メイン会場のリュミエール


記者会見場


ソクーロフ、通訳、アラーボフ


メイン会場の赤絨毯を登る一行


終映後、会場のスタンディングオベーションを受ける一行


赤絨毯を下る一行


『牡牛座』記者会見と上映 −2001年5月17日−

井上 徹(写真も)

 12時半過ぎ、記者会見場の近くでソクーロフ監督の一行と合流。人数がずいぶん増えていた。ソクーロフ監督、主演男優のレオニード・モズゴヴォイ、主演女優(妻クルプスカヤ役)のマリヤ・クズネツォーヴァ、脚本のユーリー・アラーボフ作曲のアンドレイ・シグレ、『牡牛座』のエグゼキュティヴ・プロデューサーを務めたレンフィルムのセルゲーエフ所長、プロデューサー・マネージャーのペルソフ、他レンフィルム関係者数名の大所帯。海に面したパレ・デ・フェスティヴァルの屋上が、控え室代わりとなっている。ソクーロフは取材を受けたり打ち合わせをしたりと急がしそうだが、他は写真やヴィデオを撮ったりしながら、のんびりしている。

 建物に入って、記者会見場脇の写真室で監督、プロデューサーと俳優の写真を撮り、いよいよ記者会見場に入る。

 フランスの『赤旗』(?)紙の映画欄を担当する批評家の人が司会。壇上にはソクーロフ監督、俳優ふたり、アラーボフ、セルゲーエフが並んだ。集まった記者は約100人。作品の製作意図といった大きな質問から、セリフの細部について確認する質問の他、すばらしい映画だったと演説するロシア人が登場したりしながら記者会見が進む。質問はフランス語よりロシア語のほうが目立った。プラウダ(ロシアの新聞)やイタルタス(ロシアの通信社)なども来ている。「政治的なこと、歴史的なことは、皆さん自身が知っているでしょう。私はそういうものではなく、レーニンの『生』を描きたかった」とソクーロフ監督。また、「私の作品は実験ではなく、研究なのです」とも。

 終了後、一行と昼食。ソクーロフはまた取材へ。いったん別れて、午後9時、ホテルにてソクーロフたちと合流。ロシアの文化大臣(名前を失念)夫妻も現れ、10時が近付くと、車7台を連ねて会場入り。

 メイン会場前の赤絨毯は、そそくさと登ることはできない。立ち並ぶ取材人のカメラのために、立ち止まってポーズを取ったりしながら、ゆっくり登って行く。会場に入ると拍手で迎えられ、着席。上映が始まる。レーザーでフランス語字幕が打ち込まれたプリント。英語字幕は画面下にプロジェクター(あるいは電光掲示板?)で出る。

 エンドクレジットが流れ始めると、会場は拍手の嵐。クレジットが終わりに近付くと、監督の周辺に照明が当たり、スクリーンにソクーロフらの姿が映し出される。われわれのいた1階の客席では、誰も出て行かず、みんな立っておしみない拍手を送っている。ブラボーの声も聞こえてくる。スタンディングオベーションが数分に渡って続く。

 再び会場を出て、赤絨毯をゆっくりと降りてゆく。登る時と同じく、途中で止まってポーズを取ったりしながら。車に乗って上映後のパーティー会場まで。ビーチにしつらえた、VIP用のテント。上映の成功を祝して、乾杯。テレビカメラのために、何度か乾杯を繰り返す。パーティーの間中、ソクーロフのもとには、ひっきりなしにお祝いの言葉、映画の感想を述べに人が寄って来ている。招待状をどう配ったのかわからないが、ロシア人が圧倒的に多い感じ。

 夜中の1時を過ぎて、だんだん人が少なくなる。ソクーロフも帰ろうとして、挨拶を交わしながら出口へと向かっていくが、何か用事ができたりして、なかなか外に出られずにいる。

 宿に戻ると2時。上映の成功に安堵してベッドに潜る。