10月17日(日)〜23日(土)、12月24日(金)〜30日(木)

矢臼別物語 北の大地からのメッセージ

2021年(R3)/独立プロ名画保存会/カラー/88分 ※Blu-ray

■監督:山本洋子/撮影:野間健/編集:小林由加子/整音:深田晃 ■ナレーション:余貴美子

『矢臼別物語』写真1

『矢臼別物語』写真2

©2020 独立プロ名画保存会

ここで繰り広げられている運動はどれも、優しく、たおやかで、楽しい。
人々は、誰とでも心を開いて語りあい、誰をも受け入れる。
そして、次の世代の若者たちがこのバトンをしっかり受け継いでいる。
その根底に流れるものは──

矢臼別は北海道、知床・阿寒連峰から根室・釧路まで広がる根釧原野の一角にある酪農地帯。この原野のほぼ中央、別海、厚岸、浜中の三町にまたがって、総面積1万7千ヘクタールにわたる日本一大きい陸上自衛隊矢臼別演習場がある。
1962年、政府によってこの地に演習場を設置することが決定されたあとも、立退きを断固拒否、先住開拓民としてど真ん中に根をおろし、存在することで反戦・平和を訴え続けた地主たちがいた。
55年以上続いている夏の「平和盆踊り」、暮れの「平和もちつき望年会」、自衛隊の監視活動、1995年から始まった米海兵隊移転訓練の監視活動等──。
演習場の中の民有地はいつしか平和運動の“聖地”に。
独立プロ名画保存会の代表もつとめる山本洋子監督が、矢臼別に集い、つながりあう人々に密着したドキュメンタリー。

未来への風

監督 山本洋子

矢臼別の平和運動には、さまざまな風が吹いている。
ある時は、米海兵隊、自衛隊の訓練への
たゆみない監視から生まれる厳しい抗議の風。
ここには、厳しい風、さわやかな風、やさしい風がふいている。
どの風も、創意あふれる活動の中から生まれてくる。
2014年の『第50回平和盆おどり』から撮影を始めて足かけ6年。
どんな場にも、歌があり、踊りがあり、さまざまな文化が交錯し、
人と人がつながっているようすは万華鏡のようだった。
みんなが心にとめているのは豊かな未来への歩みと、
次世代への率直な語りかけとおおらかさ。
私たちはこの風をしっかりと受け止めたい。
未来へつなげていくものは何か?次の世代へ渡すバトンはなにか?
矢臼別に集う人々の姿からは、様々な生き方が紡ぎだされ、
私たちの生き方のヒントにあふれている。

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