12月18日(日) 〜24日(土)

背徳のメス

1961年(S36)/松竹京都/白黒/88分

■監督:野村芳太郎/原作:黒岩重吾/脚本:新藤兼人/撮影:川又昂/美術:大角純一/音楽:芥川也寸志
■出演:田村高廣、高千穂ひづる、久我美子、山村聰、瞳麗子、葵京子、松井康子、倉田爽平、加藤嘉

大阪の病院を舞台に異常な愛憎が交錯するサスペンスドラマ。猟色家の産婦人科医師が、上役の奸計で殺人未遂の罠にかかる。そして病院内の愛欲模様が透かし彫りにされていく。性格の陰陽が好対照の久我美子と高千穂ひづるが印象的。

『男の銘柄』写真

(c)角川映画

12月18日(日) 〜24日(土)

男の銘柄

1961年(S36)/大映東京/カラー/83分 ※16mm

■監督:弓削太郎/原作:円地文子/脚本:荒井八郎/撮影:石田博/美術:間野重雄/音楽:池野成
■出演:筑波久子、大瀬康一、丹羽又三郎、石井竜一、根上淳、渋沢詩子、左幸子、弓恵子、清川玉枝

平凡な一組の夫婦に倦怠が忍び寄り、妖艶な妻は不倫に走る。サディスト、純情青年と様々な男たちと情事に耽り、高校教師の夫も元教え子の誘惑に陥落する。日活の肉体派女優筑波久子の大映移籍第一回作品としても話題になった。

『四十八歳の抵抗』写真

(c)角川映画

12月21日(水) 〜27日(火)

四十八歳の抵抗

1956年(S31)/大映東京/白黒/108分

■監督:吉村公三郎/原作:石川達三/脚本:新藤兼人/撮影:中川芳久/美術:間野重雄/音楽:池野成
■出演:山村聰、若尾文子、雪村いづみ、川口浩、船越英二、小野道子、杉村春子、三津田健、石黒達也

保険会社に勤める実直な中年サラリーマンが、部下の誘いで夜の熱海、銀座のキャバレーと遍歴するうちに、そこで出会った十九歳の少女に魅せられ翻弄されていく。メフィストの誘惑に屈した現代版「ファウスト」の趣もある風刺劇。

『結婚の夜』写真

(c)東宝

12月21日(水) 〜27日(火)

結婚の夜

1959年(S34)/東宝/白黒/88分

■監督:筧正典/原作:円地文子/脚本:池田一朗/撮影:飯村正/美術:河東安英/音楽:池野成
■出演:小泉博、安西郷子、環三千世、柳川慶子、三島耕、三津田健、東郷晴子、北川町子、塩沢とき

原作は短篇『黒髪変化』。ドンファン青年が黒髪の女に惹かれホテルに連れ込む。結婚を約束するも、見合いで別な女性との縁談を決めてしまい、結婚式当日、異変が──。エキゾチックな風貌の安西郷子の妖しい魅力が全開の心理スリラー。

12月25日(日) 〜30日(金)、1月2日(月)・3日(火)

ただいま零匹

1957年(S32)/まどかグループ/白黒/102分 ※16mm

■監督:藤原杉雄/原作:火野葦平/脚本:山形雄策/撮影:荒牧正/美術:山崎正夫/音楽:小杉太一郎
■出演:佐野周二、佐田啓二、岡田茉莉子、田代百合子、中川弘子、片山明彦、上田吉二郎、坂本武

南国大分の名物市長は窮余の新財源として高崎山の猿を呼び出して自然公園を作る計画に没頭し、利権争いで対立するボス議員はスキャンダルで市長を失墜させようと図る。佐野周二が頑固一徹のワンマン市長を好演した風刺喜劇。

『豚と金魚』写真

(c)東宝

12月25日(日) 〜30日(金)、1月2日(月)・3日(火)

豚と金魚

1962年(S37)/東宝/カラー/92分

■監督:川崎徹広/原作:梅崎春生/脚本:松木ひろし/撮影:小泉福造/美術:河東安英/音楽:中村八大
■出演:藤木孝、若林映子、上原謙、飯田蝶子、草笛光子、沢村貞子、北あけみ、若水ヤエ子、有木山太

売れない小説家、画家志望の青年、七人の子持ち夫婦が住む東京近郊・府中の下宿屋を舞台に、立ち退き問題でゆれる市井風俗をスケッチした喜劇。ジャズ喫茶で恋人同士の藤木孝が歌い、若林映子が踊るシーンが溌溂として魅力的だ。

『故郷は緑なりき』写真

(c)東映

12月28日(水) 〜30日(金)、1月2日(月) 〜7日(土)

故郷は緑なりき

1961年(S36)/ニュー東映東京/白黒/91分

■監督:村山新治/原作:富島健夫/脚本:楠田芳子/撮影:林七郎/美術:中村修一郎/音楽:木下忠司
■出演:水木襄、佐久間良子、三國連太郎、大川恵子、中山昭二、加藤嘉、花沢徳衛、須藤健、織田政雄

雪深い北陸の町で出会った二人の高校生が、不良少年の迫害や世間の冷たい目を跳ね返し、その純愛を育ててゆくさまを詩情豊かに描いた富島健夫原作『雪の記憶』の映画化。セーラー服におさげ髪の佐久間良子が実に可憐で美しい。

『東京夜話』写真

(c)東宝

12月28日(水) 〜30日(金)、1月2日(月) 〜7日(土)

東京夜話

1961年(S36)/東京映画/白黒/108分

■監督:豊田四郎/原作:富田常雄/脚本:八住利雄/撮影:玉井正夫/美術:伊藤熹朔/音楽:芥川也寸志
■出演:淡島千景、団令子、芥川比呂志、山崎努、乙羽信子、原知佐子、岸田今日子、丹波哲郎、森繁久彌

富田常雄原作『ひょっとこ』から人物、風俗を借りて、渋谷を舞台に斜陽化した元貴族と三流バーのマダム、その男の息子とバーのホステスとの新旧二世代が織りなす愛の物語。東京映画百本記念作品・新人山崎努の初主演映画でもある。

『女めくら物語』写真

(c)角川映画

1月4日(水) 〜10日(火)

女めくら物語

1965年(S40)/大映東京/カラー/88分

■監督:島耕二/原作:舟橋聖一/脚本:相良準三/撮影:渡辺公夫/音楽:大森盛太郎
■出演:若尾文子、宇津井健、山下洵一郎、渚まゆみ、万里昌代、倉田マユミ、中村鴈治郎

四谷の花街を舞台に、美貌の女あんまが見えない瞳で体験したさまざまな人間模様を描く舟橋聖一原作『女めくら双紙』の映画化。あばずれの同僚、好色な師匠など多彩な人物たちの間で揺れる複雑な女心を若尾文子が絶妙に演じる。

texy by 高崎俊夫