2024年9月29日(日)〜11月23日(土)ラピュタ阿佐ケ谷
日本映画監督協会創立70周年記念映画『映画監督って何だ!』(2006年)の再上映と、協会セレクトの極上エンタメ映画31本をあわせてお届け。何度でも観たい名作、快作が揃いぶみです。
協力:東映株式会社、日活株式会社、松竹株式会社、東宝株式会社、株式会社KADOKAWA、株式会社リトル・モア、株式会社マンシーズエンターテインメント、国立映画アーカイブ
舞台挨拶&トークイベント
●9月29日(日)舞台挨拶
17:10『映画監督って何だ!』上映前
ゲスト:本木克英監督(日本映画監督協会理事長)
●9月29日(日)トークイベント
17:10『映画監督って何だ!』上映後
ゲスト:伊藤俊也監督、和田秀樹監督
聞き手:梶間俊一監督
●10月13日(日)トークイベント
12:30『集団左遷』上映後
ゲスト:梶間俊一監督
聞き手:鈴木義昭さん(映画史研究家)
●10月26日(土)トークイベント
12:40『誘拐報道』上映後
ゲスト:伊藤俊也監督
聞き手:立花珠樹さん(共同通信社編集委員)
●10月27日(日)トークイベント
12:50『狂熱の果て』上映後
ゲスト:山際永三監督
聞き手:池田嘉郎さん(東京大学教授)
●11月9日(土)トークイベント
16:50『TATTOO[刺青]あり』上映後
ゲスト:高橋伴明監督
聞き手:山本起也監督(『映画監督って何だ!』プロデューサー)
●11月23日(土)トークイベント
12:40『女囚701号 さそり』上映後
ゲスト:伊藤俊也監督
聞き手:梶間俊一監督、山本洋子監督
●11月23日(土)舞台挨拶
15:10『映画監督って何だ!』上映前
ゲスト:松島哲也監督(日本映画監督協会専務理事)
今、なぜ『映画監督って何だ!』を上映するか
本作品は、日本映画監督協会創立70周年(2006年)を記念して創られたエンターテインメントのプロパガンダ映画です。テーマは映画監督の著作権。監督協会は、1970年の著作権法改定以来、50余年、〈著作権奪還の運動〉を戦っています。〈奪還〉と謳うのは旧著作権法では、映画の著作権は監督にあったからです。監督の著作権が製作者へ〈帰属〉となった経緯の全容を解明し、映画は、真の〈著作権者〉は誰であるかを明らかにします。
総勢のべ200名の協会員(監督)が、小泉今日子さんたち俳優と一緒に、役者・スタッフとして撮影に参加しています。彼らの創り出す著作権審議会や国会討議の〈再現劇〉では、著作権奪還の思いを込めた協会員(監督)自身による気迫に満ちた演技が、必ず、皆さんを釘付けにするでしょう。脚本・監督は“時代と切り結ぶ”映画を撮り続けている伊藤俊也監督。手練れの一言をお聞きあれ。
「辛口のプロパガンダと甘味のエンターテインメントは両立するや?愚問であります。辛味を生かすために甘味が、甘味を生かすために辛味が、隠し味とされることはグルメの常識であります」(DVD添付小冊子)と。
映画は、〈著作権の世界史的ドキュメント〉があり、歴史探偵(小泉今日子)が時空を超えて戦前の内務官僚から旧著作権法の趣旨を聞き出し、〈再現劇〉を挟んで、五所平之助監督の『煙突の見える場所』(1953年)の一場面を鈴木清順、林海象、本木克英の監督が三者三様の演出で見せる〈劇中劇〉が登場して、伊藤シェフの隠し味の効いた手さばきは、〈映画の著作権〉という目に見えないものの〈在り様〉をはっきりと映像化してくれます。
映画を見終わった観客の皆さんは、改めて、作家や画家、音楽家には著作権があって、「映画監督には著作権がない?!そんな馬鹿な!!」と思われるに違いありません。
その皆さんの当たり前の思いが、正に私たちが〈著作権奪還の運動〉を戦っている所以なのです。監督協会は、映画公開の後、〈「新要求書」と監督協会の考え方(2013年8月23日理事会決定)〉を新しく発表しました。私たちは、多くの財産的権利を望んでいるわけではありません。
私たちは著作権を獲得した後は、現行著作権法の10の支分権(利用の権利)は、唯一、翻訳・翻案権を除き、複製権や上映権、放送権等全ての支分権を契約によって、製作者に移転すると提案しているのです。勿論、現在、日本映画製作者連盟と結んでいる各種協定書の法制化は考えています。が、私たち映画監督が一番求めているのは、〈著作者の矜持としての著作権〉です。
つまり、映画監督は、他の創作物の著作者(作家・画家・音楽家等)と同等の権利として、著作者の証として、〈映画の著作権〉を求めているのです。
観客の皆様には、映画監督が求めている〈映画の著作権〉について、少しでも思いを巡らせて頂ければ、嬉しい限りです。
最後に、このようなイベントを開催して頂いたラピュタ阿佐ヶ谷様には多大な感謝を申しあげます。
(日本映画監督協会「映画監督って何だ!」上映委員会 梶間俊一)