モレク神
Cast & Staff Director Synopsis
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イントロダクション

独裁者の努力は長続きしない!
心の弱さ、不安定さ、そして蓄積する疲労。
まるで笑えないコメディアンのようなヒトラー。
これまでのヒトラーの肖像を描き直し、そして葬り去るために…。

1942年春ヒトラーが、腹心のゲッペルスやマルティン・ボーマンたちと愛人エバのいるベルヒデス・ガーデン(別名:荒鷲の要塞)に戻ってくる。ここには、カリスマとしてのヒトラーはいない。ゲッペルスたちと一緒に食事をとるときには、誇大妄想狂のように自らの考えをこねくりまわし、興奮し、笑えない冗談を言い、ピクニックでは無邪気に踊るが、エバと二人だけの時には、彼女に甘え、「自分はガンで死ぬ。もう仕事はしたくない」と駄々をこね、自分をさげすみ、疲れ果て、まるで病人のようなひとりの男の姿が描かれる。そして、ついに、エバは「愛人でいることに疲れた」と彼を挑発するのだった…。

美しく歪んだ映像と絵画を思わせる色彩。 『ルードヴィッヒ 神々の黄昏』と並ぶ傑作とカンヌ国際映画祭で絶賛を浴びた アレクサンドル・ソクーロフの傑作の登場!!

ロシア映画界が生んだ傑出した才能、アレクサンドル・ソクーロフ監督の新作が登場する。戦争と国家。愛と憎悪。二十世紀の負の遺産であるヒトラー侵略の記憶を持つ都市ペテルスブルグで撮影された。ヒトラーを徹底的に“ひとりの男”に引きずり降ろさなければ、歴史の悪循環は断ち切れないとソクーロフは言う。現在、本作から始まる4部作(次作『牡牛座』は1920年代のソ連とレーニンの晩年を描き、3作目は“ヒロヒト”について、4作目はゲーテ『ファウスト』とトーマス・マン『ファウスト博士』についての映画となる)を準備中。“モレク神”とは、古代セム族が子供を人身御供にして祭った恐ろしい犠牲を要求する神の名前。旧約聖書では悲惨な災い、戦火 のシンボルと記されている。99年のカンヌ国際映画祭では、ヴィスコンティ監督の『ルートヴィヒ 神々の黄昏』と並ぶ傑作と絶賛され、最優秀脚本賞を受賞した。