『孫悟空』写真

(c)東宝

1月30日(日) 〜2月5日(土)

孫悟空

1959年(S34)/東宝/カラー/98分

■監督・脚本:山本嘉次郎/特技監督:円谷英二/脚本:村田武雄/撮影:小泉一
■出演:三木のり平、八千草薫、中田康子、団令子、千葉信男、中村是好、市川福太郎

戦前、山本=円谷コンビがエノケン主演で撮った『西遊記』の再映画化。孫悟空は三木のり平で由利徹ほか当時人気の喜劇人が総出演。冒頭で江戸時代の子供たちの前に夢声が登場し、紙芝居で唐代の「西遊記」の世界を語る趣向が洒落ている。

『世界は恐怖する ─死の灰の正体─』写真

2月2日(水) 〜5日(土)

世界は恐怖する ─死の灰の正体─

1957年(S32)/日本ドキュメント・フィルム社、三映社/白黒/80分 ※16mm

■監督:亀井文夫/撮影:菊地周、藤井良孝/照明:久米光男/音楽:長沢勝俊/録音:大橋鉄矢、奥山重之助

原水爆の実験が生む死の灰の恐るべき実態を伝えるために独自の科学的なアプローチで検証した亀井文夫の異色ドキュメンタリー。親友丸山定夫を広島の原爆で失い、原爆小説の傑作『連鎖反応』を書いた夢声は自ら説明役を買って出た。

『敵は幾万ありとても』写真

(c)東宝

2月2日(水) 〜8日(火)

敵は幾万ありとても

1944年(S19)/東宝/白黒/72分

■監督:斎藤寅次郎/脚本:山形雄策、伏見晁/撮影:木塚誠一/音楽:伊藤昇
■出演:古川緑波、花井蘭子、月田一郎、山根寿子

敗戦色が濃厚な時期に撮られた戦意高揚映画。古川ロッパが愛国心に燃え、少国民の軍国教育に余念がない国民学校の校長をシリアスに演じている。銃後を守る可憐な娘に扮した花井蘭子が印象的だ。夢声は軍需会社の専務で出演している。

2月2日(水) 〜8日(火)

「可否道」より なんじゃもんじゃ

1963年(S38)/松竹大船/白黒/109分

■監督:井上和男/原作:獅子文六/脚本:白坂依志夫/撮影:堂脇博/音楽:山本直純
■出演:森光子、加賀まりこ、川津祐介、長門裕之、加東大介、三上真一郎、津川雅彦

獅子文六の人気新聞小説の映画化で、年増のT」タレントと奔放な現代娘が一人の若い男をめぐって恋の鞘当を演じるモダン喜劇。夢声はコーヒーマニア加東大介に質問する、当時人気があったT」番組「春夏秋冬」のパネラー役で登場している。

『彦六大いに笑ふ』写真

(c)東宝

2月6日(日) 〜12日(土)

彦六大いに笑ふ

1936年(S11)/P.C.L./白黒/71分

■監督:木村荘十二/原作・脚本:三好十郎/撮影:立花幹也/美術:久保一雄/音楽:清田茂
■出演:丸山定夫、堤眞佐子、河村弘二、英百合子、小杉義男、清川虹子

かつては明治の自由民権運動で名を馳せた壮士で、今やビリヤード屋の頑固主人となった彦六(夢声)と家出した極道息子(丸山定夫)との葛藤と和解をユーモラスに描く。夢声は「私の主演映画で讃辞を頂戴した最初の作品である」と書いている。

『西遊記』写真

(c)角川映画

2月6日(日) 〜12日(土)

西遊記

1952年(S27)/大映京都/白黒/84分

■監督:冬島泰三/脚本:八尋不二/撮影:牧田行正/美術:上里義三/音楽:高橋半
■出演:坂東好太郎、日高澄子、花菱アチャコ、伏見和子、杉狂児、春本富士夫

天竺に向う三蔵法師一行と妖怪変化との対決を描く娯楽大作。孫悟空に坂東好太郎、猪八戒に花菱アチャコ、沙悟浄に杉狂児が扮して笑いを誘う。人を吸い尽くす怪瓢箪など大映の特撮技術も見ものとなっている。夢声は金角大王を演じた。

『ノンちゃん雲に乘る』写真

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2月9日(水) 〜12日(土)

ノンちゃん雲に乘る

1955年(S30)/芸研プロダクション/白黒/84分 ※16mm

■監督・脚本:倉田文人/原作:石井桃子/脚本:村山節子/撮影:小原譲治
■出演:原節子、鰐淵晴子、藤田進、大泉滉、小沢路子、石井秀明、臼井正明、倉田マユミ

少女の夢想的な世界を綴った石井桃子のベストセラーの映画化。森の木に登ったノンちゃん(鰐淵晴子)は枝が折れて下の池に落ちてしまい、気がつくと雲の上に──。夢声はノンちゃんを援け、話し相手になる白ヒゲの雲上仙人を演じている。

Text by 高崎俊夫