4月16日(日) 〜18日(火)

新編 丹下左膳 隻眼の巻

1939年(S14)/東宝映画東京/白黒/62分

■脚本:貴船八郎/原作:川口松太郎/撮影:安本淳/美術:島康平/音楽:伊藤昇 ■出演:大河内傳次郎、山田五十鈴、黒川彌太郎、高峰秀子、岸井明

東宝版“丹下左膳”シリーズ第三作。主君の裏切りで右腕を失った左市。さらに本作で右眼を斬られ、隻眼隻手の丹下左膳が誕生。非情な世界に、町娘・高峰秀子との温かな交感が救いとなる。
○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品


『石中先生行状記 青春無銭旅行』写真

(c)国際放映

4月16日(日) 〜22日(土)

石中先生行状記 青春無銭旅行

1954年(S29)/新東宝/白黒/88分 ※16mm

■脚本:館岡謙之助/原作:石坂洋次郎/撮影:岡戸嘉外/美術:朝生治男/音楽:斎藤一郎 ■出演:宮田重雄、和田孝、小高まさる、東野英治郎、井上大助、筑紫あけみ、左幸子

東北の小都市でのんびりと暮らしていた石中先生が、中学五年の夏休みに友人とした無銭旅行の話を始めたー。旅の中で出会ったおかしな大人たち。こんな大人には決してなるまいと思ったという、まさに中川信夫流、天衣無縫な青春喜劇。


『エノケンの頑張り戦術』写真

(c)東宝

4月16日(日) 〜22日(土)

エノケンの頑張り戦術

1939年(S14)/東宝映画東京/白黒/74分

■脚本:小国英雄/撮影:伊藤武夫/美術:吉松英海/音楽:栗原重一 ■出演:榎本健一、如月寛多、宏川光子、小高たかし、渋谷正代、柳田貞一

戦前、中川信夫が手掛けたエノケン物の喜劇の一作。防弾チョッキの会社に勤める稲田と三田は、家も隣りなら、家のつくりも同じ。毎朝同時に家を出て、先を競って出勤する。意地をはりどおしの犬猿の仲。はたして二人は…。喜劇演出の面目躍如。


『地獄』写真

(c)国際放映

4月19日(水) 〜 25日(火)

地獄

1960年(S35)/新東宝/カラー/101分

■脚本:中川信夫、宮川一郎/撮影:森田守/美術:黒沢治安/音楽:渡辺宙明 ■出演:天知茂、沼田曜一、宮田文子、三ツ矢歌子、林寛、徳大寺君枝、山下明子、大友純

当時の新東宝社長・大蔵貢に“地獄極楽”をつくるといって、“地獄”だけでつくった作品。天国はラストにちょっぴりと、中川信夫流の救いで…。人間の業を思い知れとばかりに、低予算であっても、さまざまな実験が込められた大作。


4月23日(日) 〜25日(火)

日本残酷物語

1963年(S38)/新東宝興業/カラー/100分

■共同監督:小森白、高橋典/構成:石川甫、大山勝美、高橋典/撮影:瀬川浩、日田勇、吉田重業/音楽:小沢秀夫、山本丈晴

小森白、高橋典と共同監督した初のドキュメンタリー。アイヌの熊祭。猫から三味線まで。交通地獄。美容整形手術。麻薬の恐怖。ゲイ・バーの生態など…。当時の日本の残酷世界をみせてくれる。
○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品


『番場の忠太郎』写真

(c)国際放映

4月23日(日) 〜29日(土)

番場の忠太郎

1955年(S30)/新東宝/白黒/86分

■脚本:三村伸太郎/原作:長谷川伸/撮影:岡戸嘉外/美術:伊藤寿一/音楽:清瀬保二 ■出演:若山富三郎、山田五十鈴、森繁久彌、桂木洋子、三井弘次

五歳の時に別れた母を探しつつ旅をつづける忠太郎…。母との再会の場面は、忠太郎の抑えた心と母の揺れうごく気持ち、という芝居のアンサンブルが素晴らしく、泣かせる。中川信夫の人への温もりが伝わってくる一篇。