7月20日(水)〜26日(火)

月の出の決闘

1947年(S22)/大映京都/白黒/80分

『月の出の決闘』写真

©KADOKAWA 1947

■監督・脚本:丸根賛太郎/撮影:中田節三/美術:川村鬼世志/音楽:深井史郎
■出演:阪東妻三郎、花井蘭子、青山杉作、東野英治郎、羅門光三郎、尾上菊太郎、葛木香一、原聖四郎、香住佐代子

用心棒稼業の天堂小彌太(阪妻)は農学者大原幽学(青山杉作)を斬りに行くが、逆にその人柄に魅せられる。やくざの足を洗い恋人おせん(花井蘭子)と所帯を持とうとするが、幽学の危機に単身決起。盆踊りとチャンバラのラストは必見だ!

7月24日(日)〜30日(土)

狼火は上海に揚る

1944年(S19)/大映、中華電影/白黒/65分

『狼火は上海に揚る』写真

©KADOKAWA 1944

■監督:稲垣浩、岳楓/脚本:八尋不二/撮影:青島順一郎/美術:角井平吉/音楽:西梧郎、梁楽音
■出演:阪東妻三郎、月形龍之介、石黒達也、香川良介、東良之助、梅憙、李麗華、王丹鳳

幕府一行とともに上海に渡った高杉晋作(阪妻)は、太平天国の乱に遭遇する。阿片戦争など英米の非道を訴える高杉に太平天国軍の将軍らも呼応する。戦時中、日中合作で製作され、上海ロケも。露帰還フィルム。第一巻目は失われている。

7月24日(日)〜30日(土)

イタズ —熊—

1987年(S62)/東映、こぶしプロダクション/カラー/117分

『イタズ —熊—』写真

©東映・こぶしプロ

■監督・原作:後藤俊夫/脚本:小野竜之助/撮影:山崎堯也/美術:春木章/音楽:佐藤勝
■出演:田村高廣、桜田淳子、宮田浩史、佐藤B作、矢口高雄、草薙幸二郎、清川虹子、由利徹、辰巳柳太郎

マタギの銀蔵(高廣)は「一発銀蔵」の異名もある鉄砲射ちの名人。だが、子連れ熊を撃ってしまったことから子熊を育てることに。「ゴン太」と名付け成長し山に帰すのだが。秋田県阿仁町で撮られた自然描写と演技陣の重厚さが際立つ。

7月27日(水)〜8月2日(火)

素浪人罷通る

1947年(S22)/大映京都/白黒/81分

『素浪人罷通る』写真

©KADOKAWA 1947

■監督:伊藤大輔/脚本:八尋不二/撮影:川崎新太郎/美術:角井平吉/音楽:西梧郎
■出演:阪東妻三郎、守田勘彌、大友柳太朗、阿部九洲男、片山明彦、小堀誠、喜多川千鶴、平井岐代子

時代劇でお馴染みの天一坊(片山明彦)と伊賀亮(阪妻)だが、落胤詐称でなく実父徳川吉宗を慕う物語。GHQのチャンバラ禁止令を逆手にとり時代劇の面白さを追及した伊藤大輔監督の戦後第一作。刀を抜かない阪妻の演技は秀逸で見事。

7月27日(水)〜8月2日(火)

敵は本能寺にあり

1960年(S35)/松竹京都/カラー/98分

『敵は本能寺にあり』写真

©1960 松竹株式会社

■監督:大曽根辰保/脚本:池波正太郎、川上三八/撮影:石本秀雄/美術:大角純一/音楽:加藤三男
■出演:松本幸四郎、田村高廣、瑳峨三智子、森美樹、北上弥太朗、淡島千景、岸恵子、嵐寛寿郎

悲劇の武将明智光秀(松本幸四郎)の生涯を池波正太郎のオリジナル脚本で豪華キャストにより描く松竹京都の時代劇大作。本作では敵役とも言える織田信長を巧みに演じる若き日の田村高廣。本能寺の変、山崎の決戦なども雄大な戦国絵巻。

7月31日(日)〜8月6日(土)

白い巨塔

1966年(S41)/大映東京/白黒/150分

『白い巨塔』写真

©KADOKAWA 1966

■監督:山本薩夫/原作:山崎豊子/脚本:橋本忍/撮影:宗川信夫/美術:間野重雄/音楽:池野成
■出演:田宮二郎、田村高廣、藤村志保、小川真由美、船越英二、滝沢修、東野英治郎、小沢栄太郎、清水将夫

大学病院の在り方を問いかけた山崎豊子の原作を映画化、社会的反響を呼んだ。実利的で名誉心が強く暗躍する財前五郎(田宮二郎)。同期生だが野心を持たず癌の研究を地道に続ける里見脩二(高廣)。教授昇進。誤診問題。医学界の腐敗。

8月3日(水)〜9日(火)

春駒のうた

1986年(S61)/共同映画全国系列会議、群馬共同映画社/カラー/109分

『春駒のうた』写真

©共同映画

■監督・脚本:神山征二郎/原作:宮川ひろ/脚本:松田昭三、神山魁三、石倉保志/撮影:南文憲/美術:春木章/音楽:針生正男
■出演:田村高廣、左幸子、登坂隆史、千木良かおり、香川京子、前田吟

炭焼きで生活する星野文三(高廣)は、戦死した息子の子供の圭治を育てる。小学校一年の時、突然小児マヒで右足が動かなくなる圭治がいじめられると、学校に怒鳴り込む文三。利根川上流を舞台に児童文学の映画化。清冽な高廣の名演。

8月3日(水)〜9日(火)

おぼろ駕籠

1951年(S26)/松竹京都/白黒/93分

『おぼろ駕籠』写真

©1951 松竹株式会社

■監督:伊藤大輔/原作:大佛次郎/脚本:依田義賢/撮影:石本秀雄/美術:水谷浩/音楽:鈴木静一
■出演:阪東妻三郎、田中絹代、山田五十鈴、折原啓子、佐田啓二、月形龍之介、三井弘次、清水将夫

江戸大奥の女中お勝殺しの嫌疑がかかる旗本小柳進之助(佐田啓二)を救うのは、粋な雲水坊主として知られている夢覚和尚(阪妻)。松竹スタア総出演の正月時代劇。円熟の立ち回りで魅せる阪妻。緩急自在な演出の伊藤大輔。

8月7日(日)〜13日(土)

破れ太鼓

1949年(S24)/松竹京都/白黒/109分

『破れ太鼓』写真

©1949 松竹株式会社

■監督・脚本:木下惠介/脚本:小林正樹/撮影:楠田浩之/美術:小島基司/音楽:木下忠司
■出演:阪東妻三郎、森雅之、桂木洋子、宇野重吉、小沢栄、村瀬幸子、小林トシ子、滝沢修、東山千栄子

腕と度胸で危ない橋を渡り一代で財をなした土建屋の津田軍平(阪妻)。無教養で傲慢、暴君だが憎めない。戦後育ちの子供たちは、父への不満を爆発させる。木下惠介のユーモア喜劇で新境地を見せた阪妻。木下忠司の軽快な主題歌。

8月7日(日)〜13日(土)

王將

1948年(S23)/大映京都/白黒/93分

『王將』写真

©KADOKAWA 1948

■監督・脚本:伊藤大輔/原作:北條秀司/撮影:石本秀雄/美術:角井平吉/音楽:西梧郎
■出演:阪東妻三郎、水戸光子、三條美紀、斎藤達雄、大友柳太朗、三島雅夫、滝沢修、小杉勇

大阪天王寺の裏町に住む坂田三吉(阪妻)は草履職人の稼業そっちのけで、好きな将棋に打込む。女房の小春(水戸光子)を困らせながら、関根七段と対決する。北條秀司の戯曲を伊藤大輔が脚色、監督。戦後の阪妻代表作の一つとなった。

8月10日(水)〜13日(土)

泥の河

1981年(S56)/木村プロダクション/白黒/105分

『泥の河』写真

©小栗康平事務所

■監督:小栗康平/原作:宮本輝/脚本:重森孝子/撮影:安藤庄平/美術:内藤昭/音楽:毛利蔵人
■出演:田村高廣、藤田弓子、加賀まりこ、朝原靖貴、桜井稔、柴田真生子、蟹江敬三、芦屋雁之助

高度成長期へと向かう昭和、大阪安治川河口で食堂を営む板倉晋平(高廣)とその妻(藤田弓子)。息子の九歳の少年と、対岸につながれた廓舟の姉弟との束の間の交流と別れ。数々の映画賞を受賞し、高廣の演技の集大成といわれた作品。

/ /