10月24日(日)〜30日(土)

赤線基地

1953年(S28)/東宝/白黒/90分

『赤線基地』写真

©TOHO CO., LTD.

■監督・脚本:谷口千吉/脚本:木村武/撮影:飯村正/美術:北辰雄/音楽:團伊玖磨
■出演:三國連太郎、根岸明美、小林桂樹、中北千枝子、青山京子、川合玉江、金子信雄、ボッブ・ブース

中国から十年ぶりに帰還した男がみたものは、米軍基地のために変貌した故郷の姿だった。轟く砲声、兵隊相手の歓楽街、そこで生活の資を得る者たち──。基地問題という難しいテーマに挑んだ意欲作。反米的との非難を受けて一時は上映見送りとなった。

10月31日(日)〜11月6日(土)

基地の子たち

1953年(S28)/東京キノ・プロダクション/白黒/29分 ※16mm

『基地の子たち』写真

©写真提供:日本ドキュメントフィルム

■撮影:井上莞、牛山邦一、山形周、瀬川浩、坂爪栄雄/照明:田中光五郎、鈴木貞雄/編集:亀井文夫、田中徹、富沢隆雄、神保春枝、山崎聖教/録音:片山幹男/音楽:原太郎

軍事基地はますますふえて日本の「児童」を包圍していく。今やその数は七百六十九個所、総面積は四國全島に等しい。(昭和二十八年八月現在)──千歳、横須賀と立川、石川県内灘等に取材、米軍基地が土地の人々に与える影響を子どもの視点から描く。

10月31日(日)〜11月6日(土)

流血の記録 砂川

1957年(S32)/日本ドキュメントフィルム/白黒/55分 ※16mm

『流血の記録 砂川』写真

写真提供:日本ドキュメントフィルム

■撮影・編集:亀井文夫/撮影:武井大、植松永吉、城所敏夫、勅使河原宏、大野忠/編集:渡辺正巳、豊富靖、岸富美子/録音:奥山重之助、大橋鉄矢、大野松雄/音楽:長沢勝俊

立川基地拡張計画をめぐり、東京都北多摩郡砂川町の人々が行った反対闘争の記録。「土地にクイは打たれても、心にクイは打たれない」を合言葉として、住民が応援の労組や学生たちと一体になって警官隊と対決、勝利を勝ちとるまで。

11月7日(日)〜13日(土)

黒い河

1957年(S32)/松竹大船/白黒/110分

『黒い河』写真

©1957 松竹株式会社

■監督:小林正樹/原作:富島健夫/脚本:松山善三/撮影:厚田雄春/美術:平高主計/音楽:木下忠司
■出演:有馬稲子、渡辺文雄、仲代達矢、淡路恵子、桂木洋子、山田五十鈴、宮口精二

米軍基地近くの貧乏長屋。その立退き問題をめぐって繰り広げられる人間模様を、一人の学生の目を通して辛辣に描きだす。その日暮らしの住人たち、愚連隊一味の横暴、可憐なウェイトレスに降りかかる悲劇──。富島健夫原作の、異色の社会派群像劇。

11月14日(日)〜25日(木)

NEW

弾丸大将

1960年(S35)/東映東京/白黒/100分

『弾丸大将』写真

©東映

■監督:家城巳代治/原作:赤江行夫/脚本:橋本忍/撮影:飯村雅彦/美術:森幹男/音楽:池野成
■出演:南廣、淡島千景、木村功、春丘典子、花澤徳衛、加藤嘉、東野英治郎、清村耕次、三井弘次

耕地を取りあげられ、米軍演習地の不発弾や薬莢拾いで生計を立てる人々。その名手「不発の善ちゃん」のユーモアとペーソス溢れる弾拾い人生を描きながら、現代日本に痛烈なメスを入れる。赤江行夫『不発弾』を橋本忍が脚色、名匠家城巳代治が監督にあたる。

11月26日(金)〜12月2日(木)

白昼の無頼漢

1961年(S36)/ニュー東映東京/白黒/82分

『白昼の無頼漢』写真

©東映

■監督:深作欣二/脚本:佐治乾/撮影:星島一郎/美術:近藤照男/音楽:河辺公一
■出演:丹波哲郎、曽根晴美、久保菜穂子、中原ひとみ、八代万智子、アイザック・サクソン、春日俊二、柳永二郎

肌の色は違っても欲でガッチリ結ばれた悪党どもが、米軍基地に運びこまれる五十万ドルを狙って現金輸送車襲撃を計画。だが、その凄まじい金銭欲と人種的偏見が、仲間同士の争いを生みだしていく──。深作欣二監督の初の長篇であり、初期の傑作。

12月3日(金)〜9日(木)

黒い雪

1965年(S40)/第三プロダクション/白黒/89分

『黒い雪』写真

©川口秀子/彩プロ

■監督・脚本:武智鉄二/撮影:倉田武雄/美術:大森実/音楽:湯浅譲二、八木正生
■出演:花ノ本寿、紅千登世、美川陽一郎、村田知栄子、松井康子、内田高子、水町圭子、花川蝶十郎

娼館の一人息子が民族的な怒りに任せて黒人兵を殺害、叔母のキャバレーを襲って金を奪う凶行に走る──。米軍基地の恩恵と不条理に翻弄される日本人を武智鉄二ならではのエロティシズムにのせて活写。公開と同時に「わいせつ図画公然陳列罪」に問われた。

12月10日(金)〜16日(木)

日本列島

1965年(S40)/日活/白黒/115分

『日本列島』写真

©日活

■監督・脚本:熊井啓/原作:吉原公一郎/撮影:姫田真佐久/美術:千葉和彦/音楽:伊福部昭
■出演:宇野重吉、芦川いづみ、二谷英明、鈴木瑞穂、武藤章生、大滝秀治、加藤嘉、北林谷栄

米陸軍曹長水死事件の調査を依頼された通訳主任は、警部補、新聞記者の協力を得て、消された真実を追う──。下山、三鷹、松川、スチュワーデス殺人事件など敗戦後相次いで起きた怪事件をCIAの謀略として追求する。日本映画監督協会新人賞を受賞。

12月17日(金)〜23日(木)

地の群れ

1970年(S45)/えるふプロダクション、ATG/白黒/127分

『地の群れ』写真

©1970 綜映社

■監督・脚本:熊井啓/原作・脚本:井上光晴/撮影:墨谷尚之/美術:深民浩/音楽:松村禎三
■出演:鈴木瑞穂、松本典子、紀比呂子、寺田誠、原泉、奈良岡朋子、佐野浅夫、北林谷栄、宇野重吉

原子力艦寄港阻止闘争の高揚する佐世保。ある少女暴行事件をきっかけに、被爆者部落と未解放部落が対立、強烈な混乱と崩壊を巻きおこす──。原爆、同和問題、在日朝鮮人、基地……繁栄日本の裏側で燻りつづける社会問題を鋭く告発する、野心作。

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