3月23日(水) 〜29日(火)

お琴と佐助

1961年(S36)/大映東京/カラー/94分 ※16mm

『お琴と佐助』写真

©KADOKAWA 1961

■監督・脚本:衣笠貞之助/原作:谷崎潤一郎/撮影:村井博/美術:柴田篤二/音楽:斎藤一郎
■出演:山本富士子、本郷功次郎、川崎敬三、花布辰男、潮万太郎、中村伸郎、長谷川季子、春本富士夫

盲目の琴の名手と彼女を慕う丁稚の壮絶な愛の物語。幾度となく映画化された豊麗な谷崎文学の世界に山本富士子と本郷功次郎が挑戦。贅を尽くしたセットのなかを動き回る着物姿の山本富士子が、まるで日本人形のような美しさ。

3月23日(水) 〜29日(火)

鬼の詩

1975年(S50)/鐵プロダクション、ATG/カラー/93分

『鬼の詩』写真

©1975鐵プロ/ATG

■監督・脚本:村野鐵太郎/原作・脚本:藤本義一/脚本:杉浦久/撮影:吉岡康弘/美術:上野堯/音楽:林光
■出演:桂福団治、片桐夕子、露乃五郎、中原早苗、井川比佐志、信欣三、本郷淳

明治末期の大阪。グロテスクなまでの珍芸で人々を熱狂させた、ある落語家の物語──。落語家・二代目桂米喬をモデルにした藤本義一の小説を原作に、執念の芸人魂を浮き彫りにした力作。丁寧に再現された上方芸の風土も画面に深みを与える。

3月27日(日) 〜29日(火)

おかしな奴

1963年(S38)/東映東京/白黒/110分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

『おかしな奴』写真

©東映

■監督:沢島忠/脚本:鈴木尚之/撮影:藤井静/美術:北川弘/音楽:佐藤勝
■出演:渥美清、三田佳子、南田洋子、佐藤慶、田中邦衛、清川虹子、石山健二郎、十朱久雄、渡辺篤、春風亭柳朝

自ら「珍顔」を名乗り、戦後、爆発的な人気を誇った落語家・三代目三遊亭歌笑の人生を描く。夢を抱いての上京、修行の日々、失恋と結婚──。短い人生のなかに、人の喜びとそこはかとない哀しさを滲ませる。兄弟子・しゃもじ(佐藤)の存在も胸を打つ。

3月27日(日) 〜4月2日(土)

裸の大将

1958年(S33)/東宝/カラー/92分

『裸の大将』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督:堀川弘通/脚本:水木洋子/撮影:中井朝一/美術:河東安英/音楽:黛敏郎
■出演:小林桂樹、団令子、青山京子、中田康子、沢村貞子、三益愛子、柳家金語楼、三木のり平、市村俊幸、有島一郎

貼り絵画家、山下清の放浪の日々を描いた人情ロードムービー。戦中、戦後の殺伐とした世の中で、馬鹿にされながらも純真な心で物事をみつめ続ける天才画家を、小林桂樹が素晴らしい演技で魅せてくれる。脇役の充実ぶりもうれしい。

3月30日(水) 〜4月2日(土)

大日本チャンバラ伝

1965年(S40)/日活/カラー/83分

『大日本チャンバラ伝』写真

©日活

■監督:吉村廉/原作・脚本:花登筐/脚本:才賀明/撮影:萩原泉/美術:坂口武玄/音楽:池田正義
■出演:伊藤雄之助、和田浩治、西尾三枝子、由利徹、佐山俊二、平凡太郎、茶川一郎、大村崑

馬之助(伊藤)率いる旅一座はいつも不入りのジリ貧状態。新たな演目を考えるものの、内部は歌舞伎派とミュージカル派に別れて大喧嘩──。伊藤雄之助がとぼけた笑いを振りまく一座の奮闘記。昭和のお茶の間を賑わせた喜劇人たちが豪華出演!

3月30日(水) 〜4月5日(火)

旅情

1959年(S34)/大映東京/カラー/100分 ※16mm

『旅情』写真

©KADOKAWA 1959

■監督:田中重雄/原作:菊村到/脚本:舟橋和郎/撮影:高橋通夫/美術:後藤岱二郎/音楽:古関裕而
■出演:山本富士子、川崎敬三、野添ひとみ、北林谷栄、左卜全、潮万太郎、町田博子、北原義郎

双葉流の家元として生花展を開催すべくハワイに立ち寄った真弓(山本)はかつての恋人・三上(川崎)に再会。忘れていた恋が燃え上がる──。真珠湾、ハナウマビーチ、ホノルルといった南国の風景のなか繰り広げられる甘いテイストのメロドラマ。

3月30日(水) 〜4月5日(火)

世にも面白い男の一生 桂春団治

1956年(S31)/宝塚映画/白黒/108分

『世にも面白い男の一生 桂春団治』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督・脚本:木村恵吾/原作:長谷川幸延/脚本:渋谷天外/撮影:三村明/美術:水谷浩/音楽:原六朗
■出演:森繁久彌、淡島千景、高峰三枝子、八千草薫、田村楽太、浮世亭歌楽、田中春男、浪花千栄子

大阪が生んだ無類の落語家・桂春団治を描いた伝記映画の秀作。金、酒、女で周囲に話題を振りまいた春団治に森繁久彌が扮し、破天荒だが憎めない男を体当たりで演じる。華やかな女優たちがみせる女の意地のぶつかりあいもみもの。

4月3日(日) 〜9日(土)

はなれ瞽女おりん

1977年(S52)/表現社/カラー/117分

『はなれ瞽女おりん』写真

©表現社

■監督・脚本:篠田正浩/原作:水上勉/脚本:長谷部慶次/撮影:宮川一夫/美術:粟津潔/音楽:武満徹
■出演:岩下志麻、原田芳雄、奈良岡朋子、加藤嘉、横山リエ、浜村純、殿山泰司、樹木希林

男に抱かれたために一座を追放され、はなれ瞽女となったおりん(岩下)と、旅をともにする平太郎(原田)の切ない愛を四季折々の風景に奏でる。静かな情熱を秘めた岩下志麻の演技が絶品。水上文学の精髄を詩情に昇華させた名作。

4月3日(日) 〜9日(土)

男の花道

1941年(S16)/東宝/白黒/73分

『男の花道』写真

©TOHO CO.,LTD.

■監督:マキノ正博/脚本:小國英雄/撮影:伊藤武夫/美術:中古智/音楽:鈴木静一
■出演:長谷川一夫、古川緑波、渡辺篤、神田三朗、佐々木浩一、春風曽代子、市丸、汐見洋、丸山定夫

失明を隠して舞台に上がる人気絶頂の歌舞伎役者・歌右衛門(長谷川)と、それを見抜いた眼医の玄磧(古川)の固く結ばれた友情を描く。講談でもお馴染みの物語を生き生きとした演出で映画化。劇中での豪華な舞台もみごと。

4月6日(水) 〜9日(土)

大阪の女

1958年(S33)/大映東京/カラー/104分

『大阪の女』写真

©KADOKAWA 1958

■監督・脚本:衣笠貞之助/原作:八住利雄/脚本:相良準/撮影:渡辺公夫/美術:柴田篤二/音楽:斎藤一郎
■出演:京マチ子、中村鴈治郎、船越英二、高松英郎、小夜福子、角梨枝子、小野道子

大阪の下町にある落語家や漫才師たちが集う「芸人村」。底抜けにお人好しのお千(京)をとりまく泣き笑いの人間模様──。鮮やかにぶつかり合う無垢な女とアクの強い芸人たちの個性。可笑しみを交えた軽妙な語り口で人生の哀歓をうつしだす。

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