武満徹の映画音楽

『白と黒』写真

(c)東宝

8月19日(水) 〜25日(火)

白と黒

1963年(S38)/東宝/白黒/113分

■監督:堀川弘通/脚本:橋本忍/撮影:村井博/美術:水谷浩
■出演:小林桂樹、仲代達矢、乙羽信子、大空真弓、淡島千景、西村晃

有名弁護士の妻が殺され、まもなく自白によって犯人は逮捕された。ところが数日後、捜査は振りだしに戻される――。橋本忍のオリジナル脚本による緻密で重厚な社会派サスペンス。緊張感を与える武満音楽も秀逸。

『彼女と彼』写真

(c)岩波映像

8月23日(日) 〜29日(土)

彼女と彼

1963年(S38)/岩波映画製作所/白黒/107分 ※16mm

■監督・脚本:羽仁進/脚本:清水邦夫/撮影:長野重一/美術:今保太郎
■出演:左幸子、岡田英次、山下菊二、長谷川明男、五十嵐まり子、木村俊恵

東京郊外の団地に住む平凡な主婦が、バタヤ部落の人々と触れあううちに、真の幸福とは何かを自問する――。日常の中のかすかな心理的波乱をとらえた野心作。主題歌《見えないこども》も心にしみる名ソング。

8月23日(日) 〜29日(土)

東京戦争戦後秘話

1970年(S45)/創造社、ATG/白黒/94分

■監督:大島渚/脚本:原正孝、佐々木守/撮影:成島東一郎/美術:戸田重昌
■出演:後藤和夫、福岡杉夫、福田健一、岩崎恵美子、大島ともよ

自分から借りていったカメラで、フィルムという遺書を残して自殺した「あいつ」――。ある幻想にとりつかれた青年の複雑な内面を、武満はやさしさと哀しさにみちた静謐なスコアで表現。大島渚とのコンビはこれが第一作。

8月26日(水) 〜9月1日(火)

二十一歳の父

1964年(S39)/松竹大船/カラー/96分

■監督・脚本:中村登/原作:曾野綾子/撮影:成島東一郎/美術:佐藤公信
■出演:山本圭、倍賞千恵子、勝呂誉、鰐淵晴子、小畑絹子、高橋幸治、小沢昭一、山形勲、東野英治郎、宮口精二

周囲の反対を押しきって盲目の女性と結婚、一児の父となった大学生――。武満はシューマンのピアノ曲《はじめての悲しみ》を巧みに編曲。過酷な青春をいたわりながら、深い悲しみをひろげていく。

『水俣の図・物語』写真

 

8月26日(水) 〜9月1日(火)

水俣の図・物語

1981年(S56)/青林舎/カラー/111分

■監督:土本典昭/撮影:瀬川順一、一之瀬正史
■出演:丸木位里、丸木俊、石牟礼道子
■ナレーション:伊藤惣一

幅十五メートルの巨大な絵画「水俣の図」。画家、丸木夫妻の創作を追いながら、土本典昭が水俣病の闇を切りひらく――。絵画と映像、石牟礼道子の詩と武満の音楽でつづる、もうひとつの水俣。

8月30日(日) 〜9月5日(土)

燃えつきた地図

1968年(S43)/勝プロダクション/カラー/115分

■監督:勅使河原宏/原作・脚本:安部公房/撮影:上原明/美術:間野重雄
■出演:勝新太郎、市原悦子、渥美清、中村玉緒、信欣三、吉田日出子、大川修

『おとし穴』『砂の女』『他人の顔』に続く安部公房、勅使河原宏のコンビ作。蒸発した男を追ううちに、やがて自身をも見失っていく興信所員。古典風とロック調に編曲されたヴィヴァルディの《ヴァイオリン協奏曲》が効果的。

『素晴らしい悪女』写真

(c)東宝

8月30日(日) 〜9月5日(土)

素晴らしい悪女

1963年(S38)/東宝/白黒/89分

■監督:恩地日出夫/脚本:白坂依志夫/原作:石原慎太郎/撮影:内海正治/美術:阿久根巌
■出演:団令子、久保明、タロー関本、田村奈己、鹿内タカシ、内田裕也、宮口精二、藤原釜足、小池朝雄

複数の金持ちパトロンを適当にあしらい、たくましく、自由に生きる魅惑の女・ミカと、彼女に憧れ、翻弄される堅物大学生――。哀調を帯びたラテン風の主題歌が映画の世界観をおおいに盛りあげる。

9月2日(水) 〜5日(土)

乾いた花

1964年(S39)/松竹大船/白黒/96分

■監督・脚本:篠田正浩/脚本:馬場当/原作:石原慎太郎/撮影:小杉正雄/美術:戸田重昌
■出演:池部良、加賀まりこ、藤木孝、三上真一郎、宮口精二、東野英治郎、山茶花究、杉浦直樹、原知佐子

三年ぶりに出所した男が賭場で出会った不思議な少女――。池部扮するヤクザを主役に底知れぬ虚無感を描いた鮮烈作。画面に立ちこめる濃密な夜の匂い、そこへ澄んだ緊張感を与える武満音楽が素晴らしい。