『地の群れ』写真

©1970 綜映社

4月2日(水) 〜5日(土)、9日(水) 〜12日(土)

地の群れ

1970年(S45)/えるふプロダクション、ATG/白黒/127分

■監督・脚本:熊井啓/原作・脚本:井上光晴/撮影:墨谷尚之/美術:深民浩/音楽:松村禎三
■出演:鈴木瑞穂、紀比呂子、寺田誠、松本典子、原泉、奈良岡朋子、佐野浅夫、北林谷栄、水原英子、宇野重吉

佐世保の基地周辺。少女暴行事件を機に、被爆者部落と未解放部落が激しく対立、強烈な混乱と崩壊を巻き起こす──。被曝、部落問題、在日朝鮮人など様々な差別を描いた井上光晴原作を、社会派・熊井啓がフリー第一作として映画化。

『煉獄エロイカ』写真

©現代映画社

4月2日(水) 〜8日(火)

煉獄エロイカ

1970年(S45)/現代映画社、ATG/白黒/118分

■監督・脚本:吉田喜重/脚本:山田正弘/撮影:長谷川元吉/美術:山口修/音楽:一柳慧
■出演:岡田茉莉子、鵜田貝造、岩崎加根子、武内亨、木村菜穂、牧田吉明、筒井和美、遠藤剛

原子力機構の男性職員を中心に、政治の季節だった五〇年代、現在である七〇年、近未来の八〇年代──を行き交う男女。性・政治・革命というモチーフをめぐって三つの時代が重なり錯綜する。『エロス+虐殺』に次ぐ吉田喜重の実験的試み。

『薔薇の葬列』写真

配給:ダゲレオ出版

4月2日(水) 〜8日(火)

薔薇の葬列

1969年(S44)/松本プロダクション、ATG/白黒/107分

■監督・脚本:松本俊夫/撮影:鈴木達夫/美術:朝倉摂/音楽:湯浅譲二
■出演:ピーター、土屋嘉男、小笠原修、東恵美子、城よしみ、仲村紘一、太田サー子、フラメンコ梅路、卍太郎、内山豊三郎、芝山幹郎、小松方正

記録映画や実験映画、また鋭い批評・理論活動で知られていた松本俊夫の長篇劇映画第一作。ご存じギリシャ悲劇の『オイディプス』を裏返しにして、倒錯した近親相姦の世界をアヴァンギャルドに描いていく。妖艶・ピーター衝撃のデビュー!

『無常』写真

 

4月6日(日) 〜8日(火)

無常

1970年(S45)/実相寺プロダクション、ATG/白黒/143分

■監督:実相寺昭雄/脚本:石堂淑朗/撮影:稲垣涌三、中堀正夫/美術:池谷仙克/音楽:冬木透
■出演:田村亮、司美智子、佐々木功、田中三津子、花ノ本寿、岡村春彦、寺田農、岡田英次、山村弘三、河東けい

琵琶湖近くの旧家。稼業を嫌い、仏像研究に没頭する長男。縁談を断り続ける美しい姉──。近親相姦を素材に、日本人の仏教感覚を追求。「無常」とは何かといった大テーマを、濃密なエロチシズムとディスカッションで描いている。

○川崎市市民ミュージアム所蔵作品

『鉄輪(かなわ)』写真

©近代映画協会

4月6日(日) 〜12日(土)

鉄輪(かなわ)

1972年(S47)/近代映画協会/カラー/91分

■監督・脚本:新藤兼人/撮影:黒田清己/美術:春木章/音楽:林光
■出演:乙羽信子、観世栄夫、フラワー・メグ、殿山泰司、戸浦六宏、川口敦子、小川吉信、蓼くにえ、中村門、原田大二郎

貴船神社の丑三つ時。嫉妬に狂う中年女が呪いの五寸釘を藁人形に打ちこむ──。捨てられた女の凄まじい怨みの物語、能狂言『鉄輪』を題材に平安時代と現代を交錯させる異色のストーリーが展開。新藤兼人の初カラー作品となった衝撃作。

『正午(まひる)なり』写真

©1978 プロダクション21/ATG

4月9日(水) 〜15日(火)

正午(まひる)なり

1978年(S53)/プロダクション12、人間プロダクション、ATG/カラー/103分

■監督:後藤幸一/原作:丸山健二/脚本:福地泡介/撮影:西浦清/作曲:レイ・ディビス
■出演:金田賢一、南田洋子、田村幸司、結城しのぶ、津山登志子、手塚さとみ、原田芳雄、長門裕之、垂水悟郎、萩本欽一

芥川賞作家・丸山健二の同名小説を映画化、黒木和雄の助監督をつとめてきた後藤幸一の第一回監督作品。都会での生活につまづいて帰郷した主人公青年は、行き場のない鬱屈した性欲を持て余し、ついには悲劇的な終末を迎える──。

『竜馬暗殺』写真

©1974 映画同人社/東宝

4月9日(水) 〜15日(火)

竜馬暗殺

1974年(S49)/映画同人社、ATG/白黒/118分

■監督:黒木和雄/脚本:清水邦夫、田辺泰志/撮影:田村正毅/美術:山下宏/音楽:松村禎三
■出演:原田芳雄、石橋蓮司、中川梨絵、松田優作、桃井かおり、田村亮、山谷初男、川村真樹、外波山文明、粟津號

幕末の志士・坂本竜馬が暗殺されるまでの最後の三日間。セクト同士の争いや内ゲバなど、七〇年代という時代の世相が反映された異色の時代劇。主演の原田芳雄は豪快かつナイーブなアウトロー像をみごとに造型、従来の竜馬像をくつがえす。