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成田尚哉は主として劇場用映画を活動の場に、数多くの傑作、名作を誕生させた企画者であり、プロデューサーである。そのフィルモグラフィーの初期に位置する夥しい量のプログラム・ピクチャー＝日活ロマンポルノから、後年の独立プロダクションにおける、小粒ながら常に挑戦的な題材に取り組んだインディーズ作品まで、成田が企画し製作したいずれの作品からも、生涯テーマにしていたという「エロスとタナトス」が濃厚に匂いたつ。

成田は映画製作とは別にコラージュやボックスアートの作者という美術家としての顔を持っていた。手がけた膨大な映画群を俯瞰するとき、成田による新たな「コラージュ」が見えるのかもしれない。

成田尚哉が夢見て目論んだ「映画」とは何だったのか。一映画人としての多彩な企画の軌跡と、人生を通して追い求めた数々の映画の「形」を、いま改めて凝視したい。