6月19日(日)〜21日(火)

血煙高田の馬場

(戦後改題短縮版『決闘高田の馬場』での上映)
1937年(S12)/日活京都/白黒/51分

『血煙高田の馬場』写真

©日活

■監督:マキノ正博、稲垣浩/原作・脚本:牧陶三/撮影:三井六三郎、石本秀雄/音楽:高橋半
■出演:阪東妻三郎、市川百々之助、原駒子、伊庭駿三郎、志村喬、香川良介、大倉千代子、藤川三之祐

新発田藩を出奔し江戸に出た中山安兵衛(阪妻)は八丁堀の長屋で酒と喧嘩三昧。だが、叔父の危機を知り高田馬場へ。飛ぶが如くの韋駄天走りモンタージュ。ジャズのリズムを駆使した剣戟シーン。

6月19日(日)〜25日(土)

逆流/江戸怪賊伝 影法師

『逆流』写真

写真提供:マツダ映画社

『江戸怪賊伝 影法師』写真

写真提供:マツダ映画社

『逆流』
1924年(T13)/東亜キネマ等持院/白黒/無声/20分 ※16mm
■監督:二川文太郎/原作・脚本:寿々喜多呂九平/撮影:橋本佐一呂
■出演:阪東妻三郎、片岡紅三郎、嵐冠三郎、マキノ輝子、清水零子、中川芳江、瀬川路三郎、大谷万六、中村吉松

『江戸怪賊伝 影法師』
1925年(T14)/東亜マキノ等持院/白黒/無声/51分 ※16mm
■監督:二川文太郎/原作・脚本:寿々喜多呂九平/撮影:田中重次郎
■出演:阪東妻三郎、マキノ輝子、高木新平、中根龍太郎、中村吉松、月形龍之介、生野初子、大谷友四郎、中川芳江

若き日よりの盟友二川文太郎、寿々喜多呂九平と組む阪妻初期傑作の現存二作品。恋心を裏切られ、姉を凌辱された侍の流浪と壮絶な復讐劇『逆流』。義賊影法師に偽影法師、岡っ引、高利貸、女賊、初恋の女、アメリカ活劇を想わせる『影法師』。

6月19日(日)〜25日(土)

兵隊やくざ

1965年(S40)/大映東京/白黒/102分

『兵隊やくざ』写真

©KADOKAWA 1965

■監督:増村保造/原作:有馬頼義/脚本:菊島隆三/撮影:小林節雄/美術:下河原友雄/音楽:山本直純
■出演:勝新太郎、田村高廣、淡路恵子、滝瑛子、成田三樹夫、内田朝雄、山茶花究

昭和十八年、ソ満国境の関東軍。元ヤクザの用心棒大宮貴三郎(勝新太郎)とインテリ有田上等兵(高廣)は、軍隊内の階級と横暴に反逆し大暴れ。大日本帝国の非人間性を暴き出す。勝と田村の初顔合わせは大ヒットしシリーズ化された。

6月22日(水)〜28日(火)

牢獄の花嫁[総集篇]

1939年(S14)/日活京都/白黒/98分 ※16mm

『牢獄の花嫁[総集篇]』写真

©日活

■監督:荒井良平/原作:吉川英治/脚本:稲垣浩/撮影:宮川一夫/音楽:白木義信
■出演:阪東妻三郎、市川春代、尾上菊太郎、原健作、香川良介、志村喬、根岸東一郎、河部五郎、団徳麿

左手の中指を切りとられた美女の死体を運ぶ男。指を切られた女の連続殺人の謎。若医者の冤罪。暴かれる黒い爪の秘密。怪異と戦慄で描いた吉川英治原作の猟奇推理時代劇。正か邪か、阪妻一人二役の大熱演!戦後CCD検閲による総集篇。

6月22日(水)〜28日(火)

お夏捕物帖 月夜に消えた女

1959年(S34)/松竹京都/カラー/84分

『お夏捕物帖 月夜に消えた女』写真

©1959 松竹株式会社

■監督:萩原遼/脚本:安田重夫/撮影:石本秀雄/美術:川村鬼世志/音楽:山田栄一
■出演:瑳峨三智子、田村高廣、花菱アチャコ、河津清三郎、山田五十鈴、川口京子、伊吹友木子、須賀不二夫

捕物小町と呼ばれる岡っ引亀五郎(アチャコ)の一人娘お夏(瑳峨三智子)。助っ人で幼なじみの恋人政次郎(高廣)。娘さらいの一味に追われる美女を救ったことから怪事件に巻き込まれる。二世コンビで売り出す瑳峨と田村の活劇捕物帖。

6月26日(日)〜7月2日(土)

大江戸五人男

1951年(S26)/松竹京都/白黒/132分

『大江戸五人男』写真

©1951 松竹株式会社

■監督:伊藤大輔/脚本:八尋不二、柳川真一、依田義賢/撮影:石本秀雄/美術:角井平吉/音楽:深井史郎
■出演:阪東妻三郎、市川右太衛門、山田五十鈴、高峰三枝子、月形龍之介、高橋貞二、高田浩吉

二大剣戟スタアを主演に伊藤大輔が監督した松竹映画三十周年記念作。水野十郎左衛門(市川右太衛門)の白柄組が芝居の邪魔をすると、町奴幡随院長兵衛(阪妻)が取りなし収まるが、対立は深まる。贅を尽くした豪華セットも話題に。

6月26日(日)〜7月2日(土)

鍔鳴浪人

1939年(S14)/日活京都/白黒/52分

『鍔鳴浪人』写真

©日活

■監督:荒井良平/原作:角田喜久雄/脚本:比佐芳武/撮影:松村禎三、荒木朝二郎/音楽:西梧郎
■出演:阪東妻三郎、澤村國太郎、原健作、市川春代、瀬川路三郎、志村喬、上田吉二郎、仁禮功太郎

幻の阪妻作品だったが、露で発見され里帰りしたのは平成十三年。暗殺の銃声が響く幕末。蝦夷地を抵当に外国から資金を得ようとする幕府の「約定書」の謎を追い、勤王派志士楓月太郎(阪妻)は事件の渦中へ。居留白人、中国人、幕府抱医師、志士らが果てなく激闘。

6月29日(水)〜7月5日(火)

續 鍔鳴浪人

1940年(S15)/日活京都/白黒/70分

『續 鍔鳴浪人』写真

©日活

■監督:荒井良平/原作:角田喜久雄/脚本:比佐芳武/撮影:松村禎三、荒木朝二郎/音楽:西梧郎
■出演:阪東妻三郎、澤村國太郎、原健作、市川春代、瀬川路三郎、志村喬、上田吉二郎、仁禮功太郎

前作から封切一年後の正月公開だが、同様に露から帰還したフィルム。「三つ目の狼」の謎と真相が暴かれる。外国人セリコフ役の志村喬の怪演、澤村國太郎ら助演陣にも要注目。当時読売新聞に連載された人気小説の映画化だった。

6月29日(水)〜7月5日(火)

旗本愚連隊

1960年(S35)/松竹京都/カラー/87分

『旗本愚連隊』写真

©1960 松竹株式会社

■監督:福田晴一/原作:村上元三/脚本:伊藤大輔、山根優一郎/撮影:片岡清/美術:川村鬼世志/音楽:鈴木静一
■出演:田村高廣、津川雅彦、森美樹、桑野みゆき、炎加世子、田村正和、伴淳三郎

旗本ビート族・山犬組のキャプテン今村左門(高廣)は、母を尋ねるうちに陰謀にまき込まれ大活躍。桑野みゆき、津川雅彦ら売り出し中の若手青春スタアを配して、歌あり笑いありのお正月映画。十七歳の田村正和が初々しく映画初出演。

7月3日(日)〜9日(土)

雄呂血

1925年(T14)/阪東妻三郎プロダクション/白黒/無声/75分

『雄呂血』写真

写真提供:マツダ映画社

■監督:二川文太郎/原作・脚本:寿々喜多呂九平/撮影:石野誠三
■出演:阪東妻三郎、関操、環歌子、春路謙作、山村桃太郎、中村琴之助、嵐しげ代、中村吉松、安田善一郎、森静子

二十三歳で独立、阪妻プロを立ち上げ撮った無声映画時代の代表作。善意の行動が誤解され、世をすね旅に出る武士。やくざの用心棒に。だが、めぐり逢った初恋の女を親分が犯そうとするのを知り怒りが爆発する。超壮絶乱闘は映画史の記念碑。 ※7月3日(日)以外は松田春翠による活弁トーキー版での上映

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