太宰治

1月29日(日) 〜 2月4日(土)

『真白き富士の嶺』写真

(c)日活

真白き富士の嶺

1963年(S38)/日活/白黒/99分

■監督:森永健次郎/脚本:須藤勝人/撮影:松橋梅夫/美術:西亥一郎/音楽:渡辺宙明■出演:吉永小百合、芦川いづみ、浜田光夫、宮口精二、小高雄二

二年半の入院生活の末に退院した梓は、父と姉の梢とともに逗子で療養することに。しかし彼女の病気は…。妹との思い出を振りかえる姉の独白で構成された短篇『葉桜と魔笛』を映画化。美しい姉妹愛が胸をうつ。


井上靖

2月1日(水) 〜 7日(火)

霧子の運命

1962年(S37)/松竹大船/白黒/83分

■監督:川頭義郎/脚本:木下恵介/撮影:荒野諒一/美術:岡田要/音楽:木下忠司■出演:岡田茉莉子、吉田輝雄、田村高廣、佐々木すみ江

原作は井上靖の『春の雑木林』。伊豆の寒村に育ったきり子という女性の、貧しく苦難にみちた青春を描きながら、微妙に動いていく女心を叙情的なタッチで追求した女性映画。岡田茉莉子が薄幸のヒロインを好演。


谷崎潤一郎

2月1日(水) 〜 7日(火)

『瘋癲老人日記』写真

(c)角川映画

瘋癲老人日記

1962年(S37)/大映東京/カラー/99分 ※16mm

■監督・脚本:木村恵吾/撮影:宗川信夫/美術:柴田篤二/音楽:小川寛興■出演:山村聰、若尾文子、東山千栄子、川崎敬三、村田知栄子、丹阿弥谷津子

不能になった老人が消え去ろうとする性本能を、美しい息子の嫁に傾ける姿を描いた文芸問題作。山村聰の怪演と、妖しい魅力で義父を翻弄する若尾文子の小悪魔ぶりが見もの。


田宮虎彦

2月5日(日) 〜 11日(土)

『銀心中』写真

(c)日活

銀心中

1956年(S31)/日活/白黒/99分 ※16mm

■監督・脚本:新藤兼人/撮影:伊藤武夫/美術:丸茂孝/音楽:伊福部昭■出演:乙羽信子、長門裕之、宇野重吉、殿山泰司、河野秋武、小夜福子、菅井一郎

喜一と妻の佐喜枝は理髪店を営んでいた。そこへ妻の従弟・珠太郎が住み込みにやってくる。やがて夫が召集され、若い妻とその従弟はいつしかお互いを慈しみあうようになり…。田宮虎彦原作の悲恋もの。


獅子文六

2月5日(日) 〜 11日(土)

「可否道」より なんじゃもんじゃ

1963年(S38)/松竹大船/白黒/109分

■監督:井上和男/脚本:白坂依志夫/撮影:堂脇博/音楽:山本直純■出演:森光子、加賀まりこ、川津祐介、加東大介、長門裕之

TVタレントの中年女と奔放な現代娘が、一人の男をめぐって繰り広げる恋の鞘当てを中心に、ユニークな人間像が絡みあう爆笑篇。獅子文六『可否道』の映画化。“なんじゃもんじゃ”という題名は原作者自身が提案。


小林多喜二

2月8日(水) 〜 14日(火)

『蟹工船』写真

(c)北星

蟹工船

1953年(S28)/現代ぷろだくしょん/白黒/112分

■監督・脚本:山村聰/撮影:宮島義勇/美術:小島基司/音楽:伊福部昭■出演:山村聰、森雅之、日高澄子、河野秋武、中原早苗

昭和の初めの大不況。蟹工船博光丸は多くの失業労働者を乗せて出航した。過酷な労働に苦しむ労働者たちは…。日本のプロレタリア文学の金字塔『蟹工船』の映画化。山村聰の初監督作品。


三島由紀夫

2月8日(水) 〜 14日(火)

『燈台』写真

(c)東宝

燈台

1959年(S34)/東宝/白黒/63分

■監督:鈴木英夫/脚本:井手俊郎/撮影:山田一夫/美術:植田寛■出演:久保明、津島恵子、河津清三郎、柳川慶子、野口ふみえ

復員して我が家に戻った昇を出迎えたのは、若く美しい女性。昇はたちまち恋の虜となったが、彼女は父の後妻だった…。愛する人を母と呼ばねばならない運命の皮肉。若き継母を慕う青年の心理を描いた文芸篇。


井上靖

2月12日(日) 〜 18日(土)

河口

1961年(S36)/松竹大船/カラー/88分

■監督:中村登/脚本:権藤利英/撮影:厚田雄春/美術:佐藤公信/音楽:黛敏郎■出演:岡田茉莉子、田村高廣、山村聰、杉浦直樹、東野英治郎

若く美しい女画商の愛の遍歴を描いた女性映画。男と次々に関係を持ちながらも、愛を捧げた人からは自ら去らねばならないというヒロインに扮し、ますます冴える岡田茉莉子の名演技。井上靖のベストセラーを映画化。