モーニングショー「昭和の銀幕に輝くヒロイン 第86弾 轟夕起子」

2017年8月20日(日)〜10月21日(土) 連日10:30より
※9月4日(月)はメンテナンスのため休館いたします。
ラピュタ阿佐ヶ谷

「昭和の銀幕に輝くヒロイン」シリーズに、いよいよ轟夕起子が登場! 
2017年、轟の生誕100年と没後50年にあたる記念の年に、豪華14作品を9週にわたり上映します。若き日の超絶美女ぶりは『限りなき前進』や『春秋一刀流』などでご堪能いただけます。また30代後半の円熟した演技は『青春怪談』や『洲崎パラダイス』で味わってください。これまで上映されることの少なかった『第五列の恐怖』と『銀座の女』のレア作品では、新たな魅力が発見できるでしょう。この機会をお見逃しなく。

2017年3月にはファンによる親睦団体「轟夕起子を愛する会」が結成されたり、全国各地で関連イベントが開催されるなど、その再評価はとどまるところを知りません。
上映期間中は、熱狂的な轟夕起子ファンである山口博哉氏(映画史家)特製の轟夕起子冊子をもれなくプレゼント。展示やグッズ販売、ニュース紙発行など、さまざまな企画で特集上映を盛り上げます。


【上映作品】
『限りなき前進』『爆音』『暢気眼鏡』『第五列の恐怖』『才女気質』『ハナ子さん』『春秋一刀流』『肉体の門』『続清水港』『青春怪談』『愛のお荷物』『銀座の女』『洲崎パラダイス 赤信号』『雑居家族』

【上映日程】
8.20[日]-22[火]
限りなき前進
1937年(S12)/日活多摩川/白黒/78分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:内田吐夢/原作:小津安二郎/脚本:八木保太郎/撮影:碧川道夫/美術:堀保治/音楽:山田栄一
■出演:小杉勇、江川宇礼雄、瀧花久子、片山明彦
誠実で小心な老サラリーマンがマイホーム完成の目前、インフレや定年制導入で夢が崩壊し、次第に正気を失ってゆく姿を描いた、日本映画史上最高傑作の一本。小津、八木、内田の天才三人がスタッフに結集した。発狂する父とは対照的に、娘を演じた轟夕起子の健康的な明るい魅力には言葉も出ない。今回の特集上映中、最も古い轟の出演作。

8.23[水]-26[土]、30[水]-9.2[土]
爆音
1939年(S14)/日活多摩川/白黒/84分 ※16mm
■監督:田坂具隆/原作・脚色:伊藤章三/撮影:伊佐山三郎、気賀靖吾、相坂操一/美術:梶芳郎/音楽:中川栄三
■出演:小杉勇、吉田一子、片山明彦、花柳小菊
村民の献金で作られた戦闘機が、お披露目で故郷の上空を飛行する!大喜びの村長は、このニュースを村中に伝えて回るのだった。戦意高揚映画ながら、平和な田舎の善良な人々の姿を、田坂監督がヒューマンに描く。轟夕起子は、上品だがお転婆な一面もある村長の娘を好演。轟の生地の良さが存分に発揮された田園抒情編。

8.27[日]-29[火]
暢気眼鏡[不完全]
1940年(S15)/日活多摩川/白黒/29分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:島耕二/原作:尾崎一雄/脚本:館岡謙之助、北村勉/撮影:相坂操一/美術:今井高一/音楽:杉原泰蔵
■出演:杉狂児、山田治子、星ひかる
貧乏作家とその妻の愛情深き日々を描いた、島耕二監督の最高傑作。杉狂児扮する売れない作家を支えるのは、天然キャラの妻・轟夕起子。置き場所も考えず風呂桶を買い込むなど、ユーモア満点の大活躍。こういう役を演じたら、轟の右に出る者はいない。オリジナル77分のうち現存するのはわずか29分だが、見ているだけで幸せになれる名作中の名作。

第五列の恐怖
1942年(S17)/日活多摩川/白黒/64分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:山本弘之/原作・脚本:北村勉/撮影:内納滸/美術:仲美喜雄/音楽:飯田景應
■出演:中田弘二、永田靖、見明凡太郎、伊沢一郎
第五列(=スパイ)への警戒を国民に呼びかけるため製作された戦争映画。日本で新開発された無音発動機をめぐり、轟夕起子扮する女スパイ・YZ七号が破壊活動を計画。それを阻止するため憲兵隊は必死の捜査に乗り出すのだった…。轟が初の悪役に挑戦した異色サスペンス。めったに上映されない映画で、今回の特集上映の超目玉作品。

9.3[日]、5[火]-9[土]
才女気質
1959年(S34)/日活/白黒/87分
■監督:中平康/原作:田口竹男/脚本:新藤兼人/撮影:山崎善弘/美術:千葉一彦/音楽:黛敏郎
■出演:大坂志郎、長門裕之、吉行和子、中原早苗、葉山良二
京都の表具屋を舞台に、夫を尻に敷くシッカリ者の女房・轟夕起子が、一家の繁栄を願いつつも、強情な性格が原因でトラブル続出。息子夫婦たちと和解なるか!?和服に草履といういでたちで、京の町をシャカシャカ歩き回る轟は、喜劇女優としての真価を発揮した。当時、名作を連打していた中平康監督にとっても、最高傑作の一本である。

9.10[日]-12[火]
ハナ子さん
1943年(S18)/東宝映画/白黒/71分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:マキノ正博/原作:杉浦幸雄/脚本:山崎謙太、小森静男/撮影:木塚誠一/美術:北川恵司/音楽:鈴木静一
■出演:灰田勝彦、山本礼三郎、山根寿子、高峰秀子、英百合子
杉浦幸雄の人気漫画の映画化。誰からも愛されるハナ子さん一家が、隣組の人々と協力しながら銃後の生活を守るという、戦時下のミュージカル映画。戦況が悪化していた当時、本作は観客から絶大な支持を受け、轟が歌う主題歌「お使いは自転車に乗って」は今なお歌いつがれている。夫が出征するラストで、轟がかぶるお多福の面が涙を誘う。

9.13[水]-16[土]
春秋一刀流
1939年(S14)/日活京都/白黒/74分 ※16mm
■監督・原作・脚本:丸根賛太郎/撮影:谷本精史/美術:鈴木孝俊/音楽:高橋半
■出演:片岡千恵蔵、澤村國太郎、志村喬、原健作、河部五郎、香川良介、市川小文治
講談などで有名な「天保水滸伝」を映画化。凄腕の浪人・平手造酒と二人の仲間が、新しい生活を夢見るも、用心棒稼業の中で一人また一人と命を落としてゆく。丸根賛太郎の演出が冴える傑作時代劇。轟夕起子は映画デビュー作『宮本武蔵』での初共演以来、千恵蔵とは名コンビが続いた。本作でも彼の恋人役で可憐な姿を披露している。

9.17[日]-19[火]
肉体の門
1948年(S23)/吉本映画、大泉スタジオ/白黒/87分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:マキノ正博/原作:田村泰次郎/脚本:小沢不二夫/撮影:三木滋人/美術:田辺達/音楽:大久保徳二郎
■出演:月丘千秋、田中実、逢初夢子、水島道太郎
戦後の東京、廃墟の中で売春婦として生きる女たちの掟は「恋愛禁止」。そんな一団に迷い込んだ若い娘・月丘千秋は、轟夕起子のリーダーに可愛がられるが、傷ついた復員兵に恋をしてしまう…。田村泰次郎の肉体文学のセンセーショナルな映画化で、後に鈴木清順監督で再映画化された。轟は汚れ役に初挑戦し、夜の女の悲哀とたくましさを熱演。

9.20[水]-23[土]、9.27[水]-30[土]
続清水港 ※画面上のタイトルは再公開時の題「清水港 代参夢道中」
1940年(S15)/日活京都/白黒/90分 ※16mm
■監督:マキノ正博/原作・脚色:小国英雄/撮影:石本秀雄/美術:角井平吉、上羽慶太郎/音楽:大久保徳二郎
■出演:片岡千恵蔵、広沢虎造、澤村アキヲ、志村喬、澤村國太郎
広沢虎造の傑作浪曲「石松三十石船道中」を基に、現代から江戸時代へタイムスリップするという奇想天外なSF時代劇。劇場支配人の千恵蔵は気がつくと、渡世人・石松に変身していた。最後に闇討されることを知っている彼は、その運命を回避しようとするが…。轟夕起子は千恵蔵に思いを寄せる純情娘を演じる。若き日のその可愛らしさは国宝級。

9.24[日]-26[火]
青春怪談
1955年(S30)/日活/白黒/114分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:市川崑/原作:獅子文六/脚本:和田夏十/撮影:峰重義/美術:中村公彦/音楽:黛敏郎
■出演:山村聰、三橋達也、北原三枝、瑳峨三智子、芦川いづみ、山根寿子
三橋達也と北原三枝の若いカップルは、合理的に結婚を準備中。一人残る父・山村聰を心配する北原は、三橋の母で未亡人の轟夕起子と再婚させようとするが、渋る山村とは正反対に、轟は大乗り気になって…。丸々と太った轟が、童女のように山村を熱愛する演技は抱腹絶倒。轟がコメディエンヌの才能を最高に開花させた、市川崑監督の大傑作。

10.1[日]-7[土]
愛のお荷物
1955年(S30)/日活/白黒/110分
■監督・脚本:川島雄三/脚本:柳沢類寿/撮影:峰重義/美術:中村公彦/音楽:黛敏郎
■出演:山村聰、三橋達也、北原三枝、山田五十鈴、高友子、東野英治郎
人口抑制に取り組む厚生大臣の一家で、こともあろうに妊娠が続発。政治生命に危機を感じた大臣は、何とか出産を阻止しようと画策するが…。川島雄三監督がフランスの戯曲を洗練された喜劇に仕上げ、代表作の一本とした。大臣夫人に扮した轟夕起子は42歳にしてまさかの「出来ちゃった」。それを恥じらいながら夫に報告する表情が、めちゃカワイイ。

10.8[日]-10[火]
銀座の女
1955年(S30)/日活/白黒/109分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:吉村公三郎/脚本:新藤兼人、高橋二三/撮影:宮島義勇/美術:丸茂孝/音楽:伊福部昭
■出演:乙羽信子、北原三枝、日高澄子、藤間紫、南寿美子、長谷部健
花街を描かせたら天下一品のコンビ・吉村&新藤の隠れた傑作。銀座にほど近い芸者屋を舞台に、彼女たちの悲喜こもごもの生活をユーモアと皮肉で描いた風俗映画。若いツバメに翻弄される芸者屋の女将に扮した轟夕起子は、自身の女優歴の最も充実した時期に出演した作品。上映機会の少ない映画なので、今回お見逃しなく。

10.11[水]-14[土]、18[水]-21[土]
洲崎パラダイス 赤信号
1956年(S31)/日活/白黒/81分
■監督:川島雄三/原作:芝木好子/脚本:井手俊郎、寺田信義/撮影:高村倉太郎/美術:中村公彦/音楽:真鍋理一郎
■出演:新珠三千代、三橋達也、芦川いづみ、河津清三郎、小沢昭一
東京の歓楽街・洲崎パラダイスで小さな飲み屋を営む轟夕起子のもとへ集まる訳ありな人々。駆落ち中の若い男女、それを口説く中年社長…。轟自身も、夫が若い情婦と蒸発中という苦悩を抱えていた。飲み屋を舞台にした辛口の人間模様。映画ファンの間では川島雄三の最高傑作とも評される。当時38歳だった轟の円熟した演技をご堪能ください。

10.15[日]-17[火]
雑居家族
1956年(S31)/日活/白黒/110分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■監督:久松静児/原作:壺井栄/脚本:田中澄江/撮影:姫田真佐久/美術:木村威夫/音楽:斎藤一郎
■出演:織田政雄、伊藤雄之助、新珠三千代、左幸子、二木てるみ
壺井栄の新聞小説の映画化。子供のいない夫婦が他人の子ばかりを育て、温かな「雑居家族」を作る。そこへ左幸子のアプレ娘が出現し、大騒動に発展…。轟夕起子は壺井栄の分身ともいえる、短気だが愛情深い女流作家を好演。また轟とは共演の多かった伊藤雄之助がダメダメ男を怪演している。久松静児監督の最盛期に作られた愛すべき秀作。

【料金】
一般…1,200円 シニア・学生…1,000円 会員…800円 
※水曜サービスデー1,000円均一