■ 作品解説 / / /

『襲う!!』写真

(c)日活

5月4日(日) 〜10日(土)

襲う!!

1978年(S53)/カラー/72分

■監督:長谷部安春/脚本:永原秀一/撮影:安藤庄平/美術:林隆 ■出演:小川亜佐美、梓ようこ、中島葵、阿藤海、花上晃、市来秀、影山英俊、梨沙ゆり

パトロール中、何者かに手錠をかけられ、強姦された婦人警官が単独で捜査を開始。ところが、署内のトイレで再び同じ男に犯されてしまう。次第に強姦魔に惹かれ始めてしまう被虐的なヒロインを小川亜佐美が好演。謎解きミステリーから逸脱し、さらにルーティンの復讐譚にも陥らないストーリーテリングがユニークである。

『青い獣 ひそかな愉しみ』写真

(c)日活

5月7日(水) 〜13日(火)

青い獣 ひそかな愉しみ

1978年(S53)/カラー/75分

■監督:武田一成/脚本:田中陽造/撮影:水野尾信正/美術:菊川芳江 ■出演:水島美奈子、稲川順子、加納省吾、三谷昇、秋野美弥子、沢田情児、高橋明

当時、社会問題化していた家庭内暴力をテーマにした異色作。受験ノイローゼに陥った肉屋の息子が、ストレスを爆発させ両親を鉄パイプでめった打ちにしてしまう――。ベテラン・武田×田中コンビは、おぞましい性癖を抱える主人公を、常にカリカチュアライズするように皮肉な視点で眺めていて出色だ。

『濡れた週末』写真

(c)日活

5月7日(水) 〜13日(火)

濡れた週末

1979年(S54)/カラー/71分

■監督:根岸吉太郎/脚本:神波史男/撮影:安藤庄平/美術:徳田博 ■出演:宮下順子、山下洵一郎、亜湖、中島葵、島村謙次、小見山玉樹

町工場の社長と惰性的な不倫関係にある事務員が、ある時、嫉妬に駆られて、社長の娘を誘拐。身代金をせしめようと試みるが――。日活生え抜きのエースとして期待された根岸吉太郎が本領を発揮した佳作。婚期を逸した独身女性の空ろな内面を丁寧に掬いとったオーソドックスな演出が高く評価された。

『濡れた荒野を走れ』写真

(c)日活

5月11日(日) 〜17日(土)

濡れた荒野を走れ

1973年(S48)/カラー/73分

■監督:沢田幸弘/脚本:長谷川和彦/撮影:山崎善弘/美術:菊川芳江/音楽:多摩零 ■出演:地井武男、山科ゆり、川村真樹、井上博一、高橋明、久松洪介、しまさより、南昌子

覆面をした警察官たちが強盗、強姦を繰り返し、犯行現場に真っ先に訪れては証拠隠滅を図る。しかし、元同僚が逃亡。秘密が露見することを恐れた組織は二人の刑事を投入、奇妙な追跡劇が開始された――。荒唐無稽かつ過激で反権力的なテーマが話題となった衝撃作。悪徳刑事・地井武男の強烈な存在感が特筆ものだ。

『わたしのSEX白書 絶頂度』写真

(c)日活

5月11日(日) 〜17日(土)

わたしのSEX白書 絶頂度

1976年(S51)/カラー/70分

■監督:曽根中生/脚本:白鳥あかね/撮影:萩原憲治/音楽:コスモス・ファクトリー ■出演:三井マリア、芹明香、桑山正一、村国守平、益富信孝、神坂ゆずる、梓ようこ

病院で採血係を務める女と近親愛を抱く弟。女を娼婦へと誘うヤクザ、その情婦のストリッパー。この四人がおりなす奇妙な関係の行方を、大胆な性描写とアントニオーニ的な抽象性を融合させて描いた曽根中生一代の傑作。唯一のロマンポルノ出演となった三井マリアの翳りある表情が美しい。

『マル秘 色情めす市場』写真

(c)日活

5月14日(水) 〜17日(土)

 色情めす市場

1974年(S49)/パートカラー/83分

■監督:田中登/脚本:いど・あきお/撮影:安藤庄平/美術:川崎軍二/音楽:樋口康雄 ■出演:芹明香、宮下順子、花柳幻舟、絵沢萠子、夢村四郎、岡本章、萩原朔美、高橋明

大阪のドヤ街でしたたかに生きる娼婦トメを描き、『仁義の墓場』『赤目四十八瀧心中未遂』にも深い影響を与えた名作。芹明香はこの一本で七十年代日本映画を象徴するイコンとなった。深い虚無感を湛えたモノクロ映像が魅惑的で、トメが精薄の弟と交わる場面では慈愛に満ちた母性が表出され、思わず息を呑む。

text by: 高崎俊夫