3月14日(日) 〜16日(火)

小島の春

1940年(S15)/東京発声/白黒/88分

『小島の春』写真

©東宝

■原作:小川正子/脚本:八木保太郎/撮影:小倉金弥/美術:園眞/音楽:津川主一
■出演:夏川静江、杉村春子、菅井一郎、清水美佐子、水谷史郎、勝見庸太郎、三津田健、林幹、英百合子

ハンセン病患者救済に尽くした女医・小川正子の同名手記を映画化したもの。瀬戸の島々に隠れ住む病人を訪ね、療養所に入るよう説得する主人公・夏川静江。悲嘆にくれる者、断固拒否する者──。彼女の努力が人々を勇気づけていく。

3月14日(日) 〜20日(土)

麥笛

1955年(S30)/東宝/白黒/103分

『麥笛』写真

©東宝

■原作:室生犀星/脚本:池田一朗、豊田四郎/撮影:三浦光雄/美術:河東安英/音楽:團伊玖磨
■出演:久保明、太刀川洋一、青山京子、越路吹雪、志村喬、藤原釜足、左卜全、中北千枝子、浪花千栄子

純朴な文学少年が、早熟な友人との関わりのなかで、はじめて異性に興味を抱く──。原作は室生犀星の自伝的短篇『性に目覚める頃』。舞台を金沢から倉敷に移し、その風景が大正時代の雰囲気をうまくつくりだしている。

3月14日(日) 〜20日(土)

雪国

1957年(S32)/東宝/白黒/133分

『雪国』写真

©東宝

■原作:川端康成/脚本:八住利雄/撮影:安本淳/美術:伊藤熹朔、園眞/音楽:團伊玖磨
■出演:池部良、岸恵子、八千草薫、森繁久彌、加東大介、久保明、多々良純、田中春男、浪花千栄子

越後湯沢の温泉町。芸者駒子は妻子ある日本画家と激しい恋に落ち、結ばれぬ運命と知りながら、年に一度の逢瀬を重ねていく。川端康成不朽の名作を映画化。岸恵子のヒロイン駒子は艶やかでいじらしく、物哀しく、絶品。

3月17日(水) 〜23日(火)

泣蟲小僧

1938年(S13)/東京発声/白黒/80分

『泣蟲小僧』写真

©東宝

■原作:林芙美子/脚本:八田尚之/撮影:小倉金弥/美術:河野鷹思/音楽:今沢将矩
■出演:林文雄、栗島すみ子、藤井貢、若葉喜代子、逢初夢子、市川春代、梅園竜子、山口勇、一木禮司、高島敏郎

再婚した母親から疎んじられて、親戚の家をたらいまわしにされる「泣蟲小僧」の悲哀を淡々と綴った佳品。預け先の大人たちそれぞれの人生模様や生活風景もきめ細やかに描かれる。林芙美子の同名短篇小説を映画化したもの。

3月17日(水) 〜23日(火)

駅前旅館

1958年(S33)/東京映画/カラー/109分

『駅前旅館』写真

©東宝

■原作:井伏鱒二/脚本:八住利雄/撮影:安本淳/美術:松山崇/音楽:團伊玖磨
■出演:森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺、淡島千景、草笛光子、淡路恵子、三井美奈、浪花千栄子、山茶花究、多々良純

東京上野の老舗旅館を舞台に、ベテラン番頭の森繁、ライバル旅館の伴淳、旅行社の添乗員フランキー等、芸達者たちがにぎやかに繰り広げる風俗喜劇。本作の成功が東京映画のドル箱「駅前」シリーズを生むきっかけになった。

3月21日(日) 〜23日(火)

1938年(S13)/東京発声/白黒/71分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品

『鶯』写真

©東宝

■原作:伊藤永之介/脚本:八田尚之/撮影:小倉金弥/美術:進藤誠吾/音楽:中川栄三
■出演:勝見庸太郎、御橋公、霧立のぼる、堤眞佐子、杉村春子、清川虹子、伊達信、鶴丸睦彦、押本映治

東北のある田舎町の警察署、そこには様々な事情を抱えた人々が集う。曲馬団に売った娘の捜索願にきた老婆、鶏泥棒、もぐりの産婆、鶯売りの娘──。伊藤永之介の同名小説をもとに、グランドホテル形式で描かれる悲喜こもごもの人間模様。

3月21日(日) 〜27日(土)

男性飼育法

1959年(S34)/東京映画/カラー/103分

『男性飼育法』写真

©東宝

■原案:三宅艶子/脚本:八住利雄/撮影:安本淳/美術:伊藤熹朔/音楽:芥川也寸志
■出演:森繁久彌、淡島千景、花菱アチャコ、淡路恵子、小林桂樹、水谷良重、八波むと志、由利徹、南利明

淡島千景、淡路恵子、水谷良重の三人の奥様方が共同戦線を張り、ワンマン亭主たちを懲らしめようとセックス・ストライキを決行。女流評論家・三宅艶子の同名随筆をもとに、夫婦間の愛情問題を興味深く描きあげる娯楽篇。

3月24日(水) 〜27日(土)、31日(水) 〜4月3日(土)

夫婦善哉

1955年(S30)/東宝/白黒/120分

『夫婦善哉』写真

©東宝

■原作:織田作之助/脚本:八住利雄/撮影:三浦光雄/美術:伊藤熹朔/音楽:團伊玖磨
■出演:森繁久彌、淡島千景、司葉子、浪花千栄子、小堀誠、万代峰子、山茶花究、田中春男、丘寵児、田村楽太

大阪船場のどら息子が売れっ子芸者と駆け落ちするもすぐに困窮。次々と商売を試みては失敗し、喧嘩しながら、それでも一緒に生きていく──。他人には窺い知れない、腐れ縁男女の関係を軽妙に綴ったオダサク原作の名篇。

3月24日(水) 〜30日(火)

珍品堂主人

1960年(S35)/東京映画/カラー/120分

『珍品堂主人』写真

©東宝

■原作:井伏鱒二/脚本:八住利雄/撮影:玉井正夫/美術:伊藤熹朔/音楽:佐藤勝
■出演:森繁久彌、淡島千景、乙羽信子、淡路恵子、小林千登勢、高島忠夫、山茶花究、東野英治郎、柳永二郎

抜群の鑑定眼をもつ男「珍品堂」が高級料亭の経営に乗りだす。ところが、才女タイプの商業美術家が相談役としてやってきた──。森繁久彌VS淡島千景、実権をめぐる両者の攻防がみもの。井伏鱒二の同名小説を映画化したユーモア劇。

3月24日(水) 〜4月3日(土)

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猫と庄造と二人のをんな[短縮版]

1956年(S31)/東京映画/白黒/103分

『猫と庄造と二人のをんな[短縮版]』写真

©東宝

■原作:谷崎潤一郎/脚本:八住利雄/撮影:三浦光雄/美術:伊藤熹朔/音楽:芥川也寸志
■出演:森繁久彌、香川京子、山田五十鈴、浪花千栄子、南悠子、都家かつ江、田中春男、山茶花究

異常なまでの愛情を猫に注ぐ甲斐性なしの男をめぐり、先妻、後妻、彼の母親が欲や嫉妬の絡んだ凄烈なやりとりを繰り広げる。香川京子がそれまでのイメージとは異なる我儘なアプレ役。意外な一面をひきだし、生き生きとした作品に。

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