十代半ばから俳句・短歌・詩にずば抜けた早熟ぶりを発揮、長じては「演劇実験室◉天井棧敷」を主宰し、一大旋風を巻きおこした寺山修司。
あり余る才能は一つのジャンルにとどまることなく、映画界にも大きな足跡を残しました。自由な表現と、独特の映像美──。
映画監督・寺山修司による長篇劇映画四作品をぜひスクリーンで体感してください。

7月1日(水)〜7日(火)

書を捨てよ町へ出よう

1971年(S46)/人力飛行機プロダクション、ATG/カラー/137分

■原作・脚本:寺山修司/撮影:鋤田正義/美術:林静一、榎本了壱/音楽:下田逸郎、J・A・シーザー、柳田博義、クニ河内、加藤ヒロシ、荒木一郎
■出演:佐々木英明、斎藤正治、小林由紀子、平泉征

『書を捨てよ町へ出よう』写真

©1971 テラヤマ・ワールド/東宝

「映画館の暗闇で腰かけて待ってたって何も始まらないよ」と世の若者に語りかける寺山ワールド全開の長篇劇映画第一作。貧しい工員の「私」、万引き常習犯の祖母、負け犬の父、兎偏愛の妹と四人家族の「家畜小屋」。それぞれが幻想を持ちながら家族解体へと物語は展開していく。サンレモ映画祭グランプリ受賞。

7月8日(水)〜14日(火)

田園に死す

1974年(S49)/人力飛行機舎、ATG/カラー/102分

■原作・脚本:寺山修司/撮影:鈴木達夫/美術:粟津潔/音楽:J・A・シーザー
■出演:高野浩幸、八千草薫、春川ますみ、新高恵子、菅貫太郎、斎藤正治、三上寛、原泉、ミスター・ポーン、原田芳雄、木村功

『田園に死す』写真

©1974 テラヤマ・ワールド/東宝

代表的歌集『田園に死す』にもとづく自伝的フィルム。青森県下北半島の荒涼とした風景。母親の過度な愛情と干渉。恐山の巫女と父親の霊。サーカスでみた空気女、怪力男、一寸法師。隣家の美しいお嫁さん──。懐かしくも忌まわしい少年時代の記憶が映画監督となった「私」に襲いかかる。圧巻のラストシーン。

7月15日(水)〜21日(火)

ボクサー

1977年(S52)/東映東京/カラー/94分

■脚本:石森史郎、岸田理生、寺山修司/撮影:鈴木達夫/美術:桑名忠之/音楽:J・A・シーザー
■出演:菅原文太、清水健太郎、小沢昭一、名和宏、春川ますみ、伊佐山ひろ子、新高恵子、唐十郎

『ボクサー』写真

©東映

一人はボクシングへの執着を断ち切れぬ元チャンピオン、もう一人は脚にハンデを抱えた新人ボクサー。社会からはみだした二人の男が、栄光の座を求めて過酷なトレーニングの日々を送る。寺山修司初、そして唯一の商業映画。具志堅用高、白井義男、ファイティング原田、輪島功一らも本人役で特別出演して話題に。

7月22日(水)〜28日(火)

さらば箱舟

1984年(S59)/劇団ひまわり、人力飛行機舎、ATG/カラー/127分

■脚本:寺山修司、岸田理生/撮影:鈴木達夫/美術:池谷仙克/音楽:J・A・シーザー
■出演:山﨑努、小川真由美、原田芳雄、新高けい子、高橋洋子、石橋蓮司、高橋ひとみ、若松武、蘭妖子、三上博史

『さらば箱舟』写真

©1984 劇団ひまわり/テラヤマ・ワールド/東宝

タブーを犯していとこ同士の結婚をした捨吉とスエ。だが二人が住む村も近代化の波に飲まれて変わりつつあった──。架空の土地「百年村」を舞台に、約一世紀にわたるある一家の興亡を描いた一大叙事詩。柱時計、この世とあの世をつなぐ穴。寺山ワールドのエッセンスが凝縮された渾身の遺作。

■料金(当日)

一般…1,400円 / シニア・学生…1,200円 / 会員…1,000円
※水曜サービスデー…1,200円均一

■インフォメーション

  • 各回定員入れ替え制
  • 午前10時より当日の全回分の整理番号付き入場券を発売します。定員48名になり次第、締め切らせていただきます。
  • 混雑状況により、販売開始時刻を早める場合がございます。
  • 上映開始後10分を過ぎてのご入場はお断りさせていただきます。
  • 作品により画像、音声が必ずしも良好でない場合がございます。あらかじめご了承下さい。

トップ写真: 『書を捨てよ町へ出よう』©1971 テラヤマ・ワールド/東宝

公演情報流山児★事務所+ザムザ阿佐谷

JAPAN AVANT GARDE 1968/2028 連続上演 —自由への継承—

アングラとはあらゆる既成概念を疑い、それへの反抗と破壊を通して新たなロマン=自由を創出するムーブメントであり、現代演劇の出発点である。アングラ草創期に生まれた名作戯曲を、55年にわたってアングラ小劇場を牽引している演出家:流山児祥が、@ザムザ阿佐谷と提携、「現在の視点」で再構築し上演する。これは日本アングラの「自由への継承」である。

【アングラの原点を探るVol.1】
寺山修司生誕90年記念認定事業

青森県のせむし男

2026年7月11日(土)〜20日(月・祝)ザムザ阿佐谷(ラピュタビルB1)

作:寺山修司(「演劇実験室◉天井棧敷」旗揚げ作品)演出:流山児祥

役場の戸籍係が失踪した。大正家の争いに巻き込まれるのを怖れたのだ。大正家の女中マツは、息子に犯され、赤子を産む。世間体を考えた大正家は下男にその子を捨てさせる。時が経ち、老夫婦と息子は死に、女主人となったマツのもとへ、一人のせむし男が現れた!

出演:伊藤弘子、甲津拓平、山川美優、三上陽永、原きよ、浅倉洋介、小林由尚、伊藤裕作ほか