この監督、この一本。 スケジュール】【ラピュタ阿佐ヶ谷
トップページへ 『渡り鳥いつ帰る』
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沢島忠
股旅 三人やくざ
(c)東映
8.29[日]ー9.4[土]
1965年/東映京都/カラー/120分
■脚本:野上龍雄、笠原和夫、中島貞夫/撮影:古谷伸/美術:井川徳道/音楽:佐藤勝 ■出演:中村錦之助、仲代達矢、松方弘樹、桜町弘子、入江若葉、志村喬、藤純子
趣の異なる三つの話を見事にさばき
冴えわたる沢島演出、あっぱれ!
三話構成からなるオムニバス映画で、中村錦之助、仲代達矢、松方弘樹がそれぞれ主役を演じる。股旅もののエッセンスを存分に盛りこみ、四季の風物の中に男の世界の郷愁を描いた沢島忠快心の一作。特に錦之助主演の「春の章」は秀逸。
五所平之助
蟻の街のマリア
9.1[水]ー7[火]
1958年/歌舞伎座/カラー/110分
■製作:加賀二郎/脚本:長谷部慶治/撮影:竹野治夫/美術:平川透徹/音楽:芥川也寸志 ■出演:千之赫子、南原伸二、佐野周二、渡辺文雄、斎藤達雄、夏川静江
蟻のように屑を拾う人々
“マリア”が救いの手を差しのべる
"蟻の街"と呼ばれる隅田川ほとりのバタヤ街に、カトリック信者のお嬢さんが人々の魂を救いたいと突然現れた。当時マスコミを賑わした実話を、五所平之助が巧みに映画化。異色の役柄を、宝塚を退団した直後の千之赫子が熱演。
大島渚
青春残酷物語
9.1[水]ー7[火]
1960年/松竹大船/カラー/96分
■製作:池田富雄/脚本:大島渚/撮影:川又昂/美術:宇野耕司/音楽:真鍋理一郎 ■出演:桑野みゆき、川津祐介、久我美子、浜村純、渡辺文雄、森島亜紀、田中晋二
60年安保闘争の真最中に封切り
若者の共感を呼び一躍時代の寵児に
生きる目的を失ったまま“美人局”という犯罪行為に走って破滅したカップルの無残な青春を痛切に描いた監督第二作。自身の内なるエネルギーを投げつけたような力強さで人間社会の深層をえぐり、以降数々の問題作をつくりだしていくことに。
久松静児
渡り鳥いつ帰る
(c)東宝
9.5[日]ー11[土]
1955年/東京映画/白黒/129分
■製作:滝村和男、三輪礼二/構成:久保田万太郎/脚本:八住利雄/原作:永井荷風撮影:高橋通夫、玉井正夫 ■出演:田中絹代、森繁久彌、高峰秀子、久慈あさみ、淡路恵子、岡田茉莉子、桂木洋子
庶民派監督の最盛期
春を売る女たちの群像を写す
永井荷風の『にぎりめし』『春情鳩の街』『渡鳥いつかへる』を再構成。鳩の街で“藤村”という名の娼家を営む女将と同棲する男を軸に、そこで働く女達の生活をありありと表現した。田中、高峰、久慈、淡路といったスタアの競演にも目をみはる。
堀川弘通
女殺し油地獄
(c)東宝
9.5[日]ー11[土]
1957年/東宝/カラー/99分
■脚本:橋本忍/原作:近松門左衛門/撮影:中井朝一/美術:河東安英/音楽:宅孝二 ■出演:中村扇雀、中村鴈治郎、三好栄子、香川京子、若宮忠三郎、新珠三千代
時代に反抗的な道楽息子の悲劇
壮絶なラストに開いた口が塞がらない!!
近松の世話浄瑠璃『女殺油地獄』を映画化。河内屋のひとり息子・与兵衛は、遊女に入れあげ無理な借金を重ねたあげく、心やさしい豊島屋女房・お吉を手にかけてしまう。古典悲劇をその持ち味で蘇らせ、真価を開花させた堀川の意欲作。
石井輝男
戦場のなでしこ
(c)国際放映
9.8[水]ー14[火]
1959年/新東宝/カラー/78分
■製作:大蔵貢/脚本:川内康範、石井輝男/撮影:吉田重業/美術:加藤雅俊/音楽:渡辺宙明 ■出演:小畑絹子、三ツ矢歌子、星輝美、大空真弓、城実穂、瀬戸麗子、宇津井健
異国に散った白衣の天使たち…
ファンには無視されそうな作品だけど
日本敗戦。母国を離れ遠き地、中国で帰国を待ちわびる従軍慰安婦三十名の悲劇。汚れなき乙女たちが戦争の悲惨さを訴え、友情の尊さをうたいあげる。石井監督が成瀬巳喜男を敬愛しているというのも納得な、感動できる作品。