1月13日(土)〜19日(金)

續 大番 風雲篇

1957年(S32)/東宝/白黒/121分

『續 大番 風雲篇』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作:獅子文六/脚本:笠原良三/撮影:西垣六郎/美術:中古智/音楽:佐藤勝
■出演:加東大介、淡島千景、原節子、青山京子、中田康子、仲代達矢、河津清三郎、平田昭彦

シリーズ第二作。前作で大儲けした“ギューちゃん”は、株の大暴落でスッテンテンに。故郷の宇和島に帰ったが、捲土重来を期して再び上京。盟友“新どん”と店を開き、大成功するが、折から日中戦争が勃発。激動の金融業界を生き抜く“ギューちゃん”の波乱万丈は続く。

1月16日(火)〜22日(月)

銀座の恋人たち

1961年(S36)/東宝/カラー/100分

『銀座の恋人たち』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:井手俊郎/撮影:内海正治/美術:河東安英/音楽:斎藤一郎
■出演:団令子、原知佐子、宝田明、水原弘、草笛光子、三橋達也、加山雄三、小泉博、北あけみ、浜美枝

井手俊郎のオリジナルの映画化。銀座を舞台にして、隣り合う二つの店の家族とその周辺という、狭い人間関係が複雑にもつれ合い、色恋沙汰を繰り広げる物語をオールスタア・キャストでさわやかに描く。人物の交通整理に迷いがない千葉演出の凄さを堪能せよ。

1月16日(火)〜22日(月)

香港の星 STAR of HONG KONG

1962年(S37)/東宝、キャセイ・オーガニゼーション/カラー/109分

『香港の星 STAR of HONG KONG』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:笠原良三/撮影:西垣六郎/美術:阿久根巌、費伯夷/音楽:松井八郎
■出演:宝田明、尤敏、団令子、草笛光子、王引、林冲、小泉博、藤木悠、田崎潤、加東大介、山村聰、久慈あさみ

“香港三部作”の第二作。前作とストーリー上につながりはなく、独立したメロドラマ。商社マンの日本人男性と中国人医学生のすれ違いのラブロマンスを、香港・日本・シンガポール・マレーシアをまたいで描く。脚本家は前作の井手俊郎から笠原良三に交代。

1月20日(土)〜22日(月)

幸福への招待

1947年(S22)/新東宝映画/白黒/91分 ◯国立映画アーカイブ所蔵作品

『幸福への招待』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作・脚本:八木隆一郎/撮影:河崎喜久三/美術:下河原友雄/音楽:伊福部昭
■出演:大河内傳次郎、入江たか子、河津清三郎、高峰秀子、花井蘭子、野上千鶴子、中村彰

生徒の遭難事故の責任をとって職を辞した女学校の元校長とその妻が、終戦後、同窓会に出席する。しかし会に来られなかった教え子たちは苛酷な境遇にあることを知り……。本当の幸福の意味を問うヒューマン・ドラマ。キネマ旬報ベスト・テン第十位。

1月20日(土)〜26日(金)

続々 大番 怒涛篇

1957年(S32)/東宝/白黒/108分 

『続々 大番 怒涛篇』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作:獅子文六/脚本:笠原良三/撮影:西垣六郎/美術:中古智/音楽:佐藤勝
■出演:加東大介、淡島千景、原節子、青山京子、仲代達矢、平田昭彦、太刀川洋一、三木のり平

シリーズ第三作。日中戦争の激化によって相場は低迷。借金まで背負った“ギューちゃん”は失意のあまり故郷に戻るが、統制品の値上がりを目にして闇商売で儲けると、今度は大阪で株取引を再開する。新たに山茶花究等のキャストを加え、ますます快調の大阪上陸篇。

1月23日(火)〜26日(金)、30日(火)〜2月2日(金)

沈丁花

1966年(S41)/東宝/カラー/106分

『沈丁花』写真

©TOHO CO.,LTD.

■原作・脚本:松山善三/脚本:千葉泰樹/撮影:中井朝一/美術:阿久根巌/音楽:黛敏郎
■出演:京マチ子、司葉子、団令子、星由里子、宝田明、仲代達矢、小林桂樹、夏木陽介

松山善三の原作をもとに、歯医者の家に生まれた四姉妹の結婚をめぐる騒動をオールスタア・キャストで描いた、多幸感溢れるホームドラマ。四姉妹が並んで歩く冒頭から心を鷲掴みにされる憎い作劇。センス抜群のセリフの掛け合い。高峰秀子監修の衣装も眼福なり。

1月23日(火)〜29日(月)

二人の息子

1961年(S36)/東宝/カラー/93分

『二人の息子』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:松山善三/撮影:玉井正夫/美術:阿久根巌/音楽:伊福部昭
■出演:宝田明、加山雄三、白川由美、望月優子、藤原釜足、藤山陽子、原知佐子、浜美枝、小泉博、志村喬

一流企業に勤めて妻子を養う兄と、タクシー運転手で気ままに生きる弟は、仲のよい兄弟だったが、父親の突然の失職を機に対立する。高度経済成長の陰で、押しつぶされそうになる家族の絆を凝視したビターなホームドラマの傑作。脚本は松山善三のオリジナル。

1月23日(火)〜29日(月)

水戸黄門漫遊記

1969年(S44)/東宝/カラー/95分

『水戸黄門漫遊記』写真

©TOHO CO.,LTD.

■脚本:笠原良三/撮影:長谷川清/美術:中古智/音楽:佐藤勝
■出演:森繁久彌、宝田明、高島忠夫、池内淳子、三木のり平、萩本欽一、坂上二郎、中村勘九郎、草笛光子、平田昭彦

幾度となく映画化されておなじみの水戸黄門の諸国行脚を森繁久彌はじめ喜劇人総出演で描く。撮影中、千葉は心臓発作を起こし、健康不安を抱えることになったため、本作が最後の映画作品となった。以後の千葉は東宝製作のテレビに活動の軸足を置くことになる。

text by 木全公彦(映画評論家)

/ / / ザムザ阿佐谷