アート・アニメーションのちいさな学校

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アニメーション監督コースのための講義プログラム

 「このプログラムは学習期間によって変更する。講義時間数によって、初心の聴講者への教授水準が決められていく。プログラムには、あらゆるテーマにたいする絵コンテと、撮影過程における仕事が含まれている。撮影技術獲得だけではなく、発展するドラマツルギーとしての表現、動きの技巧、表現コントラスト、表現の構成要素としての光なども感受することになる。課題を遂行する期間は、数時間、あるいは数ヶ月にわたる。このプログラムには、毎日の詳細な授業によって構成されるべき、長期にわたる課題は含まれていない:

  1. アニメーションとは何かを決める試み。他の芸術ジャンルとの相互関係。
    可塑性のある芸術(タッシリ、アルタミラ、ラスコーの洞窟壁画、インドの浮彫り、エジプトの水浴女たち)における動きの発展。
  2. 撮影。用意できている表現様相を使って、動きを擬人化する課題。
  3. 舞台上の動きとしての表現(ジョットー、ウッチェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチほか)
  4. 撮影。コンポジションを映画的に識別、選択する課題。
  5. アニメーションフィルムの識別、分析。一つのコマの組立、構成、演技、リズミカルな動きと身のこなし、音楽。『魔法使いの弟子』(ディズニー)、『ボニファウスの休暇』(F. ヒトルーク)。
  6. 動きの痕跡(残動)の原則。モンタージュ・フレーズに沿った配分。ミハイル・ツェハノフスキーの作品『パシフィック』の識別、分析。
  7. 20世紀10〜20年代における表現の実験作品分析(バッラ、ボッチーニ、マレーヴィッチ、ゴンチャローワ)。
  8. 撮影。動きの表現部分を使って擬人化へ移行させる課題。
  9. ポール・クレイ。作品の識別と分析。
  10. 撮影。動きの技法(対比、音楽との相互関係)。ありものを使用してもよい。
  11. 撮影。アニメーションの擬人化。結果を得るために単純な手法を探すこと。セルに絵を描くこととセルの置き方。音の技法(あらかじめ選んだ音−録音を解読する;音をフィルムに描いてもよい)。
  12. 絵コンテ。
    a) テーマ−写真館におけるモーツアルトとサリエリ−にたいしていくつかの絵(コマ)を描く。
    b) 梯子段にいる裸の男(傍を通る隣人たちとの会話の台詞を考える)。
  13. 絵コンテ。心理状態の変化をともなう古典作品を使用。例えば、マクベス−反応する無力症者。あるいは、善良な小酔っ払い、例えばジョン・フォルスタッフ(陽気でほら吹きの、デブの騎士・シャークスピアの『ヘンリー四世』の登場人物より)をマクベス夫人の夫とする(台詞を変える)。
  14. 絵コンテ。焼けてだめになったランプ、穴のあいたナベ、擦り切れたソックス、加熱機器としての冷蔵庫などのコマーシャルを考える。ヴォルヴォやメルセデスのために四角い車輪のコマーシャルも。
  15. 撮影。動く立体を対象に。多回的な構想。一つの構想。感情の動きにおける相違点。対象を生きたキャラクターと結びつけてもいい(必ずしもコマごとの撮影でなくてもいい)。
    この課題の後にまた10〜20年代の実験に戻る。
  16. 絵コンテ。大統領候補者たちの政治論争;台詞をリズミカルに示すこと。(対話は文字通り出てきたたまごについて進む−スウィフトの『ガリバー旅行記』より“小人の国のガリバー”)
  17. 絵コンテ。ピックハンマーの音がする通りでの、楽天家と潰瘍患者の会話。
  18. 絵コンテ。映画コマのドラマツルギーにおける音。キャラクターの気を惹かないで、映画コマにおける動きを音の変化によって描く。
    キャラクター−音。映画コマ−選択による。
  19. 絵コンテ。テーマ:バイブルではなく今日の生活における天国と地獄。市場から、クレーン修理にやってきた組立工や、社会保障までを。
  20. 絵コンテ。テーマ:婦人が新しい品(服や靴など)を手に入れた。鏡がない。動きのために、どんなキャラクターをも引き込むことができる。
  21. 絵コンテ。文学プロット(例えば『車輪』の断片を)を絵コンテする。
  22. 絵コンテ。日本の短詩−俳句など。
  23. 撮影。抽象的なキャラクターにたいする課題。制約されないファンタジー。音との結びつき。置き換、または乗法。
  24. 撮影。ポール・クレイの作品に戻る。音による描写(音響表現)。質感の対比。選択による絵画作品。
  25. 撮影。さまざまな写真を選びテーマによって、映画的動きを作る。テーマ:動物園、養老院、喪に服している家、大会での討論、政治候補者の演説。アフレコ。マテリアルを集めながら、これらの課題は不可欠である。
  26. 撮影。光の仕事。光のキャラクター。シルエット(影絵)。法則的な動きと結びつけたシルエット性。
  27. 撮影。質感のバイブレーションのみ(アニメーションを付け加えずに)で表現する課題。自然状況:草原のハヤガネ草、水上の漣、きらめき、木の葉のふるえ、雲海の動き、降る雪、雨。フィルムコマの質感を示すためのさまざまな音や音楽。
  28. 講義。仕事の開始。記号で示された企画、または形式化されたアイデア。アプローチの違い(一人ひとり個別の課題)。あらゆる映画作品の構想から全体像にいたるまでを識別、分析する。
  29. 講義。キャラクターの俳優としての可能性。映画の変化機能としてのキャラクターと空間。
  30. 撮影。シュールリアリズムとアニメーション。今まで取り上げたテーマに戻るが、新しい段階での教授となる:今まで学習したことを基本にして用意された絵画の絵コンテと撮影。