モーニングショー/『映画監督 山本薩夫』刊行記念 社会派エンターテインメントの真髄 ヤマサツ流

2026年11月29日[日]〜2027年2月6日[土] 連日10:30より
※12月31日[木]、1月1日[金]は休館いたします。
ラピュタ阿佐ヶ谷

戦後独立プロ運動の先駆者であり、社会派映画の巨匠・山本薩夫。
待望の評伝刊行を記念して選りすぐりの10作品をお届けいたします。

【上映作品】
『浮草日記』『台風騒動記』『赤い水』『荷車の歌』『忍びの者』『続 忍びの者』『にっぽん泥棒物語』『氷点』『金環蝕』『あゝ野麦峠』

【上映日程】
11.29[日]-12.5[土]
浮草日記
1955年(S30)/俳優座、山本プロダクション/白黒/109分
■原作:真山美保/脚本:八住利雄/撮影:前田実/美術:久保一雄/音楽:大木正夫
■出演:津島恵子、菅原謙二、東野英治郎、小沢栄、高橋昌也、松本克平、花澤徳衛
解散寸前のドサ廻り一座が、炭鉱町でストライキに遭遇。争議団との交流を通じて、新しい時代の生き方に目覚めていく──。真山美保の戯曲『市川馬五郎一座顛末記』を映画化したユニークな人情劇。「働くものの連帯」を照らしだして。

12.6[日]-8[火]
台風騒動記
1956年(S31)/まどかグループ、山本プロダクション/白黒/107分 ○国立映画アーカイブ所蔵作品
■原作:杉浦明平/脚本:八住利雄、山形雄策/撮影:前田実/美術:平川透徹/音楽:芥川也寸志
■出演:佐田啓二、菅原謙二、桂木洋子、野添ひとみ、佐野周二、三井弘次
「この国では天災のあとにもっと恐ろしいものがくる」東海地方の田舎町で、台風災害に便乗しがっぽり儲けようと企む大ボス小ボス。そうはさせじと青年たちが立ちあがり騒動は大きくなっていく──。杉浦明平『台風十三号始末記』をもとにした痛烈な社会諷刺劇。

12.9[水]-15[火]
赤い水
1963年(S38)/大映東京/カラー/99分
■原作:杉浦明平/脚本:柳沢類寿、山形雄策、山本薩夫/撮影:小林節雄/美術:柴田篤二/音楽:池野成
■出演:船越英二、八波むと志、伊藤雄之助、川崎敬三、城健三朗、織田政雄
小さな町に突如もちあがった温泉開発計画。欲に目が眩んだ地元の有力者たちは、高騰をみこんで土地の買い占めに奔走する──。『台風騒動記』と同じ杉浦明平原作。超怪演・伊藤雄之助ほか個性豊かな顔ぶれで、政治腐敗を描いたエネルギッシュな群像劇。

12.16[水]-22[火]
荷車の歌
1959年(S34)/全国農村映画協会/白黒/144分
■原作:山代巴/脚本:依田義賢/撮影:前田実/美術:久保一雄/音楽:林光
■出演:望月優子、三國連太郎、左幸子、水戸光子、岸輝子、浦辺粂子、西村晃、小沢栄太郎
過酷な労働、嫁姑問題、夫の浮気、そして戦争──。明治から大正、昭和へ、貧しい農村で苦難に耐えながら、妻として母として強く生き抜いた女の一代記。全国農協婦人部の十円カンパで製作された。望月優子、三國連太郎、娘役の左幸子、いずれも好演。

12.23[水]-30[水]
忍びの者
1962年(S37)/大映京都/白黒/104分
■原作:村山知義/脚本:高岩肇/撮影:竹村康和/美術:内藤昭/音楽:渡辺宙明
■出演:市川雷蔵、藤村志保、伊藤雄之助、城健三朗、小林勝彦、岸田今日子、丹羽又三郎
全国制覇の野望に燃える織田信長と、彼を討つべく暗躍する伊賀忍者の群れ──。市川雷蔵扮する下忍・石川五右衛門の人間的苦悩が物語の核。日本中に忍者ブームを巻きおこすとともに、時代劇映画に新たな地平を切り拓いた。原作は村山知義。

1.2[土]-9[土]
続 忍びの者
1963年(S38)/大映京都/白黒/93分
■原作:村山知義/脚本:高岩肇/撮影:武田千吉郎/美術:内藤昭/音楽:渡辺宙明
■出演:市川雷蔵、藤村志保、山村聰、城健三朗、坪内ミキ子、東野英治郎、永井智雄
一時は平和な生活を得た五右衛門も、信長の執拗な「忍者狩り」によって愛息を失い、再び忍びの世界へ──。シリーズ第二作では本能寺の変を背景に壮絶な復讐劇を展開。若山富三郎の信長、東野英治郎の秀吉、山村聰の光秀など重厚な脇役陣も◎。

1.10[日]-16[土]
にっぽん泥棒物語
1965年(S40)/東映東京/白黒/117分
■脚本:高岩肇、武田敦/撮影:仲沢半次郎/美術:森幹男/音楽:池野成
■出演:三國連太郎、佐久間良子、伊藤雄之助、江原真二郎、緑魔子、北林谷栄、市原悦子、千葉真一
完璧な仕事ぶりで有名な土蔵破りが、ある夜不気味な集団を目撃。直後に列車転覆事故が勃発する──。「松川事件」をモチーフにした、ヤマサツ流傑作社会派エンターテインメント。三國連太郎が圧倒的な演技で笑わせ、泣かせてくれる。

1.17[日]-23[土]
氷点
1966年(S41)/大映東京/白黒/97分
■原作:三浦綾子/脚本:水木洋子/撮影:中川芳久/美術:間野重雄/音楽:池野成
■出演:若尾文子、安田道代、船越英二、山本圭、津川雅彦、森光子、成田三樹夫、鈴木瑞穂
愛娘を殺害され、その犯人の子を養女として迎えた病院長一家の物語。原作は三浦綾子の同名ベストセラー小説。家庭内で繰り広げられる、複雑で異常な愛憎の絡みあいをみごとに描いている。難役、母・夏枝に若尾文子、娘・陽子にホープ安田道代。

1.24[日]-30[土]
金環蝕
1975年(S50)/大映映画/カラー/155分
■原作:石川達三/脚本:田坂啓/撮影:小林節雄/美術:間野重雄、今井高司/音楽:佐藤勝
■出演:仲代達矢、三國連太郎、宇野重吉、京マチ子、中村玉緒、安田道代、西村晃
まわりは金色の栄光に輝いてみえるが、中身は真っ黒に腐っている──。昭和四十年に衆議院決算委員会で問題になった九頭竜川ダム汚職事件がベース。政治の舞台裏にうごめく、金、権力、女……登場人物、全員悪人。豪華スタア競演の娯楽大作。

1.31[日]-2.6[土]
あゝ野麦峠
1979年(S54)/新日本映画/カラー/153分
■原作:山本茂実/脚本:服部佳/撮影:小林節雄/美術:間野重雄/音楽:佐藤勝
■出演:大竹しのぶ、原田美枝子、友里千賀子、古手川祐子、地井武男、西村晃、三國連太郎
明治後期。飛騨の寒村から信州岡谷の製糸工場へ、僅かな契約金で糸ひき工女として赴き、厳しい労働に耐えながら健気に生き抜いた乙女たち──。山本茂実の同名ノンフィクション、渾身の映画化。大竹しのぶ、原田美枝子ら若手実力派女優の熱演。


【書籍案内】
映画監督 山本薩夫
野村正昭/編著
発行:共同企画ヴォーロ 発売:キネマ旬報社 定価3,850円(税込)
2026年12月発売予定

いま、よみがえる巨匠の伝説──
没後40年以上が経っても、各地で特集上映が行われ、映画ファンを惹きつけてやまぬ山本薩夫監督。その全貌がいよいよ書籍として刊行されることになりました。監督自身の映画論や座談会、出演者やスタッフへのインタビュー、全作品解説、絵コンテなど。初公開の資料を含む充実の一冊です。