ハルキのSalon de Cinema 弁士付無声映画上映会 Vol.4『御誂治郎吉格子』

【上映作品】
『御誂次郎吉格子』(おあつらえじろきちごうし)
(1931年日活太秦撮影所作品/61分)
■原作:吉川英治/監督・脚色:伊藤大輔/撮影:唐澤弘光
■配役:鼠小僧次郎吉・船中の男=大河内傳次郎、お仙=伏見直江、お喜乃=伏見信子、お喜乃の父=磯川元春、仁吉=高勢実乗、与力 重松=山本禮三郎、やっちょろの丑=山口佐喜雄

<解説>十年間で九十九ヶ所の武家屋敷に忍び込み、三千両余りを盗んだと云う盗賊でありながら、いつしか人を傷つけない義賊として評判となった鼠小僧の物語。芥川龍之介、大佛次郎、直木三十五、菊池寛ら、錚々たる作家が鼠小僧を題材とした小説を書いているが、本映画の原作は吉川英治の短篇小説「治郎吉格子」であり、上方へ逃れた旅姿の治郎吉と彼を慕う二人の女性の恋愛心理を事細かに描いている。
監督=伊藤大輔、撮影=唐澤弘光、主演=大河内傳次郎という当時の日本映画の頂点にあった黄金トリオによる貴重な一編であり、次郎吉を巡る二人の女性を伏見直江、伏見信子の姉妹が競演して花を添えた。
昭和7年の正月映画として封切られた作品で、新春らしい大剣戟を期待したチャンバラファンの意表を突いて、立ち廻りのほとんどない世話物に仕上げられており、無声映画晩期における伊藤大輔の代表作に挙げられる傑作となっている。本作で描かれる「治郎吉の追い詰められた姿は、伊藤自身の偽りのない自画像である」という評論も見られる。また、次郎吉と浪花女お仙との情のからみを江戸弁と関西弁を織り交ぜて表現しなければならない弁士泣かせの作品とも云われている。

<略筋>江戸を追われて上方へと流れて行く鼠小僧次郎吉は、その船中でお仙という商売女と出会った。お仙は兄仁吉の為にその身を落とした薄幸な女。一時の気紛れな関係だったが、お仙はすでに次郎吉と離れられない恋情に燃えていた。仁吉は、妹を喰い物にする悪徳漢であり、その上、貧しい娘お喜乃を与力重松に取り持ってその代償を得ようと企んでいた。お喜乃父娘の現在の窮状が、かつて自分が江戸脇坂家の用人が預かる永代橋架け替えの公金を盗んだことに起因していると知った次郎吉は、今更のように良心の呵責に苦しむ。そして、いつしか次郎吉は、可憐で純情なお喜乃に心が動揺し、どんな事をしてもお喜乃を救わねばと心に誓うのだが…。

【弁士】ハルキ

【日時(タイムテーブル)】
2016年12月7日(水)
昼の部 午後2時開演(開場1時30分・終演予定3時30分)
夜の部 午後7時開演(開場6時30分・終演予定8時30分)

【チケット】
前売・予約 1,500円
当日 2,000円
(全席自由)

【前売券取扱い・予約申込み・お問合せ】
■オフィス・アゲイン
TEL/FAX 03-5697-8090 E-mail info@office-again.net
■ザムザ阿佐谷
TEL 03-5327-7640

【公式サイト】
■オフィス・アゲイン
http://www.office-again.net/
■ザムザ阿佐谷
http://www.laputa-jp.com/zamza/main/index.html


【主催】オフィス・アゲイン(代表:松田豊)

Last Update : 2016/09/30