『新宿泥棒日記』写真

©大島渚プロダクション

3月9日(日) 〜11日(火)

新宿泥棒日記

1969年(S44)/創造社/パートカラー/96分

■監督・脚本:大島渚/脚本:田村孟、佐々木守、足立正生/撮影:吉岡康弘、仙元誠三美術:戸田重昌
■出演:横尾忠則、横山リエ、田辺茂一、高橋鐵、佐藤慶、渡辺文雄、戸浦六宏、唐十郎、麿赤兒、四谷シモン

万引青年と女店員がエクスタシーを求めて彷徨。状況劇場の街頭劇や酒場で性談義をする大島組の俳優たち、果ては新宿騒乱まで──。六〇年代末の新宿にカメラを持ちこみ、虚構と現実を混ぜあわせながら時代の空気を鮮やかにすくいとる。

『おとし穴』写真

©草月会

3月9日(日) 〜15日(土)

おとし穴

1962年(S37)/勅使河原プロダクション/白黒/97分

■監督:勅使河原宏/脚本:安部公房/撮影:瀬川浩/美術:山崎正夫/音楽監督:武満徹/音楽:一柳慧、高橋悠治
■出演:井川比佐志、佐々木すみ江、矢野宣、田中邦衛、宮原カズオ、大宮貫一、観世栄夫、佐藤慶

不況の北九州炭鉱地帯で起こった不可解な三重殺人事件。被害者はその後幽霊となって事件のなりゆきを見守る──。安部公房作のドラマ『煉獄』をベースにした勅使河原宏の長篇劇映画第一回監督作品。ATG 配給初の日本映画でもある。

『初恋・地獄篇』写真

©1968 羽仁進/ATG

3月9日(日) 〜15日(土)

初恋・地獄篇

1968年(S43)/羽仁プロダクション、ATG/パートカラー/107分

■監督・脚本:羽仁進/脚本:寺山修司/撮影:奥村祐治/美術:金子國義
■出演:高橋章夫、石井くに子、宮戸美佐子、満井幸治、湯浅実、額村喜美子、木村一郎、支那虎、浅野春男、宮原紀幸

彫金師見習いの孤独な少年シュンと、ヌードモデルのナナミ──。疎外されたハイティーンの不安定な愛と性を描いた羽仁進の異色の青春映画。素人俳優を使っての即興演出が、若い男女のありさまを鮮やかに浮き彫りにしてみせた。

『人間蒸発』写真

©今村プロダクション

3月12日(水) 〜18日(火)

人間蒸発

1967年(S42)/今村プロダクション、日本映画新社、ATG/白黒/129分

■監督:今村昌平/撮影:石黒健治/編集:丹治睦夫/録音:紅谷愃一、武重邦夫/音楽:黛敏郎/協力:浦山桐郎
■出演:露口茂、早川佳江

結婚を目前に控えた平凡なセールスマンが蒸発──。彼の婚約者だった若い女性に俳優の露口茂がつきそって足跡を追い、失踪の原因になったかもしれない人々やその関係者を訪ね歩く。今村昌平が手掛けた劇場用長篇ドキュメンタリー映画。

『彼女と彼』写真

©岩波映像

3月12日(水) 〜18日(火)

彼女と彼

1963年(S38)/岩波映画製作所/白黒/107分 ※16mm

■監督・脚本:羽仁進/脚本:清水邦夫/撮影:長野重一/美術:今保太郎/音楽:武満徹
■出演:左幸子、岡田英次、山下菊二、五十嵐まりこ、長谷川明男、木村俊恵、平松淑美、市田ひろみ、桑山正一、小栗一也、穂積隆信

東京郊外の団地に住む平凡な主婦・左幸子は、バタヤ部落の人々と触れあううちに、真の幸福とは何かを自問する──。日常の中のかすかな心理的波乱をとらえた羽仁進の野心作。写真家・長野重一によるモノクロ映像も特筆もの。

※チラシの分数表記に誤りがございました。【誤】114分 → 【正】107分
訂正してお詫び申し上げます。

『北村透谷 わが冬の歌』写真

©1977 三映社/ATG

3月16日(日) 〜22日(土)

北村透谷 わが冬の歌

1977年(S52)/三映社、ATG/カラー/103分

■監督:山口清一郎/脚本:菅孝行/撮影:田村正毅/美術:育野重一/音楽:高橋悠治
■出演:みなみらんぼう、田中真理、河原崎次郎、石橋蓮司、鳥居恵子、萩尾みどり、水原ゆう紀、藤真利子、堀内正美、沖雅也

明治の詩人として、文芸評論家として、また平和主義運動家として多くの可能性を秘めながら、自ら命を絶った北村透谷、その愛と苦悩──。主演はシンガーソングライターのみなみらんぼう。それまでにない透谷像を造型し話題を呼んだ。

『とべない沈黙』写真

写真提供:東宝ステラ 日映アーカイブ

3月16日(日) 〜22日(土)

とべない沈黙

1966年(S41)/日本映画新社/白黒/100分

■監督・脚本:黒木和雄/脚本:松川八洲雄、岩佐寿弥/撮影:鈴木達夫/美術:山下宏音楽:松村禎三
■出演:加賀まりこ、平中実、小沢昭一、戸浦六宏、長門裕之、蜷川幸雄、小松方正、渡辺文雄、田中邦衛、東野英治郎

北海道に生息するはずのないナガサキアゲハを捕まえた少年。しかし大人たちはその事実を否定する──。蝶の幼虫が多くの偶然に繰られて日本列島を縦断、少年のもとに辿りつくまでをみずみずしい映像で綴った意欲作。加賀まりこが六役。

『心中天網島』写真

©1969 表現社/ATG

3月19日(水) 〜25日(火)

心中天網島

1969年(S44)/表現社、ATG/白黒/103分

■監督・脚本:篠田正浩/原作:近松門左衛門/脚本:富岡多恵子、武満徹/撮影:成島東一郎/美術:粟津潔/音楽:武満徹
■出演:岩下志麻、中村吉右衛門、小松方正、滝田裕介、藤原釜足、加藤嘉、浜村純

紙屋治兵衛は、女房子供のある身で、遊女小春と深く馴染み、情死行に至る──。近松の名作世話浄瑠璃を、実験的かつ野心的な試みで映画化した篠田正浩の代表作。二役をこなして女のさまざまな面を表現した岩下志麻の演技も圧巻。