この監督、この一本。 スケジュール】【ラピュタ阿佐ヶ谷
トップページへ 『渡り鳥いつ帰る』
作品解説 1】【作品解説 2】【作品解説 3】【作品解説 4
篠田正浩
暗殺
9.8[水]ー14[火]
1964年/松竹京都/白黒/104分
■製作:山内静夫/脚本:山田信夫/原作:司馬遼太郎/撮影:小杉正雄/美術:大角純一/音楽:武満徹 ■出演:丹波哲郎、岡田英次、早川保、岩下志麻、木村功、佐田啓二
好漢・丹波哲郎を得て映画化
美学が昇華したラストシーンに息をのむ
幕末動乱の日本に生きた“奇妙な男”清河八郎を主人公に、若い野心と暗い情熱がぶつかりあう血みどろの乱世を描く。丹波哲郎が得体のしれない存在感でまさにはまり役。役者と役どころの完璧な出会いがこの作品にある。
田中徳三
悪名
(c)角川映画
9.12[日]ー18[土]
1961年/大映京都/カラー/94分
■脚本:依田義賢/原作:今東光/撮影:宮川一夫/美術:内藤昭/音楽:伊福部昭 ■出演:勝新太郎、田宮二郎、中村玉緒、中田康子、水谷良重、浪花千栄子、阿井美千子、倉田マユミ
凸凹コンビの人気シリーズ
情感こもる記念すべき第一作
河内出身で古い任侠精神の持ち主・朝吉と、背広を肩からひっかけたモダンな兄さん風“モートルの貞”がコンビを組み、悪徳やくざを叩きのめす。中途半端な二枚目だった勝新がイメージチェンジをはかり、意外なヒットにシリーズ化の運びとなった。
浦山桐郎
私が棄てた女
(c)日活
9.12[日]ー18[土]
1969年/日活/パートカラー/116分
■脚本:山内久/原作:遠藤周作/撮影:安藤庄平/美術:横尾嘉良、深民浩/音楽:黛敏郎 ■出演:浅丘ルリ子、小林トシエ、河原崎長一郎、小沢昭一、加藤武、岸輝子
思想と生活、愛と欲…
男のエゴをリアルに描いた傑作
原作は遠藤周作の人気小説。希望もなく会社に勤め、出世のため専務の姪と結婚しようとする六十年安保挫折派の男。そんな時、かつて遊んで捨てた女の現状を知る。運動とは何か、愛とは、平穏とは…。誰の心にも潜むモラルに焦点をあてる。
田坂具隆
土と兵隊
(c)日活
9.15[水]ー21[火]
1939年/日活多摩川/白黒/120分
■脚本:笠原良三、陶山鉄/原作:火野葦平/撮影:伊佐山三郎、横田達之/音楽:中川栄三 ■出演:小杉勇、井染四郎、菊池良一、山本礼三郎、東勇路、佐藤円治
泥土の中歩く兵士の姿をえんえんと
戦意昂揚よりも、むしろ…
日支事変下、日本陸軍の一小隊が、泥にまみれながら敵と交戦し炎熱の中支戦を進んでいく…。軍部の意向で製作された大作だが、戦闘場面は少なく、むしろ無名の兵士たちの労苦を厳粛に描き、その淡々とした筆致には詩情すら感じられる。
山下耕作
関の彌太ッぺ
(c)東映
9.15[水]ー21[火]
1963年/東映京都/カラー/89分
■脚本:成沢昌茂/原作:長谷川伸/撮影:古谷伸/音楽:木下忠司 ■出演:中村錦之助、木村功、十朱幸代、岩崎加根子、上木三津子、大坂志郎、夏川静江、武内亨、鳳八千代
花に託して語る極上のロマンチシズム
これぞ股旅ものの決定版
渡世で生きてきた男の苦渋と心の優しさを美しくうたいあげる。成長したヒロインと変わり果てた主人公の再会の場に咲きほこるムクゲの花、ラストシーンの真っ赤な彼岸花など、日本的情念の世界を花に託して語る山下耕作の演出がひかる。
山本薩夫
台風騒動記
9.19[日]ー25[土]
1956年/まどかグループ=山本プロダクション/白黒/108分
■製作:松本酉三、吉野順二/脚本:八住利雄、山形雄策/原作:杉浦明平/撮影:前田実/美術:平川透徹 ■出演:佐田啓二、菅原謙二佐野周二、野添ひとみ、桂木洋子、三井弘次
天災のあとには必ず人災が…
“社会派の巨匠”喜劇の才能も
東海地方の田舎町。台風災害に便乗し、ガッポリ儲けようと企む地域の有力者たち。そうはさせじと青年たちが立ちあがり騒動は大きくなっていく。保守派ボスが支配する地方政治の悪どさを暴いた、けっこう笑える本格的風刺喜劇。