『人生とんぼ返り』写真

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6月15日(日) 〜17日(火)

人生とんぼ返り

1955年(S30)/日活/白黒/117分

■監督・脚本:マキノ雅弘/原作:長谷川幸延/撮影:高村倉太郎/美術:小池一美/音楽:大久保徳次郎
■出演:森繁久彌、山田五十鈴、左幸子、河津清三郎、水島道太郎、広岡三栄子、澤村國太郎、小林重四郎

新国劇で殺陣師を務めた市川段平の半生を描く『殺陣師段平』のマキノ雅弘によるセルフ・リメイク。新時代のリアルな殺陣の創造に苦しむ主人公と、彼を支える妻、娘の情愛を哀歓たっぷりに描く。森繁と山田の大阪弁のかけ合いが見もの。

『南国土佐を後にして』写真

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6月15日(日) 〜21日(土)

南国土佐を後にして

1959年(S34)/日活/カラー/78分

■監督・脚本:斎藤武市/原作・脚本:川内康範/撮影:高村倉太郎/美術:佐谷晃能/音楽:小杉太一郎
■出演:小林旭、浅丘ルリ子、ペギー葉山、南田洋子、中原早苗、二本柳寛、西村晃、内田良平、金子信雄

ペギー葉山の同名ヒット曲をもとにした歌謡アクションで、刑務所帰りのニヒルな賭博師を演じた小林旭の人気が爆発し、「渡り鳥」シリーズの原型となった記念碑的作品。地味な文芸作専門だった斎藤武市は一躍大ヒットメイカーへ転身する。

『男が爆発する』写真

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6月15日(日) 〜21日(土)

男が爆発する

1959年(S34)/日活/カラー/97分

■監督:舛田利雄/原作:柴田錬三郎/脚本:山崎巌、江崎実生/撮影:姫田真佐久/美術:松山崇/音楽:佐藤勝
■出演:石原裕次郎、北原三枝、浅丘ルリ子、二谷英明、白木マリ、小高雄二、金子信雄、滝沢修、佐々木孝丸

八ヶ岳山麓を舞台に農場一家の確執、土地買収や汚職問題をからめた活劇。大自然を背景にした『大いなる西部』風の豪放な殴り合いなど随所に西部劇のタッチが見られる。石原裕次郎が初めて純朴な農村開拓青年を演じたのも話題を呼んだ。

『フランキー ブーチャンの あゝ軍艦旗』写真

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6月18日(水) 〜24日(火)

フランキー ブーチャンの あゝ軍艦旗

1957年(S32)/日活/白黒/74分

■監督:春原政久/原作:梶野悳三/脚本:柳沢類寿/撮影:姫田真佐久/美術:小池一美/音楽:馬渡誠一
■出演:フランキー堺、市村俊幸、小林重四郎、小沢昭一、大泉滉、中原早苗、明美京子、多摩桂子

海軍兵学校に入隊した江戸っ子フランキーと、東北の農村生まれで朴訥な市村俊幸という対照的なコンビが繰り広げるドタバタ喜劇。口うるさくイビる上官に扮した小沢昭一の絶妙な演技、オカマ風な仕草で笑わせる大泉滉がひと際印象的だ。

『孤獨の人』写真

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6月18日(水) 〜28日(土)

孤獨の人ニュープリント

1957年(S32)/日活/白黒/82分 ※16mm

■監督:西河克己/原作:藤島泰輔/脚本:中沢信/撮影:高村倉太郎/美術:松山崇/音楽:斎藤高順
■出演:津川雅彦、小林旭、青山恭二、秋津礼二、稲垣美穂子、芦川いづみ、月丘夢路、大坂志郎

皇太子(今上天皇)を主人公にして、当時「『暴力教室』学習院版」と喧伝された同名のベストセラーを映画化した問題作。常に白手袋をして不可視の中心にいる皇太子を夜の銀座へ誘う御学友小林旭の初々しい魅力が光る青春映画でもある。

『狙われた男』写真

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6月22日(日) 〜24日(火)

狙われた男

1956年(S31)/日活/白黒/68分

■監督:中平康/脚本:新藤兼人/撮影:中尾駿一郎/美術:松山崇/音楽:川上義彦
■出演:牧眞介、天路圭子、南寿美子、市村俊幸、内藤武敏、北林谷栄、殿山泰司、松下達夫、近藤宏、山田禅二、浜村純

白昼、銀座裏路地の美容院でマダムが殺害され、前科を持つ青年に疑惑の眼が向けられる。ヒッチコックの『間違えられた男』を彷彿させるプロット、シャープな映像感覚と簡潔な語り口が絶賛された鬼才中平康の実質的なデビュー作である。
○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

『女高生レポート 夕子の白い胸』写真

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6月22日(日) 〜28日(土)

女高生レポート 夕子の白い胸

1971年(S46)/日活/カラー/71分

■監督:近藤幸彦/脚本:中野顕彰/撮影:川野詠史/美術:山本昂/音楽:真田勉
■出演:片桐夕子、山岸恵美子、高見ユキ、里見洸治、甲斐康二、島村謙次、高橋明、白井鋭、清水国雄、森田蘭子

若い体育教師に憧れる女高生の性への好奇心を描いた片桐夕子のロマンポルノデビュー作。近藤幸彦もロマンポルノになってからの監督昇進第一号となり、ソフトフォーカスの映像と瑞々しい演出が評価されて、以後も青春ポルノを連作した。

『ギターを持った渡り鳥』写真

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6月25日(水) 〜7月1日(火)

ギターを持った渡り鳥

1959年(S34)/日活/カラー/78分

■監督:斎藤武市/原作:小川英/脚本:山崎巌、原健三郎/撮影:高村倉太郎/美術:坂口武玄/音楽:小杉太一郎
■出演:小林旭、浅丘ルリ子、中原早苗、渡辺美佐子、宍戸錠、金子信雄、青山恭二、二本柳寛

小林旭の人気を不動のものとした「渡り鳥」シリーズ第一作。函館を舞台に地元のボスに雇われた流れ者が麻薬取引などの悪事を暴いていく。ラスト、荒れる北海の船上での殺し屋・宍戸錠と旭が対決するアクションシーンは見応えがある。

『野良猫ロック 暴走集団'71』写真

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6月25日(水) 〜7月1日(火)

野良猫ロック 暴走集団'71

1971年(S46)/ホリ企画、日活/カラー/87分

■監督:藤田敏八/脚本:永原秀一、浅井達也/撮影:萩原憲治/美術:千葉和彦/音楽:玉木宏樹
■出演:梶芽衣子、原田芳雄、藤竜也、地井武男、司美智子、青木伸子、郷鍈治、范文雀、藤木孝、前野霜一郎、安岡力也、稲葉義男

ダイニチ映配末期に狂い咲いた「野良猫ロック」シリーズの最終作。新宿西口に棲息するヒッピー集団が連れ去られた仲間を奪還すべく地方都市に乗り込む。廃墟での凄絶な激闘の果てに総死を遂げる原田芳雄、藤竜也が強烈な印象を残す。

Text by高崎俊夫