4月16日(日) 〜18日(火)

あすなろ物語

1955年(S30)/東宝/白黒/109分

『あすなろ物語』写真

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■監督:堀川弘通/原作:井上靖/脚本:黒澤明/撮影:山崎一雄/美術:河東安英/音楽:早坂文雄
■出演:久保明、木村功、久我美子、岡田茉莉子、根岸明美、久保賢、太刀川洋一、三好栄子、鹿島信哉、小堀誠

祖母の手で育てられた気の弱い少年が、次第に一人前の人間に成長していく──。井上靖の自伝的小説を映画化した堀川弘通の監督デビュー作。主人公は年代によって久保賢、鹿島信哉、久保明の三人が演じている。

4月16日(日) 〜22日(土)

小島の春

1940年(S15)/東京発声/白黒/88分

『小島の春』写真

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■監督:豊田四郎/原作:小川正子/脚本:八木保太郎/撮影:小倉金弥/美術:園真/音楽:津川主一
■出演:夏川静江、杉村春子、菅井一郎、勝見庸太郎、三津田健、清水美佐子、水谷史郎、林幹、英百合子

ハンセン病患者救済に尽くした小川正子による同名の記録文学を八木保太郎が脚色、豊田四郎が監督した。瀬戸の島々に隠れた病人を訪ね巡回診療の旅を続ける女医先生。悲嘆にくれる者、拒否する者──。彼女の努力が人々を勇気づけていく。

4月16日(日) 〜22日(土)

大番頭小番頭

1955年(S30)/東宝/白黒/94分

『大番頭小番頭』写真

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■監督:鈴木英夫/原作:佐々木邦/脚本:井手俊郎、館林一郎/撮影:山田一夫/美術:北猛夫、北川恵笥/音楽:松井八郎
■出演:池部良、雪村いづみ、藤原釜足、伊藤雄之助、若山セツ子、北川町子、浪花千栄子

ユーモア小説のパイオニア・佐々木邦の原作。老舗下駄問屋に雇われた新人番頭・池部良と、一風変わった店の人々との日常を小気味よく描いた庶民喜劇。浮気な若旦那・伊藤雄之助、口うるさい大番頭・藤原釜足らとの掛けあいが楽しい。

4月19日(水) 〜25日(火)

家内安全

1958年(S33)/東宝/白黒/89分

『家内安全』写真

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■監督:丸林久信/原作:源氏鶏太/脚本:井手俊郎/撮影:安本淳/美術:清水喜代志/音楽:宅孝二
■出演:飯田蝶子、江原達怡、佐原健二、中田康子、青山京子、平田昭彦、太刀川洋一、佐野周二、三宅邦子

年はとっても心はモダン、飯田蝶子のスーパーおばあちゃんが大活躍!長男のよろめき事件や孫の恋愛騒動、家族関係のもつれあいを解決し、一家を幸せに導いていく──。源氏鶏太の明朗家庭小説をもとにしたハートウォーミングな一篇。

4月19日(水) 〜25日(火)

ジャコ萬と鉄

1949年(S24)/東宝、49年プロダクション/白黒/91分

『ジャコ萬と鉄』写真

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■監督・脚本:谷口千吉/原作:梶野悳三/脚本:黒澤明/撮影:瀬川順一/美術:北辰雄/音楽:伊福部昭
■出演:三船敏郎、月形龍之介、浜田百合子、久我美子、進藤英太郎、英百合子、原泉子、藤原釜足

梶野悳三の『鰊漁場』を映画化。北海道のある漁場。無法の限りを尽くす片目の男ジャコ万と、弱い漁夫たちを助けるため立ちあがった網元の息子・鉄。ふたりの男のぶつかりあいが谷口&黒澤コンビの脚本で豪快に綴られる。

4月23日(日) 〜29日(土)

地の(はて)に生きるもの

1960年(S35)/東宝、森繁プロダクション/カラー/125分

『地の涯(はて)に生きるもの』写真

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■監督・脚本:久松静児/原作:戸川幸夫/脚本:三枝睦明/撮影:遠藤精一/美術:北猛夫/音楽:團伊玖磨
■出演:森繁久彌、司葉子、織田政雄、船戸順、草笛光子、西村晃、稲葉義男、中村是好、由利徹、左卜全

日本列島の北の果て。厳寒の知床半島で、猫相手にひと冬中番屋で過ごす「留守番さん」の生涯を回想形式で綴っていく。動物文学の第一人者・戸川幸夫の『オホーツク老人』に惚れこんだ森繁が自らプロダクションを設立し、東宝と共同制作。

4月23日(日) 〜29日(土)

1957年(S32)/東宝/白黒/67分

『象』写真

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■監督・脚本:山本嘉次郎/原作:福田三郎/撮影:小泉一/美術:北辰雄/音楽:渡辺浦人
■出演:榎本健一、小林桂樹、河内桃子、安西郷子、小杉義男、堺左千夫、生方壮児、本間文子、岡豊、瀬良明、津田光男

東宝の中篇文芸映画路線「ダイヤモンド・シリーズ」より第五弾を。子供たちの人気者・象のトンキーと飼育係の交流を中心に、戦時下の動物園で起こった悲しい出来事を真摯に訴える感動篇。原作は当時園長代理だった福田三郎の『動物園物語』。

4月26日(水) 〜5月2日(火)

夫婦善哉

1955年(S30)/東宝/白黒/120分

『夫婦善哉』写真

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■監督:豊田四郎/原作:織田作之助/脚本:八住利雄/撮影:三浦光雄/美術:伊藤熹朔/音楽:團伊玖磨
■出演:森繁久彌、淡島千景、司葉子、小堀誠、三好栄子、浪花千栄子、田中春男、万代峰子、山茶花究

化粧問屋のぼんぼんが売れっ子芸者と駆け落ちするも生活はすぐに困窮。次々と商売を試みては失敗し、喧嘩しながら、それでも一緒に生きていく。他人には窺い知れない、腐れ縁男女のけったいな関係を軽妙に綴ったオダサク原作の名篇。

4月26日(水) 〜5月2日(火)

まごころ

1939年(S14)/東宝映画東京/白黒/67分

『まごころ』写真

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■監督・脚本:成瀬巳喜男/原作:石坂洋次郎/撮影:鈴木博/美術:中古智/音楽:服部正
■出演:入江たか子、高田稔、悦ちゃん、加藤照子、村瀬幸子、清川荘司、藤間房子

舞台は地方の小都市。小学六年生の仲良しふたりが大人の世界を垣間見、その心が波立つさまを、まばゆい田園風景のなか繊細に描きだしていく──。「和製テンプル」こと悦ちゃんと、加藤照子。対照的な二人の少女もそれぞれに魅力的。

4月30日(日) 〜5月2日(火)

兄いもうと

1936年(S11)/P.C.L.映画製作所/白黒/61分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

『兄いもうと』写真

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■監督:木村荘十二/原作:室生犀星/脚本:江口又吉/撮影:立花幹也/美術:安倍輝明/音楽:近衛秀麿
■出演:竹久千恵子、丸山定夫、英百合子、小杉義男、堀越節子、大川平八郎、榊田敬治、本庄克二

心の底では深く愛しあいながらも、激しく傷つけあってしまう兄妹の複雑な愛情──。室生犀星の同名短篇小説を、東宝の前身であるP.C.L.を支えた代表監督、木村荘十二が映画化。五三年に成瀬巳喜男、七六年には今井正がリメイクしている。

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