モーニングショー/「基地」の街から

2021年10月17日(日)〜12月30日(木)連日10:30より
ラピュタ阿佐ヶ谷

北の大地北海道、矢臼別の平和運動を伝えるドキュメンタリー映画『矢臼別物語』の公開を記念して、「基地」をテーマにした特集上映を開催。
米軍基地問題に取り組んだもの、基地の街を舞台にしたもの。
戦後日本映画のなかに描かれた様々な「基地」の物語に触れながら、平和をめぐる諸問題について考えるきっかけとなれば幸いです。

【舞台挨拶】
10月17日(日)10:30『矢臼別物語 北の大地からのメッセージ』上映後
ゲスト:山本洋子監督

【上映作品】
『矢臼別物語』『赤線基地』『基地の子たち』『流血の記録 砂川』『黒い河』『弾丸大将』『白昼の無頼漢』『黒い雪』『日本列島』『地の群れ』

【上映日程】
10.17[日]-23[土]、12.24[金]-30[木]
矢臼別物語 北の大地からのメッセージ
2021年(R3)/独立プロ名画保存会/カラー/88分 ※Blu-ray
■監督:山本洋子/撮影:野間健/編集:小林由加子/整音:深田晃
■ナレーション:余貴美子

ここで繰り広げられている運動はどれも、優しく、たおやかで、楽しい。
人々は、誰とでも心を開いて語りあい、誰をも受け入れる。
そして、次の世代の若者たちがこのバトンをしっかり受け継いでいる。
その根底に流れるものは──


矢臼別は北海道、知床・阿寒連峰から根室・釧路まで広がる根釧原野の一角にある酪農地帯。この原野のほぼ中央、別海、厚岸、浜中の三町にまたがって、総面積1万7千ヘクタールにわたる日本一大きい陸上自衛隊矢臼別演習場がある。
1962年、政府によってこの地に演習場を設置することが決定されたあとも、立退きを断固拒否、先住開拓民としてど真ん中に根をおろし、存在することで反戦・平和を訴え続けた地主たちがいた。
55年以上続いている夏の「平和盆踊り」、暮れの「平和もちつき望年会」、自衛隊の監視活動、1995年から始まった米海兵隊移転訓練の監視活動等──。
演習場の中の民有地はいつしか平和運動の“聖地”に。
独立プロ名画保存会の代表もつとめる山本洋子監督が、矢臼別に集い、つながりあう人々に密着したドキュメンタリー。

未来への風
矢臼別の平和運動には、さまざまな風が吹いている。ある時は、米海兵隊、自衛隊の訓練へのたゆみない監視から生まれる厳しい抗議の風。ここには、厳しい風、さわやかな風、やさしい風がふいている。どの風も、創意あふれる活動の中から生まれてくる。
2014年の『第50回平和盆おどり』から撮影を始めて足かけ6年。
どんな場にも、歌があり、踊りがあり、さまざまな文化が交錯し、人と人がつながっているようすは万華鏡のようだった。みんなが心にとめているのは豊かな未来への歩みと、次世代への率直な語りかけとおおらかさ。
私たちはこの風をしっかりと受け止めたい。
未来へつなげていくものは何か?次の世代へ渡すバトンはなにか?
矢臼別に集う人々の姿からは、様々な生き方が紡ぎだされ、私たちの生き方のヒントにあふれている。 
監督 山本洋子


10.24[日]-30[土]
赤線基地
1953年(S28)/東宝/白黒/90分
■監督・脚本:谷口千吉/脚本:木村武/撮影:飯村正/美術:北辰雄/音楽:團伊玖磨
■出演:三國連太郎、根岸明美、小林桂樹、中北千枝子、青山京子、川合玉江、金子信雄、ボッブ・ブース
中国から十年ぶりに帰還した男がみたものは、米軍基地のために変貌した故郷の姿だった。轟く砲声、兵隊相手の歓楽街、そこで生活の資を得る者たち──。基地問題という難しいテーマに挑んだ意欲作。反米的との非難を受けて一時は上映見送りとなった。


10.31[日]-11.6[土]
基地の子たち
1953年(S28)/東京キノ・プロダクション/白黒/29分 ※16mm
■撮影:井上莞、牛山邦一、山形周、瀬川浩、坂爪栄雄/照明:田中光五郎、鈴木貞雄/編集:亀井文夫、田中徹、富沢隆雄、神保春枝、山崎聖教/録音:片山幹男/音楽:原太郎
軍事基地はますますふえて日本の「児童」を包圍していく。今やその数は七百六十九個所、総面積は四國全島に等しい。(昭和二十八年八月現在)──千歳、横須賀と立川、石川県内灘等に取材、米軍基地が土地の人々に与える影響を子どもの視点から描く。

流血の記録 砂川
1957年(S32)/日本ドキュメントフィルム/白黒/55分 ※16mm
■撮影・編集:亀井文夫/撮影:武井大、植松永吉、城所敏夫、勅使河原宏、大野忠/編集:渡辺正巳、豊富靖、岸富美子/録音:奥山重之助、大橋鉄矢、大野松雄/音楽:長沢勝俊
立川基地拡張計画をめぐり、東京都北多摩郡砂川町の人々が行った反対闘争の記録。「土地にクイは打たれても、心にクイは打たれない」を合言葉として、住民が応援の労組や学生たちと一体になって警官隊と対決、勝利を勝ちとるまで。


11.7[日]-13[土]
黒い河
1957年(S32)/松竹大船/白黒/110分
■監督:小林正樹/原作:富島健夫/脚本:松山善三/撮影:厚田雄春/美術:平高主計/音楽:木下忠司
■出演:有馬稲子、渡辺文雄、仲代達矢、淡路恵子、桂木洋子、山田五十鈴、宮口精二
米軍基地近くの貧乏長屋。その立退き問題をめぐって繰り広げられる人間模様を、一人の学生の目を通して辛辣に描きだす。その日暮らしの住人たち、愚連隊一味の横暴、可憐なウェイトレスに降りかかる悲劇──。富島健夫原作の、異色の社会派群像劇。


11.14[日]-25[木]
弾丸大将
1960年(S35)/東映東京/白黒/100分 ※NEW
■監督:家城巳代治/原作:赤江行夫/脚本:橋本忍/撮影:飯村雅彦/美術:森幹男/音楽:池野成
■出演:南廣、淡島千景、木村功、春丘典子、花澤徳衛、加藤嘉、東野英治郎、清村耕次、三井弘次
耕地を取りあげられ、米軍演習地の不発弾や薬莢拾いで生計を立てる人々。その名手「不発の善ちゃん」のユーモアとペーソス溢れる弾拾い人生を描きながら、現代日本に痛烈なメスを入れる。赤江行夫『不発弾』を橋本忍が脚色、名匠家城巳代治が監督にあたる。


11.26[金]-12.2[木]
白昼の無頼漢
1961年(S36)/ニュー東映東京/白黒/82分
■監督:深作欣二/脚本:佐治乾/撮影:星島一郎/美術:近藤照男/音楽:河辺公一
■出演:丹波哲郎、曽根晴美、久保菜穂子、中原ひとみ、八代万智子、アイザック・サクソン、春日俊二、柳永二郎
肌の色は違っても欲でガッチリ結ばれた悪党どもが、米軍基地に運びこまれる五十万ドルを狙って現金輸送車襲撃を計画。だが、その凄まじい金銭欲と人種的偏見が、仲間同士の争いを生みだしていく──。深作欣二監督の初の長篇であり、初期の傑作。


12.3[金]-9[木]
黒い雪
1965年(S40)/第三プロダクション/白黒/89分
■監督・脚本:武智鉄二/撮影:倉田武雄/美術:大森実/音楽:湯浅譲二、八木正生
■出演:花ノ本寿、紅千登世、美川陽一郎、村田知栄子、松井康子、内田高子、水町圭子、花川蝶十郎
娼館の一人息子が民族的な怒りに任せて黒人兵を殺害、叔母のキャバレーを襲って金を奪う凶行に走る──。米軍基地の恩恵と不条理に翻弄される日本人を武智鉄二ならではのエロティシズムにのせて活写。公開と同時に「わいせつ図画公然陳列罪」に問われた。


12.10[金]-16[木]
日本列島
1965年(S40)/日活/白黒/115分
■監督・脚本:熊井啓/原作:吉原公一郎/撮影:姫田真佐久/美術:千葉和彦/音楽:伊福部昭
■出演:宇野重吉、芦川いづみ、二谷英明、鈴木瑞穂、武藤章生、大滝秀治、加藤嘉、北林谷栄
米陸軍曹長水死事件の調査を依頼された通訳主任は、警部補、新聞記者の協力を得て、消された真実を追う──。下山、三鷹、松川、スチュワーデス殺人事件など敗戦後相次いで起きた怪事件をCIAの謀略として追求する。日本映画監督協会新人賞を受賞。


12.17[金]-23[木]
地の群れ
1970年(S45)/えるふプロダクション、ATG/白黒/127分
■監督・脚本:熊井啓/原作・脚本:井上光晴/撮影:墨谷尚之/美術:深民浩/音楽:松村禎三
■出演:鈴木瑞穂、松本典子、紀比呂子、寺田誠、原泉、奈良岡朋子、佐野浅夫、北林谷栄、宇野重吉
原子力艦寄港阻止闘争の高揚する佐世保。ある少女暴行事件をきっかけに、被爆者部落と未解放部落が対立、強烈な混乱と崩壊を巻きおこす──。原爆、同和問題、在日朝鮮人、基地……繁栄日本の裏側で燻りつづける社会問題を鋭く告発する、野心作。


【料金】
一般…1,300円 シニア・学生…1,100円 会員…900円
※水曜サービスデー…1,100円均一