10月9日(水)〜15日(火)

武士道無残

1960年(S35)/松竹京都/白黒/74分

『武士道無残』写真

©1960 松竹株式会社

■監督・脚本:森川英太朗/撮影:川原崎隆夫/美術:大角純一/音楽:真鍋理一郎
■出演:森美樹、山下洵一郎、高千穂ひづる、渡辺文雄、桜むつ子、倉田爽平、永田光男、小田草之介、天津七三郎

主君への殉死を命じられた若侍とその兄夫婦が、武家社会の不条理に翻弄され、苦悩する──。これがデビューの森川英太朗の力のこもった演出で異色の時代劇に。ヌーヴェルヴァーグ期の松竹における、京都撮影所からの鮮烈な1本。

10月13日(日)〜19日(土)

非行少女

1963年(S38)/日活/白黒/114分

『非行少女』写真

©日活

■監督・脚本:浦山桐郎/原作:森山啓/脚本:石堂淑朗/撮影:高村倉太郎/美術:中村公彦/音楽:黛敏郎
■出演:和泉雅子、浜田光夫、香月美奈子、杉山俊夫、小沢昭一、小池朝雄、高原駿雄

自堕落な父親、貧しい家庭……絶望的な環境のなかで、身も心も荒みきった少女の非行と立ち直りを描いた珠玉篇。後に「女優育ての名手」と呼ばれた浦山桐郎、監督第2作では和泉雅子を演技開眼へと導く。モスクワ国際映画祭金賞。

10月13日(日)〜19日(土)

893愚連隊

1966年(S41)/東映京都/白黒/88分

『893愚連隊』写真

©東映

■監督・脚本:中島貞夫/原案:菅沼照夫/撮影:赤塚滋/美術:矢田精治/音楽:広瀬健次郎
■出演:松方弘樹、天知茂、荒木一郎、ケン・サンダース、近藤正臣、広瀬義宣、高松英郎、宮園純子

あらゆる小悪事をシノギにし、あがりは仲間で平等に分配。そんな戦後派チンピラに、死に損ないの戦中派ヤクザを絡ませ、彼らの野望が不様に挫折する様をオールロケで活写。70年代東映京都のエースとして活躍した中島貞夫の出世作。

10月16日(水)〜20日(日)、22日(火)

不知火檢校

1960年(S35)/大映京都/白黒/91分

『不知火檢校』写真

©KADOKAWA 1960

■監督:森一生/原作:宇野信夫/脚本:犬塚稔/撮影:相坂操一/美術:太田誠一/音楽:斎藤一郎
■出演:勝新太郎、中村玉緒、近藤美恵子、丹羽又三郎、鶴見丈二、倉田マユミ、安部徹

江戸絢爛期。強盗、強姦、殺人……悪の限りを尽くしてのしあがろうとする按摩師の姿を描いたピカレスク時代劇。監督は森一生。二枚目スタアの勝新太郎を坊主頭の悪漢に仕立ててブレイクさせ「座頭市」シリーズを生むきっかけをつくった。

10月16日(水)〜20日(日)、22日(火)

遊民街の銃弾

1962年(S37)/東映東京/白黒/80分

『遊民街の銃弾』写真

©東映

■監督:飯塚増一/脚本:佐治乾/撮影:星島一郎/美術:藤田博/音楽:河辺公一
■出演:丹波哲郎、高倉健、佐久間良子、筑波久子、曽根晴美、大村文武、春日俊二、神田隆、サイ・テーラー

不法入国のかどで外国人収容所に入れられた元米兵が、基地の火薬庫に隠した200万ドルのダイヤを取り戻すため同房者に協力を仰ぐ。白・黒・黄色──様々な人種が入り乱れての熾烈な争奪戦を80分に収める飯塚増一、アルチザンの手腕。

10月20日(日)、22日(火)〜26日(土)

誘拐報道

1982年(S57)/東映、日本テレビ放送網/カラー/134分

『誘拐報道』写真

©東映

■監督:伊藤俊也/原作:読売新聞大阪本社社会部/脚本:松田寛夫/撮影:姫田真佐久/美術:今村力/音楽:菊池俊輔
■出演:萩原健一、小柳ルミ子、秋吉久美子、高橋かおり、丹波哲郎、平幹二朗

宝塚市学童誘拐事件を取材した同名ルポルタージュに触発され伊藤俊也が渾身のメガホン。犯人とその家族、被害者家族、さらには警察と報道機関の間で交錯するそれぞれの思惑を描き、事件の「やりきれなさ」を最大限にみせつける。

10月20日(日)、22日(火)〜26日(土)

若い狼

1961年(S36)/東宝/白黒/83分

『若い狼』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督・脚本:恩地日出夫/撮影:逢沢譲/美術:竹中和雄/音楽:間宮芳生
■出演:夏木陽介、星由里子、中丸忠雄、田中邦衛、西村晃、織田政雄、菅井きん、松村達雄、小栗一也、松本染升

更生を誓って少年院をでた主人公が、現実の壁に阻まれ転落していく──。助監督仲間のシナリオ同人誌に書いた『どぶねずみ』が東宝の製作本部長・藤本真澄の目に留まり、恩地日出夫27歳の若さで監督昇進。新しい青春映画の担い手とされた。

10月23日(水)〜29日(火)

執炎

1964年(S39)/日活/白黒/120分

『執炎』写真

©日活

■監督:蔵原惟繕/原作:加茂菖子/脚本:山田信夫/撮影:間宮義雄/美術:松山崇/音楽:黛敏郎
■出演:浅丘ルリ子、伊丹一三、芦川いづみ、松尾嘉代、宇野重吉、平田大三郎、細川ちか子、信欣三

平家落人部落の娘と漁師町の青年が因習を破って結婚。だが戦争が2人を別ち、妻はぎりぎりの世界に追いつめられていく──。蔵原惟繕のもとで演技派への脱皮を遂げつつあった浅丘ルリ子が自らの「100本記念映画」に本作を希望、熱演。

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