喜劇の神様・斎藤寅次郎 作品解説2
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金語楼の子宝騒動

(c)国際放映
金語楼の子宝騒動
「あきれた娘たち」(1949年)短縮改題版
6.8[水]― 6.11[土]
1957年(S32)/新東宝/白黒/60分 ※16mm
■脚本:八住利雄/原作:阿木翁助/撮影:友成達雄音楽:上原げんと ■出演:柳家金語楼、月丘千秋、久我美子、美空ひばり、田中春雄、堀雄二

泉山金太郎とおみよとは、六男七女の子宝に恵まれている。「生めよ増やせよ」の戦時中には表彰状まで貰ったが、戦後の生活は四苦八苦。十三人の子供がテンヤワンヤのうちに母は病に。母の枕元で熱唱する十二歳の美空ひばりは、映画出演四作目だ。

石川五右ヱ門の法事 6.11[土]
1930年(S5)/松竹蒲田/白黒/無声/21分 ※9.5mmパテベビー版からの復元
■脚本:池田忠雄、伏見晁/原作:絹川秀治/撮影:武富善雄 ■出演:渡辺篤、横尾泥海男、青木富夫、坂本武、香取千代子、縣秀介

新潟県塩沢町で発見、フィルムセンターにより1999年に復元された貴重な作品。寅次郎が量産したというナンセンス喜劇の神髄を知ることができる。恋人の父に許されないばかりか殴り殺された青年・石川が、先祖の石川五右衛門の幽霊に嘆願する。
※本作品の最適映写速度は16fpsですが、当館映写機の仕様上、標準速度での上映となります。あらかじめご了承ください。
○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

恋すれど恋すれど物語

(c)東宝
恋すれど恋すれど物語 6.8[水]― 6.14[火]
1956年(S31)/宝塚映画/白黒/90分
■原作・脚本:菊田一夫/撮影:西垣六郎/音楽:古関裕而 ■出演:有島一郎、三木のり平、宮城まり子、古川緑波、トニー谷、益田喜頓

南蛮渡来の爆薬を江戸城へ送る任務を受けた唐津藩の袖下と沙羅利。町人・八兵衛と留吉を武士に仕立てて偽の爆薬入り壷を持たせ、自分達は本物の壷を持ち東上する。菊田一夫原作のヒット舞台の映画化。宮城まり子の一人三役、豪華出演陣に注目。

底抜け青春音頭

写真提供:マツダ映画社
底抜け青春音頭 6.12[日]― 6.14[火]
1952年(S27)/新東宝/白黒/78分 ※16mm
■脚本:八住利雄/撮影:友成達雄/美術:加藤雅俊 ■出演:田端義夫、堺駿二、木戸新太郎、川田晴久、伴淳三郎、柳家金語楼

下町の古レコード屋の二階で共同生活をするアルバイト学生三人組は、恩師で今はしがない商売をしている村尾先生をご馳走しようと貯金を始める。田端義夫らの学生服姿も晴れやかな明朗喜劇。その年最高殊勲選手の巨人軍、別所毅彦が特別出演。

勢揃い 大江戸六人衆 6.12[日]― 6.18[土]
1953年(S28)/松竹京都/白黒/97分
■脚本:八住利雄/原案:木村学司/撮影:服部幹夫音楽:加藤光男 ■出演:花菱アチャコ、伴淳三郎、宮城千賀子、北上彌太郎

お江戸は練堀小路に住む御数寄屋坊主の河内山宗俊は、天下の直参をいいことに、大名豪商などの悪事を種にゆすりたかりの常習犯。アチャコの河内山、伴淳の暗闇の丑松、宮城千賀子の三千歳に、北上彌太郎の直次郎、はてさてどうなりますことか。

底抜け忍術合戦 俺は消えるぜ 6.12[日]― 6.18[土]
1958年(S33)/宝塚映画/白黒/60分
■脚本:中田竜雄、淀橋太郎、蓮池義雄/原作:小野田勇/撮影:岡崎宏三 ■出演:三木のり平、八波むと志、環三千世、益田喜頓

豊臣、徳川入り乱れての忍術戦争。前作と同じメンバーで翌月に公開されたシリーズ続篇。戦後のアチャラカ黄金時代、脱線トリオで売り出し中の八波むと志も、「家庭の事情ざんす」のトニー谷も、メチャ元気良くオモシロイそのギャグ合戦は秀逸だ。

アジャパー天国

(c)国際放映
アジャパー天国 6.15[水]― 6.18[土]
1953年(S28)/新東宝/白黒/78分 ※16mm
■脚本:八住利雄/原作:サトウハチロー/撮影:友成達雄/音楽:服部正 ■出演:花菱アチャコ、伴淳三郎、古川縁波、南寿美子、柳家金語楼、清川虹子

悪役専門だった伴淳が、流行語「アジャパー」で主演に踊り出た作品。キャバレー「バン」のボーイをしながら、シラノ・ド・ベルジュラックもどきにラブレターの代筆をしているズンさん。人間模様と世相を描いて、同名主題歌とともに軽快だ。