:依田義賢/撮影:三木滋人/美術:本木勇/音楽:大澤壽人
■出演:山村聰、千田是也、青山杉作、毛利菊枝、東野英治郎、小沢栄太郎、東山千栄子

日本新劇運動の黎明に美しき情熱の花を咲かせ、儚く散った女優・松井須磨子。舞台『人形の家』の成功、指導者・島村抱月との道ならぬ恋。同じ題材で山田五十鈴主演、衣笠貞之助監督『女優』が競作となった。

『女醫の記録』写真

©1941 松竹株式会社

2月19日(日)〜21日(火)

女醫の記録

1941年(S16)/松竹大船/白黒/95分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

■監督:清水宏/脚本:津路嘉郎/撮影:森田俊保/美術:本木勇/音楽:浅井擧曄
■出演:佐分利信、森川まさみ、文谷千代子、高松栄子、久保田勝巳、武田秀郎、水島亮太郎、槇芙佐子

夏休みの奉仕活動で山あいの無医村にやってきた女医・田中絹代らが、人々の無知、偏見、迷信に手こずりながらも、村の生活にとけこんでいく──。清水宏監督らしい詩情とユーモアにあふれた名篇。

『夜の女たち』写真

©1948 松竹株式会社

2月26日(日)〜3月4日(土)

夜の女たち

1948年(S23)/松竹京都/白黒/73分

■監督:溝口健二/原作:久板栄二郎/脚本:依田義賢/撮影:杉山公平/美術:水谷浩/音楽:大澤壽人
■出演:高杉早苗、角田富江、永田光男、槇芙佐子、毛利菊枝、村田宏壽、浦辺粂子

大阪の盛り場を舞台に、戦争で夫を失った女たちが占領下を生き抜く姿を描いた社会派群像劇。田中絹代はパンパンに転落した戦争未亡人という汚れ役に挑戦。女の哀しみを色濃くにじませて新たな脱皮をみせた。

『風の中の牝鶏』写真

©1948 松竹株式会社

3月5日(日)〜11日(土)

風の中の牝雞

1948年(S23)/松竹大船/白黒/83分

■監督・脚本:小津安二郎/脚本:斎藤良輔/撮影:厚田雄春/美術:浜田辰雄/音楽:伊藤宜二
■出演:佐野周二、村田知英子、坂本武、岡村文子、三井弘次、文谷千代子、水上令子

愛児の入院代のためやむを得ず売春。一夜限りの過ちに、帰還した夫のみならず妻自身も悩み苦しむ──。夫婦の心情的危機をシリアスに描ききった小津安二郎監督の秀作。毎日映画コンクール女優演技賞を受賞。

■料金(当日)

一般…1,300円 / シニア・学生…1,100円 / 会員…900円
※水曜サービスデー…1,100円均一

■インフォメーション

  • 各回定員入れ替え制
  • 午前10時より当日の全回分の整理番号付き入場券を発売します。定員48名になり次第、締め切らせていただきます。
  • 混雑状況により、販売開始時刻を早める場合がございます。
  • 上映開始後10分を過ぎてのご入場はお断りさせていただきます。
  • 作品により画像、音声が必ずしも良好でない場合がございます。あらかじめご了承下さい。

協力:松竹株式会社、国立映画アーカイブ

トップ写真: 『陸軍』 木下恵介 ©1944 松竹株式会社